スタイルアクト株式会社(東京都中央区・代表取締役:沖有人)が運営している、分譲マンション購入・売却検討者31万人を有する分譲マンションのセカンドオピニオンサイト「住まいサーフィン」(https://www.sumai-surfin.com/)は、マンション居住者に対し、管理会社満足度調査を行いました。本調査は2009年から実施しており、今回で16年目となります。
本調査は汎用的な調査パネルを用いず、分譲マンションに特化した自社31万人のパネルから回答を得ることで、より正確に居住者の声を聞くことを目的としたマンション管理に関する調査です。「住まいサーフィン」会員31万人のうちマンション購入済みの居住者や全国の大規模マンションの理事長様などに対し、管理状況に関する満足度について調査をしました。更に「管理人」「フロント」「管理会社」に分けて上位社の詳細を公表します。
【要旨】
■製販管一体でサービスを行う大手管理会社の満足度が引き続き高い傾向にあった。居住者の声をよく聞くという回答も多くみられ、グループ内のデベロッパー会社へのフィードバックを行いながら管理面の満足度を高める工夫が要因の一つと考えられる。
■管理員の業務に対する満足度は、各社総じて高い傾向がみられた。その中でも満足度が高い会社は、管理員に対する満足度も高く、両者には相関がみられた。これは管理会社の管理員に対する教育、フォローアップの制度の充実度合いとも関係性が高い傾向にあった。
■昨年同様、古くから全国展開している管理会社では地方部の人員採用の困難に加え、相対的に首都圏より管理費が安価なため管理の質の向上が難しく、首都圏中心の事業者と比べ、満足度が上がりにくい傾向が今年も見られた。
■全体の総合満足度1位は、野村不動産パートナーズとなった。全カテゴリーほぼすべての項目がTOP5に入り、総合力の高さが目立つ結果となった。また、同社は本調査において15回目の1位となり、多くの物件において安定した高いサービスを提供していることがわかった。
■管理戸数10万戸未満部門1位は、東京建物アメニティサポートとなり、7年連続の1位となった。全カテゴリーすべての項目が1位と、総合力の高さが目立つ結果となった。同社は、10万戸以上の規模の管理会社と比較しても総合3位、また公表している明細項目13項目中9項目でカテゴリー1位となり、管理棟数は限定的ながらも入居者から極めて高い評価を得られていることが分かった。
■理事経験者による満足度1位は、三井不動産レジデンシャルサービスとなり、2年連続の1位となった。
■全体4位の阪急阪神ハウジングサポートは、昨年はサンプル数が少なくランキング外となったが、今年は一定の回答数を集め、特に(1)管理人に対する評価が非常に高く、初のランクインとなった。
■全体5位の三菱地所コミュニティは昨年と同順位となり、安定したサービスの提供と総合力の高さを有する結果となった。
■他の大手管理会社では、大京アステージが管理物件の平均築年数が本年も高い傾向がみられた。当社の過去の調査において、築年数の経過は満足度に不利な影響を及ぼすことが分かっているが、今年も昨年より満足度を高め、順位も8位へ上昇となった。同社は、理事経験者の評価が総じて高く、理事経験者の明細項目評価においてTOP5に位置する結果となった。
【調査概要】
■調査対象:自社Webインターネットサイト「住まいサーフィン」の登録会員31万人のうち、マンション購入済みの居住者や全国の大規模マンションの理事長様など
■調査実施時期:2024年7月19日~8月31日(インターネット調査、郵送調査)
■有効回答数:3898(ランキングは回答数25件以上に限り対象)
■調査項目:大きく(1)管理人 (2)フロント(3)管理会社の3つのカテゴリーごとに調査、別途 (4)満足度 (5)推奨度を調査、<総合満足度>は(4)満足度を1.25倍し、(5)推奨度を0.75倍した平均値から算出
【調査結果】
■全体ランキング1位 野村不動産パートナーズ
全体ランキングの総合満足度1位は、野村不動産パートナーズ(73.8ポイント、前年比+1.6ポイント)。次いで、三井不動産レジデンシャルサービス(73.2ポイント、同-1.5ポイント)、東京建物アメニティサポート(72.3ポイント、同+1.8ポイント)。
野村不動産パートナーズは、 特に(2)フロントの “業務遂行”や“依頼事項対応”などに対する評価が高く、その他全般的にほとんどの項目でTOP5入りし、一昨年まで14年連続で保持し続けていた総合満足度1位に返り咲いた。
三井不動産レジデンシャルサービスは、各項目において昨年に続き高い評価を得ることができたが、(2)フロントに関してややスコアを落とし、総合満足度においても低下が見られ、惜しくも全体2位となった。
東京建物アメニティサポートは、上位3位のなかでは唯一管理戸数が10万戸未満と規模感では異なるものの、(1)管理人、(2)フロント、(3)管理会社の各項目においてすべての項目でTOP3入りし、 (4)満足度・(5)推奨度ともに高い評価を受け、今年も全体3位となった。
<図表1:管理会社満足度 全体ランキング 上位16社 主要項目抜粋>
■10万戸未満の管理会社ランキング1位 東京建物アメニティサポート
管理戸数10万戸未満の企業のランキング1位は、東京建物アメニティサポートとなり、同カテゴリーで7年連続の1位を獲得。(1)管理人、(2)フロント、(3)管理会社の各項目においてすべての項目で1位となり、管理会社として居住者から非常に高い評価を得ている。
<図表2:管理戸数10万戸未満の部門 満足度ランキング 上位5社 主要項目抜粋>
■理事経験者ランキング1位 三井不動産レジデンシャルサービス
理事経験者による満足度の1位は、三井不動産レジデンシャルサービスとなり、同カテゴリーで2年連続の1位となった。
2位の野村不動産パートナーズは、(1)管理人、(2)フロント、(3)管理会社の各項目においてすべての項目でTOP5に入るなど、高い評価を得ている。
3位の東京建物アメニティサポートは、公表している明細項目13項目中11項目でカテゴリー1位となったが、入居者の推奨度が上位2社とやや乖離する結果となった。推奨は、他者に対してすすめる行為となりマンション管理という比較が難しいサービスにおいては、知名度やブランド力の影響を受けていると考えられる。
<図表3:理事経験者による満足度ランキング 上位13社 主要項目抜粋>
この結果は、「住まいサーフィン」でも公開します。
https://www.sumai-surfin.com/bigdata-analysis/enquete-result/kanrigaisya-2024/
住まいサーフィン サイト概要
TV、主要ビジネス誌、SNS等で幅広い実績を持ち、ベストセラーとなった「マンションは10年で買い換えなさい」の著者でもある「沖有人」が主催するマンションの無料会員制セカンドオピニオンサイト。2004年より会員制に移行し、マンションの売買をする時に知りたい情報を”見える化”し、購入・売却検討者が知ることが難しかった不動産情報を得られる。マンションの査定価格・相場情報と会員の物件評価・沖有人自らによる動画など豊富なコンテンツを持つ。
中古マンション、賃貸物件データなどの不動産事例2億件以上を保有し、会員数は約31万人(2024年11月時点)を超える業界最大級の不動産ビッグデータカンパニーとして、不動産情報を調査・分析するスタイルアクト株式会社が運営している。
■ 独自サービス:https://www.sumai-surfin.com/columns/mansion-knowledge/intro-service
■ 住まいサーフィンの使い方:https://www.sumai-surfin.com/price/howto-sumai-surfin/
■ 沖式10年後予測:https://www.sumai-surfin.com/columns/mansion-knowledge/mansion-prediction
スタイルアクト株式会社代表 沖有人
1988年、慶應義塾大学経済学部卒業後、監査法人系・不動産系のコンサルティング会社を経て、1998年に現スタイルアクト株式会社を設立。住宅分野において、マーケティング・統計・ITの3分野を統合し、日本最大級の不動産ビッグデータを駆使した調査・コンサルティング・事業構築を得意としている。設立当初から運営している分譲マンション価格情報サイト「住まいサーフィン」(https://www.sumai-surfin.com/)の会員数は、現在31万人を超える。中でも、自宅投資の基礎や今後の不動産市況などを沖自ら解説している「沖レク動画」は人気コンテンツとなっている。
『マンションは10年で買い替えなさい』(朝日新書)、『タワーマンション節税! 相続対策は東京の不動産でやりなさい』(朝日新書)など著書多数。