土曜日, 4月 11, 2026

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新築マンション減少時代における立地選別:マンション開発を引き寄せる新幹線停車駅

【調査概要】・調査期間:2025年1月~2026年2月・調査機関:マンションリサーチ・調査対象:全国分譲マンション ・サンプル事例数:146,455棟・調査方法:マンションリサーチ社が収集した分譲マンション情報を統計処理を行い集計する 建築工事費高騰がもたらす新築マンション価格の上昇昨今、建築工事費の上昇が続く中で、新築マンション価格もそれに連動する形で大きく高騰しています。特にここ数年の動きは顕著であり、マンション市場全体の構造を理解する上でも、この建築コストの変化は避けて通れない重要な論点となっています。 建築工事デフレーターが示す「実質コスト」の急上昇建築工事費デフレーターとは、物価変動の影響を取り除いた「実質的な建築コスト」の動きを把握するための指標であり、単なる名目価格では見えにくいコストの本質的な上昇を捉えることができます。この指標は長らく緩やかな上昇傾向にありましたが、2020年前後を境にその傾きが大きく変化しました。資材価格の高騰、労務費の上昇、さらにはサプライチェーンの混乱といった複合的な要因により、建築コストは急激に押し上げられ、2025年時点では2000年比で約20%の上昇となっています。これは単なるインフレの範疇を超えた、構造的なコスト上昇局面に入っていることを示唆しています。 用地取得難と供給減少が進む構造このような建築コストの上昇に加え、マンション開発においては用地取得の難易度も年々高まっています。特に都市部においては、優良な立地の用地はすでに開発され尽くされつつあり、新規の開発用地は競争入札によって取得価格が高騰しやすい状況です。一方で地方都市に目を向けると、人口動態や需要の見通しを踏まえた際に、そもそも開発自体の成立性が厳しくなるケースも増えています。こうした背景から、日本全体として新築マンションの竣工棟数は減少傾向にあり、供給の絞り込みが進んでいるのが実情です。 デベロッパーの選別が強まる時代このような環境下において、デベロッパーの開発判断はより慎重かつ選別的になっています。単に土地があるから開発するのではなく、「確実に売り切れるか」「想定価格を維持できるか」といった収益確度が強く問われるようになっており、その前提としてエリアのポテンシャルを精緻に見極める必要があります。特に地方都市や準都市圏では、この傾向が顕著であり、需要の裏付けが弱いエリアでは新規供給が見送られるケースも少なくありません。   新幹線駅周辺が「選ばれる立地」である理由 こうした中で、比較的開発対象として選ばれやすいエリアの一つが「新幹線停車駅周辺」です。新幹線駅は単なる交通拠点にとどまらず、広域アクセスを担保するインフラであり、当該エリアの価値を大きく押し上げる要素となります。地方都市においても新幹線によって大都市圏との移動時間が短縮されることで、ビジネス・観光・居住といった複数の需要が重なりやすくなります。つまり、ローカル需要に加えて広域需要を取り込める「拡張性のある市場」であり、デベロッパーにとってはリスクを抑えた開発が可能となるエリアと言えます。 新幹線停車駅ランキングに見る供給の集中実際に、新幹線停車駅を擁する市区町村におけるマンション供給動向を見ると、その傾向は明確です。2025年以降に竣工(予定)されるマンションの割合を基にしたランキングでは、福山駅、高崎駅、岡山駅、鹿児島中央駅、京都駅といった駅が上位に並びます。これらのエリアはいずれも都市機能と広域アクセスを兼ね備えており、新築マンション開発が相対的に活発に行われていると考えられます。 岡山駅に見る地方中核都市の変化中でも注目すべきは岡山駅です。直近では大手デベロッパーによるブランドマンション「プラウドタワー岡山」や「Brillia岡山中山下」といったプロジェクトが竣工(または竣工予定)となっており、地方中核都市においてもハイグレードなマンション供給が成立していることが確認できます。これらは建築コストの上昇を織り込んだ高価格帯での供給にもかかわらず、需要が成立している点が重要です。すなわち、立地と商品企画が適切であれば、高価格でも市場は受け入れる余地があることを示しています。 新築と中古の代替関係が生む需給変化さらに重要なのは、新築マンションと中古マンションの関係性です。両者は「居住」という観点において代替関係にあるため、新築価格が上昇すれば、相対的に割安感のある中古マンションへと需要がシフトします。特に現在のように実需が底堅い局面では、この動きはより顕著に表れます。新築の価格が手の届きにくい水準に達することで、購入検討者の一部が中古市場へ流入し、結果として中古需要が押し上げられる構造となります。 需給逼迫が中古価格を押し上げる一方で、中古マンションの供給は既存ストックに依存するため、短期的に大きく増やすことができません。このため、需要が増加する局面では需給が逼迫しやすく、価格は徐々に上昇していきます。最終的には、新築マンションとの価格差が意識されながら、中古価格が新築価格ににじり寄る形で上昇していきます。この構造こそが、新築マンションが市場全体の価格を牽引する「プライスリーダー」として機能する所以です。 「マンション価格」の議論で見落とされがちな視点したがって、「マンション価格が上がっている」「下がっている」といった議論を行う際には、その対象エリアを明確にすることが不可欠です。全国一律で同じ動きが起きているわけではなく、実際にはエリアごとに需給構造や価格動向は大きく異なります。特に新幹線停車駅のように広域需要を取り込めるエリアでは価格上昇が持続しやすい一方、需要の裏付けが弱いエリアでは市場の停滞も起こり得ます。 今後の市場分析に求められる視点今後のマンション市場を読み解く上では、建築コストというマクロ要因に加え、エリアごとの需要特性や供給構造を丁寧に分析することがこれまで以上に重要になります。単純な価格の上下だけでなく、「どのエリアで、なぜその動きが起きているのか」を捉える視点こそが、今後の市場分析において求められる本質と言えるでしょう。 筆者プロフィール福嶋...

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新築マンション減少時代における立地選別:マンション開発を引き寄せる新幹線停車駅

【調査概要】・調査期間:2025年1月~2026年2月・調査機関:マンションリサーチ・調査対象:全国分譲マンション ・サンプル事例数:146,455棟・調査方法:マンションリサーチ社が収集した分譲マンション情報を統計処理を行い集計する 建築工事費高騰がもたらす新築マンション価格の上昇昨今、建築工事費の上昇が続く中で、新築マンション価格もそれに連動する形で大きく高騰しています。特にここ数年の動きは顕著であり、マンション市場全体の構造を理解する上でも、この建築コストの変化は避けて通れない重要な論点となっています。 建築工事デフレーターが示す「実質コスト」の急上昇建築工事費デフレーターとは、物価変動の影響を取り除いた「実質的な建築コスト」の動きを把握するための指標であり、単なる名目価格では見えにくいコストの本質的な上昇を捉えることができます。この指標は長らく緩やかな上昇傾向にありましたが、2020年前後を境にその傾きが大きく変化しました。資材価格の高騰、労務費の上昇、さらにはサプライチェーンの混乱といった複合的な要因により、建築コストは急激に押し上げられ、2025年時点では2000年比で約20%の上昇となっています。これは単なるインフレの範疇を超えた、構造的なコスト上昇局面に入っていることを示唆しています。 用地取得難と供給減少が進む構造このような建築コストの上昇に加え、マンション開発においては用地取得の難易度も年々高まっています。特に都市部においては、優良な立地の用地はすでに開発され尽くされつつあり、新規の開発用地は競争入札によって取得価格が高騰しやすい状況です。一方で地方都市に目を向けると、人口動態や需要の見通しを踏まえた際に、そもそも開発自体の成立性が厳しくなるケースも増えています。こうした背景から、日本全体として新築マンションの竣工棟数は減少傾向にあり、供給の絞り込みが進んでいるのが実情です。 デベロッパーの選別が強まる時代このような環境下において、デベロッパーの開発判断はより慎重かつ選別的になっています。単に土地があるから開発するのではなく、「確実に売り切れるか」「想定価格を維持できるか」といった収益確度が強く問われるようになっており、その前提としてエリアのポテンシャルを精緻に見極める必要があります。特に地方都市や準都市圏では、この傾向が顕著であり、需要の裏付けが弱いエリアでは新規供給が見送られるケースも少なくありません。   新幹線駅周辺が「選ばれる立地」である理由 こうした中で、比較的開発対象として選ばれやすいエリアの一つが「新幹線停車駅周辺」です。新幹線駅は単なる交通拠点にとどまらず、広域アクセスを担保するインフラであり、当該エリアの価値を大きく押し上げる要素となります。地方都市においても新幹線によって大都市圏との移動時間が短縮されることで、ビジネス・観光・居住といった複数の需要が重なりやすくなります。つまり、ローカル需要に加えて広域需要を取り込める「拡張性のある市場」であり、デベロッパーにとってはリスクを抑えた開発が可能となるエリアと言えます。 新幹線停車駅ランキングに見る供給の集中実際に、新幹線停車駅を擁する市区町村におけるマンション供給動向を見ると、その傾向は明確です。2025年以降に竣工(予定)されるマンションの割合を基にしたランキングでは、福山駅、高崎駅、岡山駅、鹿児島中央駅、京都駅といった駅が上位に並びます。これらのエリアはいずれも都市機能と広域アクセスを兼ね備えており、新築マンション開発が相対的に活発に行われていると考えられます。 岡山駅に見る地方中核都市の変化中でも注目すべきは岡山駅です。直近では大手デベロッパーによるブランドマンション「プラウドタワー岡山」や「Brillia岡山中山下」といったプロジェクトが竣工(または竣工予定)となっており、地方中核都市においてもハイグレードなマンション供給が成立していることが確認できます。これらは建築コストの上昇を織り込んだ高価格帯での供給にもかかわらず、需要が成立している点が重要です。すなわち、立地と商品企画が適切であれば、高価格でも市場は受け入れる余地があることを示しています。 新築と中古の代替関係が生む需給変化さらに重要なのは、新築マンションと中古マンションの関係性です。両者は「居住」という観点において代替関係にあるため、新築価格が上昇すれば、相対的に割安感のある中古マンションへと需要がシフトします。特に現在のように実需が底堅い局面では、この動きはより顕著に表れます。新築の価格が手の届きにくい水準に達することで、購入検討者の一部が中古市場へ流入し、結果として中古需要が押し上げられる構造となります。 需給逼迫が中古価格を押し上げる一方で、中古マンションの供給は既存ストックに依存するため、短期的に大きく増やすことができません。このため、需要が増加する局面では需給が逼迫しやすく、価格は徐々に上昇していきます。最終的には、新築マンションとの価格差が意識されながら、中古価格が新築価格ににじり寄る形で上昇していきます。この構造こそが、新築マンションが市場全体の価格を牽引する「プライスリーダー」として機能する所以です。 「マンション価格」の議論で見落とされがちな視点したがって、「マンション価格が上がっている」「下がっている」といった議論を行う際には、その対象エリアを明確にすることが不可欠です。全国一律で同じ動きが起きているわけではなく、実際にはエリアごとに需給構造や価格動向は大きく異なります。特に新幹線停車駅のように広域需要を取り込めるエリアでは価格上昇が持続しやすい一方、需要の裏付けが弱いエリアでは市場の停滞も起こり得ます。 今後の市場分析に求められる視点今後のマンション市場を読み解く上では、建築コストというマクロ要因に加え、エリアごとの需要特性や供給構造を丁寧に分析することがこれまで以上に重要になります。単純な価格の上下だけでなく、「どのエリアで、なぜその動きが起きているのか」を捉える視点こそが、今後の市場分析において求められる本質と言えるでしょう。 筆者プロフィール福嶋...

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【調査概要】・調査期間:2025年1月~2026年2月・調査機関:マンションリサーチ・調査対象:全国分譲マンション ・サンプル事例数:146,455棟・調査方法:マンションリサーチ社が収集した分譲マンション情報を統計処理を行い集計する 建築工事費高騰がもたらす新築マンション価格の上昇昨今、建築工事費の上昇が続く中で、新築マンション価格もそれに連動する形で大きく高騰しています。特にここ数年の動きは顕著であり、マンション市場全体の構造を理解する上でも、この建築コストの変化は避けて通れない重要な論点となっています。 建築工事デフレーターが示す「実質コスト」の急上昇建築工事費デフレーターとは、物価変動の影響を取り除いた「実質的な建築コスト」の動きを把握するための指標であり、単なる名目価格では見えにくいコストの本質的な上昇を捉えることができます。この指標は長らく緩やかな上昇傾向にありましたが、2020年前後を境にその傾きが大きく変化しました。資材価格の高騰、労務費の上昇、さらにはサプライチェーンの混乱といった複合的な要因により、建築コストは急激に押し上げられ、2025年時点では2000年比で約20%の上昇となっています。これは単なるインフレの範疇を超えた、構造的なコスト上昇局面に入っていることを示唆しています。 用地取得難と供給減少が進む構造このような建築コストの上昇に加え、マンション開発においては用地取得の難易度も年々高まっています。特に都市部においては、優良な立地の用地はすでに開発され尽くされつつあり、新規の開発用地は競争入札によって取得価格が高騰しやすい状況です。一方で地方都市に目を向けると、人口動態や需要の見通しを踏まえた際に、そもそも開発自体の成立性が厳しくなるケースも増えています。こうした背景から、日本全体として新築マンションの竣工棟数は減少傾向にあり、供給の絞り込みが進んでいるのが実情です。 デベロッパーの選別が強まる時代このような環境下において、デベロッパーの開発判断はより慎重かつ選別的になっています。単に土地があるから開発するのではなく、「確実に売り切れるか」「想定価格を維持できるか」といった収益確度が強く問われるようになっており、その前提としてエリアのポテンシャルを精緻に見極める必要があります。特に地方都市や準都市圏では、この傾向が顕著であり、需要の裏付けが弱いエリアでは新規供給が見送られるケースも少なくありません。   新幹線駅周辺が「選ばれる立地」である理由 こうした中で、比較的開発対象として選ばれやすいエリアの一つが「新幹線停車駅周辺」です。新幹線駅は単なる交通拠点にとどまらず、広域アクセスを担保するインフラであり、当該エリアの価値を大きく押し上げる要素となります。地方都市においても新幹線によって大都市圏との移動時間が短縮されることで、ビジネス・観光・居住といった複数の需要が重なりやすくなります。つまり、ローカル需要に加えて広域需要を取り込める「拡張性のある市場」であり、デベロッパーにとってはリスクを抑えた開発が可能となるエリアと言えます。 新幹線停車駅ランキングに見る供給の集中実際に、新幹線停車駅を擁する市区町村におけるマンション供給動向を見ると、その傾向は明確です。2025年以降に竣工(予定)されるマンションの割合を基にしたランキングでは、福山駅、高崎駅、岡山駅、鹿児島中央駅、京都駅といった駅が上位に並びます。これらのエリアはいずれも都市機能と広域アクセスを兼ね備えており、新築マンション開発が相対的に活発に行われていると考えられます。 岡山駅に見る地方中核都市の変化中でも注目すべきは岡山駅です。直近では大手デベロッパーによるブランドマンション「プラウドタワー岡山」や「Brillia岡山中山下」といったプロジェクトが竣工(または竣工予定)となっており、地方中核都市においてもハイグレードなマンション供給が成立していることが確認できます。これらは建築コストの上昇を織り込んだ高価格帯での供給にもかかわらず、需要が成立している点が重要です。すなわち、立地と商品企画が適切であれば、高価格でも市場は受け入れる余地があることを示しています。 新築と中古の代替関係が生む需給変化さらに重要なのは、新築マンションと中古マンションの関係性です。両者は「居住」という観点において代替関係にあるため、新築価格が上昇すれば、相対的に割安感のある中古マンションへと需要がシフトします。特に現在のように実需が底堅い局面では、この動きはより顕著に表れます。新築の価格が手の届きにくい水準に達することで、購入検討者の一部が中古市場へ流入し、結果として中古需要が押し上げられる構造となります。 需給逼迫が中古価格を押し上げる一方で、中古マンションの供給は既存ストックに依存するため、短期的に大きく増やすことができません。このため、需要が増加する局面では需給が逼迫しやすく、価格は徐々に上昇していきます。最終的には、新築マンションとの価格差が意識されながら、中古価格が新築価格ににじり寄る形で上昇していきます。この構造こそが、新築マンションが市場全体の価格を牽引する「プライスリーダー」として機能する所以です。 「マンション価格」の議論で見落とされがちな視点したがって、「マンション価格が上がっている」「下がっている」といった議論を行う際には、その対象エリアを明確にすることが不可欠です。全国一律で同じ動きが起きているわけではなく、実際にはエリアごとに需給構造や価格動向は大きく異なります。特に新幹線停車駅のように広域需要を取り込めるエリアでは価格上昇が持続しやすい一方、需要の裏付けが弱いエリアでは市場の停滞も起こり得ます。 今後の市場分析に求められる視点今後のマンション市場を読み解く上では、建築コストというマクロ要因に加え、エリアごとの需要特性や供給構造を丁寧に分析することがこれまで以上に重要になります。単純な価格の上下だけでなく、「どのエリアで、なぜその動きが起きているのか」を捉える視点こそが、今後の市場分析において求められる本質と言えるでしょう。 筆者プロフィール福嶋...

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新築マンション減少時代における立地選別:マンション開発を引き寄せる新幹線停車駅

【調査概要】・調査期間:2025年1月~2026年2月・調査機関:マンションリサーチ・調査対象:全国分譲マンション ・サンプル事例数:146,455棟・調査方法:マンションリサーチ社が収集した分譲マンション情報を統計処理を行い集計する 建築工事費高騰がもたらす新築マンション価格の上昇昨今、建築工事費の上昇が続く中で、新築マンション価格もそれに連動する形で大きく高騰しています。特にここ数年の動きは顕著であり、マンション市場全体の構造を理解する上でも、この建築コストの変化は避けて通れない重要な論点となっています。 建築工事デフレーターが示す「実質コスト」の急上昇建築工事費デフレーターとは、物価変動の影響を取り除いた「実質的な建築コスト」の動きを把握するための指標であり、単なる名目価格では見えにくいコストの本質的な上昇を捉えることができます。この指標は長らく緩やかな上昇傾向にありましたが、2020年前後を境にその傾きが大きく変化しました。資材価格の高騰、労務費の上昇、さらにはサプライチェーンの混乱といった複合的な要因により、建築コストは急激に押し上げられ、2025年時点では2000年比で約20%の上昇となっています。これは単なるインフレの範疇を超えた、構造的なコスト上昇局面に入っていることを示唆しています。 用地取得難と供給減少が進む構造このような建築コストの上昇に加え、マンション開発においては用地取得の難易度も年々高まっています。特に都市部においては、優良な立地の用地はすでに開発され尽くされつつあり、新規の開発用地は競争入札によって取得価格が高騰しやすい状況です。一方で地方都市に目を向けると、人口動態や需要の見通しを踏まえた際に、そもそも開発自体の成立性が厳しくなるケースも増えています。こうした背景から、日本全体として新築マンションの竣工棟数は減少傾向にあり、供給の絞り込みが進んでいるのが実情です。 デベロッパーの選別が強まる時代このような環境下において、デベロッパーの開発判断はより慎重かつ選別的になっています。単に土地があるから開発するのではなく、「確実に売り切れるか」「想定価格を維持できるか」といった収益確度が強く問われるようになっており、その前提としてエリアのポテンシャルを精緻に見極める必要があります。特に地方都市や準都市圏では、この傾向が顕著であり、需要の裏付けが弱いエリアでは新規供給が見送られるケースも少なくありません。   新幹線駅周辺が「選ばれる立地」である理由 こうした中で、比較的開発対象として選ばれやすいエリアの一つが「新幹線停車駅周辺」です。新幹線駅は単なる交通拠点にとどまらず、広域アクセスを担保するインフラであり、当該エリアの価値を大きく押し上げる要素となります。地方都市においても新幹線によって大都市圏との移動時間が短縮されることで、ビジネス・観光・居住といった複数の需要が重なりやすくなります。つまり、ローカル需要に加えて広域需要を取り込める「拡張性のある市場」であり、デベロッパーにとってはリスクを抑えた開発が可能となるエリアと言えます。 新幹線停車駅ランキングに見る供給の集中実際に、新幹線停車駅を擁する市区町村におけるマンション供給動向を見ると、その傾向は明確です。2025年以降に竣工(予定)されるマンションの割合を基にしたランキングでは、福山駅、高崎駅、岡山駅、鹿児島中央駅、京都駅といった駅が上位に並びます。これらのエリアはいずれも都市機能と広域アクセスを兼ね備えており、新築マンション開発が相対的に活発に行われていると考えられます。 岡山駅に見る地方中核都市の変化中でも注目すべきは岡山駅です。直近では大手デベロッパーによるブランドマンション「プラウドタワー岡山」や「Brillia岡山中山下」といったプロジェクトが竣工(または竣工予定)となっており、地方中核都市においてもハイグレードなマンション供給が成立していることが確認できます。これらは建築コストの上昇を織り込んだ高価格帯での供給にもかかわらず、需要が成立している点が重要です。すなわち、立地と商品企画が適切であれば、高価格でも市場は受け入れる余地があることを示しています。 新築と中古の代替関係が生む需給変化さらに重要なのは、新築マンションと中古マンションの関係性です。両者は「居住」という観点において代替関係にあるため、新築価格が上昇すれば、相対的に割安感のある中古マンションへと需要がシフトします。特に現在のように実需が底堅い局面では、この動きはより顕著に表れます。新築の価格が手の届きにくい水準に達することで、購入検討者の一部が中古市場へ流入し、結果として中古需要が押し上げられる構造となります。 需給逼迫が中古価格を押し上げる一方で、中古マンションの供給は既存ストックに依存するため、短期的に大きく増やすことができません。このため、需要が増加する局面では需給が逼迫しやすく、価格は徐々に上昇していきます。最終的には、新築マンションとの価格差が意識されながら、中古価格が新築価格ににじり寄る形で上昇していきます。この構造こそが、新築マンションが市場全体の価格を牽引する「プライスリーダー」として機能する所以です。 「マンション価格」の議論で見落とされがちな視点したがって、「マンション価格が上がっている」「下がっている」といった議論を行う際には、その対象エリアを明確にすることが不可欠です。全国一律で同じ動きが起きているわけではなく、実際にはエリアごとに需給構造や価格動向は大きく異なります。特に新幹線停車駅のように広域需要を取り込めるエリアでは価格上昇が持続しやすい一方、需要の裏付けが弱いエリアでは市場の停滞も起こり得ます。 今後の市場分析に求められる視点今後のマンション市場を読み解く上では、建築コストというマクロ要因に加え、エリアごとの需要特性や供給構造を丁寧に分析することがこれまで以上に重要になります。単純な価格の上下だけでなく、「どのエリアで、なぜその動きが起きているのか」を捉える視点こそが、今後の市場分析において求められる本質と言えるでしょう。 筆者プロフィール福嶋...

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新築マンション減少時代における立地選別:マンション開発を引き寄せる新幹線停車駅

【調査概要】・調査期間:2025年1月~2026年2月・調査機関:マンションリサーチ・調査対象:全国分譲マンション ・サンプル事例数:146,455棟・調査方法:マンションリサーチ社が収集した分譲マンション情報を統計処理を行い集計する 建築工事費高騰がもたらす新築マンション価格の上昇昨今、建築工事費の上昇が続く中で、新築マンション価格もそれに連動する形で大きく高騰しています。特にここ数年の動きは顕著であり、マンション市場全体の構造を理解する上でも、この建築コストの変化は避けて通れない重要な論点となっています。 建築工事デフレーターが示す「実質コスト」の急上昇建築工事費デフレーターとは、物価変動の影響を取り除いた「実質的な建築コスト」の動きを把握するための指標であり、単なる名目価格では見えにくいコストの本質的な上昇を捉えることができます。この指標は長らく緩やかな上昇傾向にありましたが、2020年前後を境にその傾きが大きく変化しました。資材価格の高騰、労務費の上昇、さらにはサプライチェーンの混乱といった複合的な要因により、建築コストは急激に押し上げられ、2025年時点では2000年比で約20%の上昇となっています。これは単なるインフレの範疇を超えた、構造的なコスト上昇局面に入っていることを示唆しています。 用地取得難と供給減少が進む構造このような建築コストの上昇に加え、マンション開発においては用地取得の難易度も年々高まっています。特に都市部においては、優良な立地の用地はすでに開発され尽くされつつあり、新規の開発用地は競争入札によって取得価格が高騰しやすい状況です。一方で地方都市に目を向けると、人口動態や需要の見通しを踏まえた際に、そもそも開発自体の成立性が厳しくなるケースも増えています。こうした背景から、日本全体として新築マンションの竣工棟数は減少傾向にあり、供給の絞り込みが進んでいるのが実情です。 デベロッパーの選別が強まる時代このような環境下において、デベロッパーの開発判断はより慎重かつ選別的になっています。単に土地があるから開発するのではなく、「確実に売り切れるか」「想定価格を維持できるか」といった収益確度が強く問われるようになっており、その前提としてエリアのポテンシャルを精緻に見極める必要があります。特に地方都市や準都市圏では、この傾向が顕著であり、需要の裏付けが弱いエリアでは新規供給が見送られるケースも少なくありません。   新幹線駅周辺が「選ばれる立地」である理由 こうした中で、比較的開発対象として選ばれやすいエリアの一つが「新幹線停車駅周辺」です。新幹線駅は単なる交通拠点にとどまらず、広域アクセスを担保するインフラであり、当該エリアの価値を大きく押し上げる要素となります。地方都市においても新幹線によって大都市圏との移動時間が短縮されることで、ビジネス・観光・居住といった複数の需要が重なりやすくなります。つまり、ローカル需要に加えて広域需要を取り込める「拡張性のある市場」であり、デベロッパーにとってはリスクを抑えた開発が可能となるエリアと言えます。 新幹線停車駅ランキングに見る供給の集中実際に、新幹線停車駅を擁する市区町村におけるマンション供給動向を見ると、その傾向は明確です。2025年以降に竣工(予定)されるマンションの割合を基にしたランキングでは、福山駅、高崎駅、岡山駅、鹿児島中央駅、京都駅といった駅が上位に並びます。これらのエリアはいずれも都市機能と広域アクセスを兼ね備えており、新築マンション開発が相対的に活発に行われていると考えられます。 岡山駅に見る地方中核都市の変化中でも注目すべきは岡山駅です。直近では大手デベロッパーによるブランドマンション「プラウドタワー岡山」や「Brillia岡山中山下」といったプロジェクトが竣工(または竣工予定)となっており、地方中核都市においてもハイグレードなマンション供給が成立していることが確認できます。これらは建築コストの上昇を織り込んだ高価格帯での供給にもかかわらず、需要が成立している点が重要です。すなわち、立地と商品企画が適切であれば、高価格でも市場は受け入れる余地があることを示しています。 新築と中古の代替関係が生む需給変化さらに重要なのは、新築マンションと中古マンションの関係性です。両者は「居住」という観点において代替関係にあるため、新築価格が上昇すれば、相対的に割安感のある中古マンションへと需要がシフトします。特に現在のように実需が底堅い局面では、この動きはより顕著に表れます。新築の価格が手の届きにくい水準に達することで、購入検討者の一部が中古市場へ流入し、結果として中古需要が押し上げられる構造となります。 需給逼迫が中古価格を押し上げる一方で、中古マンションの供給は既存ストックに依存するため、短期的に大きく増やすことができません。このため、需要が増加する局面では需給が逼迫しやすく、価格は徐々に上昇していきます。最終的には、新築マンションとの価格差が意識されながら、中古価格が新築価格ににじり寄る形で上昇していきます。この構造こそが、新築マンションが市場全体の価格を牽引する「プライスリーダー」として機能する所以です。 「マンション価格」の議論で見落とされがちな視点したがって、「マンション価格が上がっている」「下がっている」といった議論を行う際には、その対象エリアを明確にすることが不可欠です。全国一律で同じ動きが起きているわけではなく、実際にはエリアごとに需給構造や価格動向は大きく異なります。特に新幹線停車駅のように広域需要を取り込めるエリアでは価格上昇が持続しやすい一方、需要の裏付けが弱いエリアでは市場の停滞も起こり得ます。 今後の市場分析に求められる視点今後のマンション市場を読み解く上では、建築コストというマクロ要因に加え、エリアごとの需要特性や供給構造を丁寧に分析することがこれまで以上に重要になります。単純な価格の上下だけでなく、「どのエリアで、なぜその動きが起きているのか」を捉える視点こそが、今後の市場分析において求められる本質と言えるでしょう。 筆者プロフィール福嶋...

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~大手工務店出身者が語る成果が上がる営業支援をご紹介~一般社団法人日本優良ビルダー普及協会(事務局:東京都港区、代表理事:田島亮、以下「JGBA」)は工務店・リフォーム会社向けに「リアル」にこだわった学びの機会を提供し、加盟企業の更なる情報共有と交流機会創出のため、様々なセミナーや視察会を開催しています。 本セミナーでは、「営業の仕組み化」をテーマに、カクトク株式会社...

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【調査概要】・調査期間:2025年1月~2026年2月・調査機関:マンションリサーチ・調査対象:全国分譲マンション ・サンプル事例数:146,455棟・調査方法:マンションリサーチ社が収集した分譲マンション情報を統計処理を行い集計する 建築工事費高騰がもたらす新築マンション価格の上昇昨今、建築工事費の上昇が続く中で、新築マンション価格もそれに連動する形で大きく高騰しています。特にここ数年の動きは顕著であり、マンション市場全体の構造を理解する上でも、この建築コストの変化は避けて通れない重要な論点となっています。 建築工事デフレーターが示す「実質コスト」の急上昇建築工事費デフレーターとは、物価変動の影響を取り除いた「実質的な建築コスト」の動きを把握するための指標であり、単なる名目価格では見えにくいコストの本質的な上昇を捉えることができます。この指標は長らく緩やかな上昇傾向にありましたが、2020年前後を境にその傾きが大きく変化しました。資材価格の高騰、労務費の上昇、さらにはサプライチェーンの混乱といった複合的な要因により、建築コストは急激に押し上げられ、2025年時点では2000年比で約20%の上昇となっています。これは単なるインフレの範疇を超えた、構造的なコスト上昇局面に入っていることを示唆しています。 用地取得難と供給減少が進む構造このような建築コストの上昇に加え、マンション開発においては用地取得の難易度も年々高まっています。特に都市部においては、優良な立地の用地はすでに開発され尽くされつつあり、新規の開発用地は競争入札によって取得価格が高騰しやすい状況です。一方で地方都市に目を向けると、人口動態や需要の見通しを踏まえた際に、そもそも開発自体の成立性が厳しくなるケースも増えています。こうした背景から、日本全体として新築マンションの竣工棟数は減少傾向にあり、供給の絞り込みが進んでいるのが実情です。 デベロッパーの選別が強まる時代このような環境下において、デベロッパーの開発判断はより慎重かつ選別的になっています。単に土地があるから開発するのではなく、「確実に売り切れるか」「想定価格を維持できるか」といった収益確度が強く問われるようになっており、その前提としてエリアのポテンシャルを精緻に見極める必要があります。特に地方都市や準都市圏では、この傾向が顕著であり、需要の裏付けが弱いエリアでは新規供給が見送られるケースも少なくありません。   新幹線駅周辺が「選ばれる立地」である理由 こうした中で、比較的開発対象として選ばれやすいエリアの一つが「新幹線停車駅周辺」です。新幹線駅は単なる交通拠点にとどまらず、広域アクセスを担保するインフラであり、当該エリアの価値を大きく押し上げる要素となります。地方都市においても新幹線によって大都市圏との移動時間が短縮されることで、ビジネス・観光・居住といった複数の需要が重なりやすくなります。つまり、ローカル需要に加えて広域需要を取り込める「拡張性のある市場」であり、デベロッパーにとってはリスクを抑えた開発が可能となるエリアと言えます。 新幹線停車駅ランキングに見る供給の集中実際に、新幹線停車駅を擁する市区町村におけるマンション供給動向を見ると、その傾向は明確です。2025年以降に竣工(予定)されるマンションの割合を基にしたランキングでは、福山駅、高崎駅、岡山駅、鹿児島中央駅、京都駅といった駅が上位に並びます。これらのエリアはいずれも都市機能と広域アクセスを兼ね備えており、新築マンション開発が相対的に活発に行われていると考えられます。 岡山駅に見る地方中核都市の変化中でも注目すべきは岡山駅です。直近では大手デベロッパーによるブランドマンション「プラウドタワー岡山」や「Brillia岡山中山下」といったプロジェクトが竣工(または竣工予定)となっており、地方中核都市においてもハイグレードなマンション供給が成立していることが確認できます。これらは建築コストの上昇を織り込んだ高価格帯での供給にもかかわらず、需要が成立している点が重要です。すなわち、立地と商品企画が適切であれば、高価格でも市場は受け入れる余地があることを示しています。 新築と中古の代替関係が生む需給変化さらに重要なのは、新築マンションと中古マンションの関係性です。両者は「居住」という観点において代替関係にあるため、新築価格が上昇すれば、相対的に割安感のある中古マンションへと需要がシフトします。特に現在のように実需が底堅い局面では、この動きはより顕著に表れます。新築の価格が手の届きにくい水準に達することで、購入検討者の一部が中古市場へ流入し、結果として中古需要が押し上げられる構造となります。 需給逼迫が中古価格を押し上げる一方で、中古マンションの供給は既存ストックに依存するため、短期的に大きく増やすことができません。このため、需要が増加する局面では需給が逼迫しやすく、価格は徐々に上昇していきます。最終的には、新築マンションとの価格差が意識されながら、中古価格が新築価格ににじり寄る形で上昇していきます。この構造こそが、新築マンションが市場全体の価格を牽引する「プライスリーダー」として機能する所以です。 「マンション価格」の議論で見落とされがちな視点したがって、「マンション価格が上がっている」「下がっている」といった議論を行う際には、その対象エリアを明確にすることが不可欠です。全国一律で同じ動きが起きているわけではなく、実際にはエリアごとに需給構造や価格動向は大きく異なります。特に新幹線停車駅のように広域需要を取り込めるエリアでは価格上昇が持続しやすい一方、需要の裏付けが弱いエリアでは市場の停滞も起こり得ます。 今後の市場分析に求められる視点今後のマンション市場を読み解く上では、建築コストというマクロ要因に加え、エリアごとの需要特性や供給構造を丁寧に分析することがこれまで以上に重要になります。単純な価格の上下だけでなく、「どのエリアで、なぜその動きが起きているのか」を捉える視点こそが、今後の市場分析において求められる本質と言えるでしょう。 筆者プロフィール福嶋...

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