〜シングルライフにおけるニーズの変化とは?〜
日鉄興和不動産株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:今泉 泰彦)が運営するリビオライフデザイン総研にて活動している、シングルライフのための暮らし・住まいの研究所「+ONE LIFE LAB」(プラスワンライフラボ:以下ラボ)では、単⾝男⼥のマンション志向性とライフスタイルについて定点調査を実施しました。同調査は2017年度から年に1回実施し、本年度で4回目となります。本紙では、調査結果を抜粋してご紹介します。今後もこの調査結果を商品企画に反映し、単身男女の理想の住まいをカタチにしていきます。
【調査の経緯】
近年、核家族化の影響を受けて、単独世帯(世帯員が⼀⼈の世帯、以下「単身層」)が増加しており、2040年には約40%に達すると予測されています。単身層が増加傾向にある中、ラボでは単⾝層の志向性を継続的に把握するため、2017年から単身男女のマンション志向性とライフスタイルの調査を開始しました。他にも『マンションにおける共用部シェアリングサービス調査』『単身男性の理想の収納の調査』『在宅ワークの実態調査』など、単身層のニーズに踏み込んだ、多岐にわたる調査を毎年実施し、その結果をもとに、他業界の企業との共同開発も含めマンションの商品企画に活かしてきました。
【調査結果の概要】
ラボの今年度調査結果では、トピックスとなるものとして、下記4項目をピックアップしました。前回調査の2020年度からの主な変化は以下の通りです。
① 収納
依然としてウォークインクローゼットは⼈気。ライフスタイルに合うウォークインクローゼットプランへのニーズもある。
・ 独⽴洋室のあるプランは⼀定の需要があり、最もスタンダードで人気のあるプランといえる。
・ リビングウォークインクローゼットプランは、「お出かけ派」の視点から評価。ウォークインクローゼットの⼊り⼝⼀つで利⽤⽅法に違いがあるため、より⽤途を明確化したウォークインクローゼットへのニーズもある。
② キッチン
2020年度と同様に、⾃炊率は⾼いままキープしており、キッチンへの注⽬度は⾼い。
・ 2020年度に上昇したキッチンの利⽤頻度は今回も維持しており、キッチンへの注⽬度は⾼い状態となっている。
・ 男⼥共にセミオープンキッチンの⼈気が⾼い。
・ キッチンタイプとコンロの数の関係は、オープン度の高さを求める方ほど多くのコンロ数を求める傾向があるため、料理への関⼼も⾼いと考えられる。
③ 設備・サービス
価格が上昇しても欲しいアイテムにおいて共通するのは、『いつでも便利に使えること。』
・ 共⽤部では、定番の宅配ロッカーに加え、2021年度調査より新設した「24時間ゴミステーション」は、⼥性を中⼼に価格が上昇してでも欲しいアイテムとなった。忙しいシングルライフだからこそ、いつでもゴミ出しできる機能性に評価があったと考えられる。
・ 専有部では、⼥性において備え付けキッチン収納、浴室換気乾燥機、フルオートバスといった⽔回り設備へのニーズが⾼い。
④ ライフスタイル・価値観
将来の⼼配事は、これまで同様に「健康・⾦銭・⽼後」が中⼼。マンションは⽼後も⾒据えた将来設計の対策案としての位置付け。
・ ⽼後を⾒据えた、健康⾯、金銭⾯における⼼配事が⽬⽴った。特に⼥性でその傾向が強くなっており、マンション購⼊理由についても⽼後対策がトップとなった。
・ マンション購入時における欲しい情報として、お金に関する項目が上位を占めるが、2020年度トップの『購⼊時に必要な⾦額』が男女共に低下した。
【調査の主な結果】
《欲しい間取り》
希望の間取りとしては「ウォークインクローゼットがある」、「独⽴洋室がある」の2つのプランに⼈気が集中した。「ウォークインクローゼットがある」プランは、特に⼥性のニーズが⾼かった。⼀⽅「独⽴洋室がある」プランは、男⼥共に⼈気のプランとなる。
<前回調査⽐較>
前回と⽐較し全体的に分散化の傾向となった。調査ごとに⼈気が⾼まっていた「ウォークインクローゼットがある」プランは今回初の低下となり、その分を「リビングから⼊れるウォークインクロゼットがある」プランが上昇している。特に⼥性において11pt上昇したことが大きい。
《キッチンタイプ》
最も欲しいタイプは、「セミオープン型」となり、次いで「壁付型」となった。男⼥でやや異なり、⼥性はセミオープン型に⼈気が集中する⼀⽅、男性ではセミオープン型と壁付型に⼈気が⼆分した。各キッチンタイプの選択理由としては、「セミオープン型」、「壁付型」共に「使い勝⼿が良さそう」が上位として共通する。加えて「セミオープン型」では、「キッチンから部屋が⾒渡せるから」、「キッチンとリビングの動線が良さそうだから」を挙げており、リビングとの⼀体感を評価している。また「壁付型」では「調理時のにおいが部屋に広がらなさそうだから」、「キッチンが衛⽣的だから」、「調理時の油はねが気にならないから」を挙げており、機能⾯を重視する傾向が強い。
<前回調査⽐較>
キッチンタイプについては、「⼥性=セミオープン型」、「男性=セミオープン・壁付型」が変わらず、前回と⾮常によく似た傾向となっている。また選択理由についても前回とほぼ同様となった。
《キッチン 優先するもの》
最も優先すること(1位)は、「作業スペースの広さ」、「収納スペースの多さ」といった、”スペース”に関することとなった。どちらも男⼥共にニーズがある。また「収納スペース」については、優先順位1位〜4位まで幅広いことが特徴であり、個⼈の志向に差が出やすい項⽬といえる。
<前回調査⽐較>
前回の調査では、⼥性は「作業スペース」や「コンロの数」など調理視点で、男性は「収納スペース」や「⾷器洗い乾燥機などの設備が充実していること」など「⽚付け視点」というように男⼥で視点がわかれていたが、今回の調査では男⼥の差があまり無かったことが特徴といえる。
《専有部設備 重要項⽬》
価格が上がっても欲しい専有部の設備は、「リビングにエアコン実装」が最もニーズが⾼い設備となった。次いで「浴室換気乾燥機」、「備え付けのキッチン収納棚」が上位となった。「浴室換気乾燥機」、「備え付けのキッチン収納棚」については、⼥性でよりニーズが⾼い傾向が見られた。また「ボタン⼀つでお湯張り、追い焚きができるフルオートバス」も⼥性のニーズが⾼く、⽔回りへの関⼼が⾼い。また男性では「5GB のインターネット環境」、「⾷器洗い乾燥機」のニーズが⾼く、利便性に通じる設備が選ばれている。
<前回調査⽐較>
「リビングにエアコン実装」は過去調査全てにおいて1位の設備となり、必須アイテムといえる。前回との⽐較で変化があったのは「ボタン⼀つでお湯張り、追い焚きができるフルオートバス」、「お湯が冷めにくく経済的な保温浴槽」の2つが低下したことで、いずれも浴室に関係している。
《共⽤部設備 重要項⽬》
価格・管理費が上がっても欲しい共⽤部の設備は、「宅配ロッカー」と、今回選択肢を新設した「24時間ゴミステーション」が突出して⾼かった。特に⼥性の希望が⾼い。いずれも「必要なし」の回答も⾮常に少なく、ニーズの⾼い施設・設備となっている。その他の施設・設備は2割未満となり、上位2つは⼤きく差がある結果となった。 <前回調査⽐較>
前回と⽐較すると、もともとニーズが⾼い「宅配ロッカー」がさらに上昇しており、必須アイテムの施設・設備となっている。⼀⽅、その他の施設・設備の関しては前回並み〜低下となっており、「宅配ロッカー」、「24時間ゴミステーション」がより際⽴つ結果となった。
《ソフトサービス 重要項⽬》
価格・管理費が上がっても欲しいソフトサービスは、「害⾍駆除」、「宅配ロッカーに⼊らない荷物の⼀時預かり」、「エアコンクリーニング」が上位3つとなるが、4位以下とも僅差の結果となった。男⼥別で順位をみると⼥性では「害⾍駆除」、「エアコンクリーニング」、「⽔回りのトラブル等での駆けつけサービス」、男性では「宅配ロッカーに⼊らない荷物の⼀時預かり」、「害⾍駆除」、「宅配ボックスでのクリーニング集荷・受取サービス」、「24時間有⼈管理」を希望しており、性別で異なる結果となった。
<前回調査⽐較>
前回、「害⾍駆除」が2位以下を離していたが、今回では平準化した結果となった。また回答者が選択した個数も減少しており、ソフトサービスへの関⼼がやや下がっている結果となった。
《ライフスタイル・価値観》
ライフスタイル・価値観において「将来が⼼配だ」、「プライベートを⼤切にしたい」、「家の広さよりも利便性を優先したい」といった意識が5割以上となった。男⼥⽐でみると、⼥性では「将来が⼼配だ」、「家賃・ローンが多少⾼くても、通勤時間を短くしたい」、「できれば同じエリアに住み続けたい」、男性では「家賃・ローンを抑える為に、通勤が多少⼤変になっても構わない」、「住む場所はその時々で⾃由に変えたい」、「いつかは結婚したい」がより⾼い傾向となった。
<前回調査⽐較>
前回は「⼈を家に呼びたい」、「⼈を家に呼びたくない」が同レベルであったが、今回では男⼥共に「⼈を呼びたくない」が⼤きく上昇しており、社会全体のライフスタイルの変化に伴う影響と考えられる。
《将来不安》
将来不安では「ずっと健康でいられるか」、「⽼後の⽣活がきちんと送れるだけの貯蓄ができるか」、「年⾦の⽀給額がかなり減るのではないか」が上位となった。全体的に男性よりも⼥性の⽅がより多くの不安を抱えている傾向がみられた。特に「⾼齢になると賃貸住宅を貸してもらいにくくなるのではないか」、「何かあったら助け合える⼈間関係を構築できるか」、「⽼後の⽣活がきちんと送れるだけの貯蓄ができるか」が顕著であり、住まい・⼈間関係・⾦銭⾯と多岐にわたっている。
<前回調査⽐較>
全体のポイントは低下しており、不安は減少傾向となっている。その中でも「年⾦制度が続いているかどうか」、「親の介護」、「家を買ったらローンを払い続けられるか」の低下が⼤きかった。
《マンション購⼊時における欲しい情報》
マンション購⼊時における欲しい情報としては「税⾦の額や、⽀払いについて」、「購⼊時に必要な⾦額」、「持ち家と賃貸のどちらが得なのか」、「住宅ローンの種類、選び⽅」、「住宅ローンの流れ、仕組み、借り⽅など」が上位となり、全てお⾦に関する情報が中⼼。これらの項⽬は⼥性でより多くの情報を求める傾向があった。
<前回調査⽐較>
前回と⽐較すると全体的に変化は小さいが、「購⼊時に必要な⾦額」が7pt減少していることが唯⼀変化となった。これは男⼥共に同様の傾向となった。
■アンケート調査概要
調査対象 :20〜50㎡未満のマンション購⼊を検討している30~40代の単⾝男⼥
調査地域 :首都圏(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県)
調査方法 :インターネットリサーチ
調査時期 :2021年8⽉4⽇(⽔)〜6⽇(⾦)
有効回答数 :300サンプル
調査実施機関:楽天インサイト株式会社
■リビオライフデザイン総研
・設立 :2021年7月12日
・URL :https://sumai.nskre.co.jp/lab
・活動内容:ライフデザインの発想で、人生を豊かにするマンションについて、人とマンションのあらゆるシーンを見つめ研究する社内シンクタンクです。シングルライフに特化し調査研究を行う「+ONE LIFE LAB」、最新の技術やテクノロジーを他企業と共創する「Co-Creation BASE」、ニーズに応え、あたらしい暮らしの提案を行う「新しいくらし!創造PJ」、マンションを買う前、買う時に自分らしく購入検討ができるよう提案を行う「新しい買い方創造PJ」から構成されています。
・運営 :日鉄興和不動産株式会社