月曜日, 5月 20, 2024
ホーム調査レポート都内のファミリータイプ物件は平均6万円上昇!2024年1~3月賃貸市場動向分析(いえらぶ調べ)

都内のファミリータイプ物件は平均6万円上昇!2024年1~3月賃貸市場動向分析(いえらぶ調べ)

不動産業界のDXに取り組む株式会社いえらぶGROUP(本社:東京都新宿区、代表:岩名泰介、以下「いえらぶGROUP」)は、不動産の業者間流通プラットフォーム「いえらぶBB」のデータをもとに、2023年1~3月と2024年1~3月の賃貸物件の市場動向を分析しました。

1. 関西エリアと比べ、1都3県の値上がりが目立つ。都心回帰の動き

関西エリアの平均値と関東1都3県を比べると、ファミリータイプ(※1)を中心に、賃料の上昇幅に差が出ました。テレワークの減少による都心回帰と、分譲マンションの価格上昇が背景と考えられます。

2. 都心部のファミリータイプの賃料上昇が顕著、特に城東エリア

都心回帰の動きに供給が追いつかず一都三県におけるファミリータイプの賃料は20%高。東京23区におけるファミリータイプの平均賃料は、2023年の24.7万円に対して、2024年には前年比5.9万円増(+23.8%)の30.6万円と大きく上昇しました。

3. 都心3区の家賃上昇は一服、前年比11.6%高

港区では大規模開発が少し落ち着き、都心3区(※2)の上昇は全体で11.6%と東京都の平均を下回りました。ただし港区を除くと依然上昇しています。

4. ビッグバンが寄与?福岡市のみ、シングルタイプの賃料が大きく上昇

福岡市内のシングルタイプの伸び率は都心エリアを含む他のすべてよりも高く15%高を記録しました。福岡県の中でも福岡市内での上昇が目立ちます。

1. 関西エリアと比べ、1都3県の値上がりが目立つ。都心回帰の動き

関西エリアの平均値と関東1都3県を比べると、ファミリータイプを中心に、賃料の上昇幅に差が出ました。テレワークの減少による都心回帰と、分譲マンションの価格上昇が背景と考えられます。

総務省の令和5年住宅・土地統計調査によると2013年以降、持ち家から借家への住み替えを検討する人が増加していることも、賃料の上昇に寄与していると考えられます(※3)。その理由の一つが新築分譲マンション価格の高騰です。

2023年の東京23区新築分譲マンションの平均価格は、1億1,483万円となり、1974年以降はじめて1億円を突破しました(前年比+39.4% ※4)。港区などの高価格の物件が平均価格を上げたのが理由の一つですが、分譲マンションは全体的に高値で推移しており、中古市場においても高値が続いています。

また東京都が都内企業を対象に実施した調査によると、テレワークの実施率は2023年3月時点の51.6%から2024年3月には43.4%になり、1年で8ポイント近く減少しました(※5)。こちらも都心回帰の理由の一つです。

2. 都心部のファミリータイプの賃料上昇が顕著、特に城東エリア

都心回帰の動きに供給が追いつかず一都三県におけるファミリータイプの賃料は20%高。東京23区におけるファミリータイプの平均賃料は、2023年の24.7万円に対して、2024年には前年比5.9万円増(+23.8%)の30.6万円と大きく上昇しました。

特に上昇幅が大きかったのが台東区、墨田区、江東区などの城東地区。清澄白河や蔵前エリアといった、都心への距離の割に都心・副都心エリアと比べると割安な地域が大きく上昇しました。城北地区の上昇は、供給戸数が少ないことも一因とみられます。

副都心エリアでは、渋谷や新宿、池袋といったターミナル駅周辺でのマンション供給もあり、ファミリータイプの平均賃料は都心3区を上回りました。

3. 都心3区の家賃上昇は一服、前年比11.6%高

都心3区の上昇は全体で11.6%と東京都の平均を下回りました。ただし港区を除くと依然上昇しています。

都心3区全体が落ち着いたわけではありません。港区を除いた千代田・中央区の上昇値はファミリータイプで139.2%、カップルで121.2%、シングルで107.8%と副都心エリアにも劣らない上昇幅でした。港区の上昇が落ち着いた背景には、2023年に三田、田町、虎の門など港区の都心エリアに大規模な高級マンションの供給があったためと推察されます。とくにファミリータイプは都内全体で戸数が少ないため、大規模な高級マンションが分譲されると平均賃料に大きく影響します。

4. ビッグバンが寄与?福岡市のみ、シングルタイプの賃料が大きく上昇

福岡市内のシングルタイプの伸び率は、他のエリアよりも高く15%を記録しました。福岡県、特に福岡市内で大きく上昇しています。

これは福岡市において、単身世帯の割合が高いことが理由と推測されます。2020年の国勢調査でも、全国の単独世帯の割合38.1%に対して、福岡市は52.0%でした(※6)。

東京23区を含めた21大都市の中で福岡市の若者率(15~29歳以下の割合)は17.6%とトップであることも、シングルタイプの需要が高まっている理由と考えられます(※6)。若者率の上昇は、大規模再開発計画の「天神ビッグバン」、「グローバル創業・雇用創出特区」をはじめとした取り組みの成果とも考えられます。

■いえらぶGROUP 常務取締役 庭山健一 コメント

今回の市場動向調査で明らかになったのは、コロナ禍の落ち着きとともに都心回帰の動きが加速し、特に都心部でのファミリータイプ賃料の大幅な上昇です。一方で地方都市では上昇率は緩やかにとどまり、二極化が一層進行していることが分かりました。

物件や顧客の傾向の分析は「いえらぶCLOUD」の反響分析機能でも可能ではありますが、このようにさらに広い範囲での情報提供が、不動産会社様の長期的な戦略策定に役立つことを願っております。引き続き当社では不動産会社様に寄り添い、有用な情報の提供に努めてまいります。

■調査概要

調査期間:2023年1月1日~2023年3月31日、2024年1月1日~2024年3月31日

調査機関:株式会社いえらぶGROUP

調査対象:「いえらぶBB」に掲載された物件データ

有効サンプル数:2023年1~3月期10万件、2024年1~3月期10万件

調査手法:「いえらぶBB」の掲載データよりランダムに抽出し集計

▽本リリースに関する問い合わせ

https://ielove-cloud.jp/news/entry-831#mail

■いえらぶGROUPについて

いえらぶGROUPは「ITの力を使って不動産会社の業務を効率化する」「誰もが快適に住まいを探せる環境をつくる」を使命に、2008年に誕生した不動産テック企業です。不動産業界向けバーティカルSaaS「いえらぶCLOUD」「いえらぶBB」は全国25,000社以上で利用されています。

SaaSの提供だけでなく、グループ各社を通じてSNSマーケティングや賃貸管理業務・駐車場運営管理の代行など、幅広く不動産業界を支援しています。また、利益相反の観点からも、宅地建物取引業者の登録・不動産取引業に参入する予定はございません。

会社名:株式会社いえらぶGROUP

代表者:岩名泰介

設立 :2008年1月

資本金:3,825万円

所在地:東京都新宿区西新宿 2-6-1 新宿住友ビル24階

コーポレートサイトhttps://www.ielove-group.jp/

不動産事業者向けサービス紹介サイトhttps://ielove-cloud.jp/

※1 シングルタイプ:30平米未満、カップルタイプ:30平米以上60平米未満、ファミリータイプ:60平米以上の物件

※2 各地域の詳細

※3【総務省統計局】令和5年住宅・土地統計調査

https://www.stat.go.jp/data/jyutaku/index.html

※4【不動産経済研究所】「首都圏 新築分譲マンション市場動向 2023 年のまとめ」

https://www.fudousankeizai.co.jp/share/mansion/573/ss2023.pdf

※5【東京都産業労働局】「テレワーク実施率調査結果」

https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2024/04/10/03.html

※6【総務省統計局】「令和2年国勢調査」

https://www.stat.go.jp/data/kokusei/2020/kekka/pdf/outline_01.pdf

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