既存建物と周辺環境の魅力を最大限に生かした戸建住宅リノベーション
YKK AP株式会社(本社:東京都千代田区、社長:魚津 彰)は、「リノベ専科 住み継ぐ家」としてエリアのリノベーションを手掛ける株式会社大庄(本社:新潟県長岡市、代表取締役:大竹 大)と共働し、中古戸建住宅の性能向上リノベーションを実証するプロジェクト(※1)として『越後長岡 緑遠鏡の家』に取り組み、完成したことをお知らせします。
新潟県長岡市にある本物件は、過去に周辺地域が宅地開発された利便性の高い土地に建つ築58年の住まいで、一般的な新築住宅(※2)を上回る「断熱」と「耐震」の性能向上にこだわり、高水準なリノベーションを実施した戸建住宅です。
高い断熱性能を実現するためには、住まいの中で熱の流出入が最も多い「窓」や「ドア」の選択が重要です。本物件では、YKK APの高性能樹脂窓「APW 430」を採用し、住宅の断熱性能は改修前の約15倍に向上(UA 値:改修前3.96W/㎡・K ⇒ 改修後0.26 W/㎡・K)(※3)。冬場の室内での体感温度が概ね13℃を下回らないとされるHEAT20 G2相当(※4)をクリアすることで、冬場のヒートショックのリスクを軽減し、健康で快適な居住空間と高い省エネ性を実現しました。
耐震性能向上では、オーバーハングの玄関ポーチ部にYKK APの開口部耐震商品「FRAMEⅡ」を採用しました。住宅全体の耐力壁バランス(偏心率)に配慮し、耐震性能(改修前 評点0.35⇒改修後 評点1.57)(※5)を高めました。また、“既存建物・周辺環境の魅力を最大化する設計”をコンセプトとし、室内は既存の丸太梁・木材を一部見せることで、「“古き良き”を感じる空間」に仕上がりました。さらに緑道沿いであることから、奥行き感のある緑道の美しさを室内から見ることができます。緑道を望む住まいとなり「緑遠鏡の家」という名の由来になっています。
SDGsの観点からも、住まいの選択肢として新築や建て替えではない、リフォームやリノベーションの重要性が指摘されています。日本のストック住宅市場の流通活性化と、そのベースとなる住宅の断熱化や耐震化も強く求められる中、本取り組みを通じて、持続的な住環境の構築に貢献していきます。
■『越後長岡 緑遠鏡の家』物件概要
物件所在地 |
新潟県長岡市中沢 |
敷地面積 |
155.68㎡(47.09坪) |
延床面積 |
91.91㎡(27.79坪) |
構造 |
在来軸組工法 地上2階 |
既存建築年月 |
1964年<築58年> |
改修工事期間 |
2022年10月~2023年4月 |
事業主・設計・施工 |
株式会社大庄 |
■高い断熱性能で健康・快適と省エネを届ける
窓は、アルミサッシ+単板ガラス窓から、高い断熱性能の樹脂窓「APW 430」に交換。
壁・屋根・床の付加断熱工事も行い、住宅全体の断熱性能や省エネ性能が、大きく向上しています。
■高い耐震性能で安全・安心を提供
YKK APの開口部耐震商品「FRAMEⅡ」門型を玄関ポーチ部に1カ所使用。住宅全体の耐力壁バランス(偏心率)に配慮し、窓の数や面積を減らさずに開口部の耐力壁量を増やし、断熱と耐震を同時に実現しています。耐震診断シミュレーションの評点は、リノベーション前の[0.35]がリノベーション後には[1.57]となり、建築基準法で定められた1.5倍強の強さを持つ耐震等級3相当の強度となり“震度6強でも倒壊しない”耐震性能を実現しています。
※1:全国各地のリノベーション事業者とYKK APが連携して、既存戸建て住宅に「断熱」「耐震」を軸とした性能向上リノベーションを施して、住まいの価値が「窓・開口部」でかえられるかを実証するプロジェクト。2017年度以降21物件を展開し、本物件が22物件目になります。なお、この取り組みは「リノベーション・オブ・ザ・イヤー2019」無差別級部門で最優秀賞を受賞しています。
※2:断熱は平成28年省エネ基準(当地ではUA値0.87W/㎡・K)、耐震は耐震等級1(上部構造評点1.0)を上回るレベル
※3:YKK AP住宅省エネ性能計算ソフトによる結果。
※4:「一般社団法人 20年先を見据えた日本の高断熱住宅研究会」が提示している、「エネルギー」「環境の質」「コスト」がバランスよく調和した住宅を目指すための断熱推奨水準。G1、G2、G3などの水準が地域別に定められています。
※5:木造住宅の耐震診断・補強設計ソフトウェア「ホームズ君 耐震診断Pro」精密診断法による結果。
<参考情報>
「戸建性能向上リノベーション実証プロジェクト」の裏側を紹介しています。