水曜日, 10月 16, 2024
ホーム調査レポート住宅不動産の今と未来を分析した「ウッドショックレポート」を発表

住宅不動産の今と未来を分析した「ウッドショックレポート」を発表

~住宅の工期遅れ、原価も上昇。代替え材としての国産材の供給量が増えない理由を提示~

株式会社リブ・コンサルティング(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:関厳、以下当社)は、コロナ禍で輸入木材が不足し、木材全体の価格が高騰する“ウッドショック“の現状と対策案をまとめた「ウッドショックレポート」vol.3(レポート詳細はこちらhttps://handr.libcon.co.jp/download/doc_86/)を発表しました。9月16日に310社411名が申込した住宅不動産業界最大規模の「住宅不動産ナンバーワン&オンリーワンフォーラム」での事前のアンケートにおいてもウッドショックは住宅・不動産業界に大きな影響を与えています。

本レポートシリーズはウッドショックに関する現状の把握、発生要因の掘り下げ、様々な対策内容についてまとめたものです。本リリースにて紹介するレポートは4回シリーズの第3号で、「構造的要因と本質的対策」の前編として外材の代替えを期待される国産材についての現状と課題をまとめております。

住宅不動産の今と未来を分析した「ウッドショックレポート」を発表のサブ画像1

住宅不動産の今と未来を分析した「ウッドショックレポート」を発表のサブ画像2

フォーラム参加企業に対するアンケート(右図)を見ると、ウッドショックにおいて約70%の会社がマイナスの影響を受けておりますが、影響の大半が「原価の上昇」になっております。フォーラム参加企業の対策としては、「契約済み客との契約内容の見直しや新規顧客への見積もり値上げ」をはじめ「代替え材の手配、調達先と発注方法や期間の見直し、木材流通ルートの見直し、設計や仕様の見直し、その他コスト削減」と、既に様々な対策に着手している状況が見受けられました。

【ウッドショックの構造的要因】
本レポートではウッドショック発生に対して国産材でのカバーが効かない構造的な要因を国産材関与者の置かれている現状からみて、以下5点のように解説しています。

①アメリカの木材需要が膨大な人口移動により起こっており、外材の価格の高止まりは、来春までは続く見込み。
②ウッドショックが顕在化した4月からすべての国産材は値上がり。急激な需要増に対して国産材の供給が追い付いていない。
③日本において戦後、外材のシェア上昇とともに、木材自給率が低下してきたことにより、林業従事者人口の減少が1985年の12.6万人が2015年には4.5万人に減少。木材産業においても、1985年の33万人が、2015年には11.7万人と同様に30年間で1/3に減少。ウッドショックにより一時的な需要が高まっても、急に増産できる体制にない。
④国産材が増産されない理由は川上・川中の林業従事者が大型化せず、高い伐出コストがかかるのに加え多段階流通を通すことで、中間流通コストが高くなり、海外から運搬されるコストと比較しても割高となり、外材のシェアが高まっていった。
⑤上記から多段階の木材流通構造こそが国産材のコストUP要因となり、川上従事者の収入減少や就業者減少の要因であることが明確になってきた。

【国産材に起きている新しい変化】
本レポートでは、国産材に起きている新たな変化として2つを上げています。

一つ目の変化は「国産材の新たな利用方法」について。従来木材は、その品質によって産業用・薪炭材様に分けて使われ、太さもとれ質の良いものが住宅用の製材として、さらには、集成材などの合板として使われてきました。
最近はここに木材の新しい市場を創造する動きが出始めています。

(1)非住宅・中高層分野における木材利用
CLTや木質耐火部材などの木材を建築材料に使う製品・技術の開発などにより、非住宅・中高層分野での木材市場が新たに作りだされています。

(2) 公共建築物などにおける木材利用
2019年度に着工された公共建築物において木造率(床面積ベース)は13.8%、内低層に占める比率は28.5% と高まっています。この様に住宅以外の分野でも木材の需要は高まり始めています

二つ目の変化は、「国産材の海外輸出の動き」について。現在、日本産の木材は、海外への売り込みが実を結び、
年々国産材の輸出額は確実に増えています。
九州7県では、海外への輸出比率が17.6%まで高まっており、特に宮崎県産のスギは非常に伸ばしています。
また、秋田県では、県産材を安定需要が見込まれるアメリカ市場に輸出するための市場調査が始まっています。

これらの動きを見ると、代替え材として期待される国産材において、より魅力的な市場や顧客の出現により、市場流通に出てくる数量自体が減少してしまうことも考えられます。これからの時代は、「外材によるウッドショック」だけでなく、「国産材によるウッドショック」が起こるリスクも考え、真剣に対策が求められる、時代に入ってきています。 

【過去掲載のレポートと今後の掲載スケジュールに関して】
➀ウッドショックレポートVol.1 表面的原因と短期対策(8月25日掲載)
➁ウッドショックレポートVol.2 今後の見通しと中期対策(9月10日掲載)
➂ウッドショックレポートVol.3 構造的要因と本質的対策➀(本リリースにてご紹介)
➃ウッドショックレポートVol.4 構造的要因と本質的対策②(10月10日掲載予定)

【株式会社リブ・コンサルティング 会社概要】
代表取締役:関 厳
設立   :2012年7月
所在地  :【東京本社】東京都千代田区大手町1丁目5-1大手町ファーストスクエア ウエストタワー19階
      【支社】タイ支社(バンコク)
事業内容 :総合経営コンサルティング業務、DXコンサルティング業務
URL   :https://www.libcon.co.jp/

RELATED ARTICLES

返事を書く

あなたのコメントを入力してください。
ここにあなたの名前を入力してください

Most Popular

Recent Comments