40歳未満の消滅可能性自治体出身者は地元以外に居住しているほうが幸福度が高く、男性より女性のほうがその傾向が顕著
大東建託株式会社(本社:東京都港区、代表取締役 社長執行役員 CEO:竹内啓)は、過去最大級の居住満足度調査「いい部屋ネット 街の住みここちランキング2023」を総括する<総評レポート>をまとめました。
本調査は、全国1,891市区町村に居住する20歳以上の男女806,722名を対象に居住満足度を調査するもので、2023年5月発表の「首都圏版」を皮切りに、約1年にわたって全国各地のランキングを発表してきました。
本レポートでは、社会的関心が高まっている消滅可能性自治体出身者の未既婚・子供の有無・居住地等の属性と幸福度の関係について40歳未満を対象に分析しています。
※消滅可能性自治体とは、民間の有識者らで構成する「人口戦略会議(三村明夫議長)」が2024年4月24日に発表したものです。
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街の住みここちランキング2023<総評レポート②>の主なポイント
1.消滅可能性自治体出身者は地元以外に住んだほうが幸福度が高い
●消滅可能性自治体出身者の男性・女性、未婚・既婚、子供無・子供有のすべての属性区分で、「地元居住」の場合よりも「地元外居住」のほうが幸福度(10点満点)が高くなっている。
2.消滅可能性自治体出身者の女性は地元以外に住んだほうが幸福度上昇が男性より大きい
●消滅可能性自治体出身者の男性と女性を比べると、男性よりも女性のほうが「地元外」に居住したほうが幸福度の上昇が大きい。
3.消滅可能性自治体以外では、地元以外に住んだ場合の幸福度上昇は比較的小さい
●消滅可能性自治体以外の出身者について男性・女性、未婚・既婚、子供無・子供有の属性ごとに幸福度を集計してみると、「地元居住」よりも「地元外居住」の幸福度上昇は、消滅可能性自治体出身者の場合よりも小さい。
●ただし、唯一、男性・未婚・子無の場合は、「地元居住」の方が幸福度が高い。
4.住みここち評価の違いによって幸福度が異なる可能性
●婚姻状態、子どもの有無等の個人属性の違いの幸福度への影響は比較的小さく、住みここち評価の違いが幸福度に影響を及ぼしている可能性。
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消滅可能性自治体とそれ以外の自治体出身者の属性別幸福度
●消滅可能性自治体出身者の幸福度は、「地元にいる」場合よりも「地元を出た」場合のほうがすべての属性で高くなっている。
●男女差でみると、女性のほうが「地元にいる」場合よりも「地元を出た」場合の幸福度の上昇度合いが大きい。特に未婚の子供無女性の差が0.28と最も大きい。
図1 消滅可能性自治体出身者の属性別幸福度
●消滅可能性自治体以外の出身者の幸福度は、「地元にいる」場合と「地元を出た」場合の違いが、消滅可能性自治体出身者よりも小さい。
●消滅可能性自治体以外の出身者では、男性・未婚・子供無の場合は、「地元にいる」ほうが「地元を出た」場合よりも幸福度が高くなっている。女性・未婚・子供無の場合の上昇度合いも小さくなっている。
図2 消滅可能性自治体以外出身社の属性別幸福度
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年齢・性別・未既婚・子どもの有無等で層別化した幸福度を目的変数とした重回帰分析の結果
回帰分析による変数統制をすることによって、目的変数(ここでは主観的幸福度)に対して、複数の説明変数が影響を与えている場合に、ある説明変数の影響を除いた上で、他の説明変数の影響を評価できます。例えば、未既婚について、未婚を基準(baseline)とした場合、全データの既婚の偏回帰係数は0.50と正の値になっていることから、既婚の方が未婚であることに比べて主観的幸福度にプラスに働いている、と解釈することができます。
●全体としては、他の条件が同じなら、消滅可能性自治体以外の自治体に住んだほうが幸福度が高くなりますが、女性40歳未満未婚子どもなしの場合は、有意ではありません(影響があるともないとも言えません)。
●全体としては、他の条件が同じなら、地元に住んだほうが幸福度が高くなりますが、女性40歳未満未婚子どもなしの場合は、有意ではありません(影響があるともないとも言えません)。
●女性40歳未満未婚子どもなしの場合は、親しみやすさ因子が高いほうが(新しい住民への需要度が高いほうが)幸福度が高くなっています。
表1 重回帰分析の結果
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全国の消滅可能性自治体
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調査概要
◇調査方法
株式会社マクロミルの登録モニタに対してインターネット経由で調査票を配布・回収。
◇回答者
全国47都道府県居住の20歳以上の男女、2019~2023年の5年分の回答者合計806,722名を対象に集計。
[男女比] 男性46.9%:女性53.1%
[未既婚] 未婚37.8%:既婚62.2% [子ども] なし 47.0%:あり 53.0%
[世代比] 20-39歳:38.5%、40-59歳:46.4%、60歳以上:15.1%
◇調査期間
2023年2月17日(金)~3月15日(水):回答者数:185,549名
2022年3月8日(火)~3月29日(火) :回答者数:180,175名
2021年3月17日(水)~3月30日(火):回答者数:181,448名
2020年3月17日(火)~4月3日(金):回答者数:172,199名
2019年3月26日(火)~4月8日(月):回答者数: 87,351名
計806,722名
◇調査体制
調査企画・設問設計・分析:大東建託賃貸未来研究所 宗 健(フェロー)
調査票配布回収 : 株式会社マクロミル
◇回答方法
住みここちランキングは、現在居住している街についての「全体としての現在の地域の評価(大変満足:100点、満足:75点、どちらでもない:50点、不満:25点、大変不満:0点)」の平均値から作成。街の幸福度ランキングは、非常に幸福だと思う場合を10点、非常に不幸だと思う場合を1点とする10段階の回答の平均を、100点満点にするため10倍して平均値でランキングを作成。
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•本調査の対象となった自治体には、詳細データを提供可能ですので、個別にお問い合わせください。
•学術研究目的の場合、本調査個票データについて提供できる可能性がありますので個別にお問い合わせください。
▼詳細はこちら
https://www.eheya.net/sumicoco/
▼プレスリリースはこちら
https://www.kentaku.co.jp/corporate/pr/info/2024/sumicoco_summary2023.html