自社の駆除データから見る分布の実態
2012年以降、長崎県対馬市への侵入および定着が確認されている特定外来生物のツマアカスズメバチ。現在、本州への定着は確認されていないものの、実際の駆除状況や防除対策はどのように進められているのでしょうか。
住まいの悩みに向き合うBEST株式会社(本社:神奈川県横浜市、代表取締役CEO :五十嵐 博文、以下当社)は、20年以上にわたり生活の「困った」を解決してきました。当社が運営するライフメディア「害虫害獣コンシェルジュ」では、害虫と害獣に関する正確かつ有益な情報を日々発信しています。
今回当社では、当社が運営するハチ駆除専門サービスにおいて収集したハチの駆除に関するデータを集計・分析し「ツマアカスズメバチの駆除状況に関する調査分析データ」を公開いたします。
本プレスリリースでは、ツマアカスズメバチによる被害が確認された地域の傾向や、実際に見かけた際の対処方法などについてご紹介します。気温の上昇とともにスズメバチの活動が活発になるこれからの時期に向けて、ご自宅や庭に潜む可能性のある被害へ目を向け、安心して暮らせる住環境づくりの一助としてご活用ください。
※本プレスリリースの内容を引用される際は、以下のご対応をお願いいたします。
・引用元が「BEST株式会社による調査」である旨の記載
ex. 害虫害獣駆除専門のサービスである「害虫害獣コンシェルジュ」を運営するBEST株式会社の調査によれば
・害虫害獣コンシェルジュ(https://gaichugaiju.best24.co.jp/)へのリンク設置
【調査概要】
調査対象:当社サービスへ寄せられた問い合わせのうちハチの種類が判明している案件
調査期間:2023年1月1日~2025年12月31日
調査機関:自社調査
集計方法:単純集計
有効回答数:44,659件
自社データから見るハチ駆除の全体像

当社サービスに寄せられたハチ駆除に関する問い合わせのうち、ハチの種類が判明している44,659件を対象に分析を行いました。
駆除件数の内訳は以下のとおりです。
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スズメバチ |
21,575件(48.3%) |
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アシナガバチ |
21,334件(47.8%) |
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ミツバチ |
1,555件(3.5%) |
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その他 |
195件(0.4%) |
全体としてはスズメバチの駆除件数がもっとも多い結果となりましたが、アシナガバチも僅差で続いており、両種が駆除依頼の大半を占めている傾向が明らかになりました。
ツマアカスズメバチの駆除はわずか7件にとどまる結果に

スズメバチ駆除21,575件のうち、ツマアカスズメバチの駆除件数は7件と、全体の中でも極めて少ない結果となりました。
ツマアカスズメバチは特定外来生物に指定されており、拡散防止を目的とした防除が各地で実施されています。その影響もあり、国内での発生は現時点では限定的であると考えられます。
国内においては、長崎県対馬市で定着が確認されており、2012年以降に侵入したとみられています。また、侵入後の数年間には福岡県・大分県・宮崎県・山口県の一部地域でも生息が確認された事例があります。
ただし、これらの地域では定着に至る前に駆除や予防対策が講じられており、現在は発生が抑えられている状況です。
定着が確認された対馬市では継続的な駆除が実施されている
先述したように、ツマアカスズメバチは特定外来生物として環境省および各自治体により継続的な防除が実施されています。
国内では2012年に長崎県対馬市で侵入・定着が確認されて以降、重点的な対策が講じられてきました。対馬市では現在も年間を通じて捕獲・駆除が行われており、ツマアカスズメバチを捕獲するためのトラップ設置や巣の撤去など、多角的な防除が継続されています。
また、行政による取り組みに加え、市民も協力した対策が行われており、地域全体での取り組みが分布拡大の抑制につながっていると考えられます。
さらに、環境省(九州地方環境事務所)によるトラップ設置調査では、経年的な発生状況の変化も確認されています。スズメバチ類全体に占めるツマアカスズメバチの割合は、2020年度以前と比較して減少傾向にあり、近縁の在来種であるキイロスズメバチとの比較においても同様の傾向が見られます。
このように、継続的な防除と地域ぐるみの取り組みにより、現時点では全国的な発生は限定的な状況にとどまっています。
対馬市でのツマアカスズメバチ捕獲状況(2014~2022年まで)
在来種との比較データは、防除効果を測るうえで重要な指標とされています。実際に、ツマアカスズメバチの割合が年々低下している点は、対馬市において本種の急激な増加や優占が抑えられている可能性を示唆しています。
一方で、対馬市以外の地域では、侵入が確認された場合でも早期の駆除や対策が講じられることで、定着が防がれているケースが多く見られます。
これらの状況を踏まえると、現時点ではツマアカスズメバチの発生は全国的に見ても限定的な段階にとどまっていると考えられます。
自社データから見えた発生地域の傾向

自社データにおいて、ツマアカスズメバチの駆除が確認されたのは全国6県で、内訳は山口県が2件、福岡県・長崎県・静岡県・神奈川県・千葉県が各1件となりました。なお、長崎県対馬市については当社の営業エリア外であるため、本データには含まれていません。
地域別に見ると、全体として関東以西で駆除が発生している傾向が見られます。侵入・定着が確認されている長崎県対馬市を起点として、分布が広がっている可能性も考えられます。
一方で、対馬市を中心に継続的な防除や早期駆除が実施されていることから、対馬市以外の地域における個体数の増加は一定程度抑えられていると推察されます。
また、駆除が確認された県はいずれも海沿いに位置している点も特徴的です。このことから、対馬市への侵入事例と同様に、航路などを経由してツマアカスズメバチが国内に侵入した可能性も示唆されます。
参考
ツマアカスズメバチの特徴

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名称 |
ツマアカスズメバチ |
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体長 |
女王バチ:3.0cm前後 働きバチ:2.0cm前後 オスバチ:2.4cm前後 |
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巣の場所 |
4~5月頃:茂み、低木、土の中、人工物の内部など 6月以降:開放空間の高所(高木、電柱、マンションの4~6階部分の壁など) |
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巣の特徴 |
4~5月頃:直径10cm程度 6月以降:直径50~100cm |
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生息域 |
■原産国 インドネシア、ミャンマー、タイ、ラオス、ベトナム、マレーシア、インド、パキスタン、ブータン、アフガニスタン、中国、台湾 ■侵入先 長崎県、福岡県、宮崎県、大分県、山口県、韓国、フランス、スペインなど |
ツマアカスズメバチは、全体的に黒っぽい体色をしており、顎周辺や足先が黄色、腹部の先端(ツマ)が赤褐色(オレンジ色)をしているのが特徴です。体長は約2.0〜3.0cmで、大きい個体では1円玉3枚分ほどの大きさになります。
本種はオオスズメバチと同程度に危険性が高く、巣の周囲約10mを警戒範囲とし、一度敵と認識した対象を約40mにわたって追跡するなど、攻撃性の高さが特徴です。また、在来種と比べて飛行が俊敏であるため、回避が難しいとされています。
春(4〜5月頃)は低い場所に小規模な巣をつくり、夏(6月以降)になると高木や電柱、建物の壁面など地上10m以上の高所へ移動して巣を拡大します。巣は在来種よりもいびつで凹凸が目立ち、直径50〜100cm、最大で1mを超えるほどに巨大化することもあります。
ツマアカスズメバチを見かけた場合の対処法
ここではツマアカスズメバチに遭遇した場合の対処法について紹介します。
スズメバチは見た目だけで種類を判別することが難しいため、遭遇した際は種類にかかわらず刺激しないことが重要です。以下のポイントに注意して行動しましょう。
これらの対処法はツマアカスズメバチに限らず、他のスズメバチにも共通して有効です。
①刺激しない
ツマアカスズメバチは攻撃性が高いため、遭遇した際は刺激を与えない行動を徹底することが重要です。
大声を出す・手で払う・急に走る・巣や個体に近づくといった行動は刺激を与えてしまうため、落ち着いてゆっくりその場を離れることが大切です。
羽音や見た目に恐怖を感じることもありますが、不用意な動きはかえって攻撃を誘発する恐れがあります。
また、自力での駆除はスズメバチを刺激するリスクが高く、刺傷事故につながるおそれがあるため推奨されません。
②その場から静かに離れる
ツマアカスズメバチを見かけた場合、近くに巣がある可能性があります。ツマアカスズメバチの特徴で先述したとおり、巣は大きいもので直径1mに達することもあり、数百〜数千匹規模の個体が活動しているケースもあります。
そのため、慌てて走って逃げると振動や急な動きが刺激となり、巣の中の個体が攻撃態勢に入る可能性があります。
遭遇した際は、スズメバチを刺激しないよう、落ち着いてゆっくりとその場から離れることが重要です。
③頭や目(黒い部分)に気をつける
スズメバチは黒いものに反応して攻撃する習性があり、ツマアカスズメバチも例外ではありません。髪の毛や眉毛、ひげ、目などは攻撃対象になりやすいとされています。
そのため、遭遇した際には淡い色の帽子やタオル・ハンカチなどで頭部を覆い、黒い部分を隠すことで攻撃リスクを下げる対策となります。
④巣に近寄らない
ツマアカスズメバチは警戒心が非常に高く、巣に近づくことで攻撃されるリスクが高まります。そのため、巣を見つけた場合は不用意に近づかないことが重要です。
また、巣の場所が分からないもののスズメバチを頻繁に見かける場合は、近くに巣がある可能性があり、放置すると巣が急速に拡大するおそれがあります。
複数匹の個体を繰り返し見かける場合は、早めに専門業者へ相談することが推奨されます。自宅以外(公園や街道など)で発見した場合は、地方自治体へ連絡することで適切な対応につながります。
まとめ
自社データにおいて、ツマアカスズメバチの駆除は7件と非常に限定的な結果となりました。発生が確認されたのも全国6県にとどまり、長崎県対馬市を除く地域では散発的な事例にとどまっています。
国内では対馬市で定着が確認されている一方、他の地域では早期の駆除や防除により定着が防がれているケースが多く、現時点では全国的な拡散は確認されていません。
しかし、ツマアカスズメバチは繁殖力が高く、定着した場合には被害の拡大や駆除の難易度が高まる可能性があります。物流や環境変化の影響により、本州へ侵入・定着する可能性も否定できず、都市部においても注意が必要です。
また、スズメバチの種類は外見だけで判別することが難しいため、発見時は無理に近づいたり刺激したりせず、その場から離れることが重要です。巣を見つけた場合は放置せず、専門業者や自治体へ相談するなど、適切な対応が求められます。
今後も外来種の侵入リスクはゼロではないことから、早期発見・早期対応が被害防止の鍵となります。
「複数のスズメバチを見かけるが巣が見つからない」「すでに複数のハチが羽化している状態のスズメバチの巣を見つけた」「大きな巣があって近寄ることができない」といった場合は、無理に自力で対処しようとせず、早めに専門業者へ相談することをおすすめします。
「害虫害獣コンシェルジュ」は、豊富な経験と確かな技術をもとに、豊富な経験と確かな技術をもとに、スズメバチ駆除を安全に行います。スズメバチ被害にお困りの際は、ぜひお気軽にご相談ください。
【BEST株式会社について】
会社名:BEST株式会社
代表:代表取締役CEO 五十嵐 博文
所在地:神奈川県横浜市
設立:2004年
事業概要:ライフメディア事業
【本件に関するお問い合わせ先】
BEST株式会社:マーケティング部
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