月曜日, 10月 7, 2024
ホームイベント平成建設が2023年度グッドデザイン賞を2部門で受賞

平成建設が2023年度グッドデザイン賞を2部門で受賞

モビリティ部門と住宅部門でグッドデザイン賞を受賞した平成建設

株式会社平成建設(本社:静岡県沼津市、代表取締役社長:秋元久雄)は2023年度グッドデザイン賞(主催:公益財団法人日本デザイン振興会)において、モビリティ部門で建築大工による大規模レストア「帆船[クレイパトラ号]」が、住宅部門で町の成長や豊かさに寄与する風景をつくる「森を育む丘の家」がグッドデザイン賞を受賞しました。

平成建設が2023年度グッドデザイン賞を2部門で受賞のサブ画像1

  • 建築大工による大規模レストア「帆船[クレオパトラ号]」について

平成建設が2023年度グッドデザイン賞を2部門で受賞のサブ画像2

<概要>

建築大工による木造帆船の大規模レストア。船内はチーク材を随所に使用した歴史を感じる優雅な空間。船体の美しい曲線と佇まいが魅力の本格的なクラシック木造帆船「クレオパトラ号」。船齢43年を迎え、腐食衰耗による経年劣化等により、航行困難となっていたこの帆船の修繕に建築大工が挑み、「ヴィンテージ」の魅力と技術を後世へと繋ぐ。

クレオパトラ号は二本のマストを持つケッチ型と呼ばれ、海外ではクラシックヨットとしても人気が高いが、日本では珍しい帆船。レストアするためには様々な知識や技術が必要とされていたものの、現存する木造帆船の減少、木部の修繕の担い手である技術者の不足も相まって、水や風の抵抗を考慮した曲面を用いた木工技術は失われつつある。さらに16m以上の主要木部の修繕を伴う、大規模レストアを受け入れ可能な技術集団は限られてきている。そんな中、木部と金物のレストアを「建築工程の内製化」を掲げる建築会社の現代大工たちが引き受けた。構造から内装や家具、防水シーリングまで狭い空間での作業でありながら、プロのマリン業者と連携してレストアを実施。自然と広がる人脈により専門業者と他業者が交錯し、エレガンスをテーマとしたクルーザーとして現代へと蘇らせた。

<デザインのポイント>

・昨今では珍しいクラシック帆船。失われつつある「技術」と「財産」の復活に現代大工が挑んだ

・メイン、ミズンマスト、腐食や漏水が著しい箇所をレストア。ボルト貫通部はマスト抱かせ型に変更

・クルーザーとして一般の方も乗船可能。エレガンスをキーワードに、ケッチが持つ優雅さが引きだされた

平成建設が2023年度グッドデザイン賞を2部門で受賞のサブ画像3

平成建設が2023年度グッドデザイン賞を2部門で受賞のサブ画像4

平成建設が2023年度グッドデザイン賞を2部門で受賞のサブ画像5

<審査委員 評価コメント>

急速に数を減らしつつある木造船。理由のひとつに修理のできる船大工の減少と高齢化があるという。その状況を打破するために、同じ木を扱う港町の建設会社が立ち上がったというストーリー、技術の伝承や職人の育成を挑戦の理由として挙げた点に共感した。腐食が進行していたマストは、ボルトが木を貫通していたことが原因であることから金具が木を抱き込む形状に改めるなど、家づくりの経験を投入。島国である日本に船は必要不可欠であり、住宅では木造が主力であり続けている。だからこそ木造船という文化を次世代に継承していく取り組みは評価したい。

平成建設が2023年度グッドデザイン賞を2部門で受賞のサブ画像6

  • 町の成長や豊かさに寄与する風景をつくる「森を育む丘の家」について

平成建設が2023年度グッドデザイン賞を2部門で受賞のサブ画像7

<概要>

静岡県某所にある区画整理事業地の一角に、丘のような住宅を設計しました。

森を切り拓いて作られた敷地周辺には、設計当初は街路樹や公園などの緑が一切なく、人工的な風景が続いていました。新興街区に建ち始めた建築は配置も高さもバラバラでとりとめがなく、町並みとして目指す方向が定まっていないように見えました。私達はこの場所に、町の成長や豊かさに寄与するような、そんな風景を作りたいと考えました。

住み手は、人間と犬が垣根なく快適に共存できる空間を求めていました。

まず敷地の高低差を利用して丘状の地盤を設計し、地盤内に「外部のように開放的な内部空間」や「内部のように落ち着く外部空間」を作ることで、屋内と屋外の境界を曖昧にしました。つぎに敷地の気候環境を丁寧に検証し、空調システムに頼らなくても快適で、四季の移ろいを愛おしみながら生活できるように設計を進めました。敷地境界を塀で囲わずに緩やかにつなげたことで、住宅内から眺める空はおおらかに広がり、道往く人々は豊かな緑を享受します。こうして、一般的には公共性の希薄な住宅に、町との良好な関係性を生み出しました。この丘のような建築は大地のように力強く存続し、長い年月をかけて木々を育みます。木々が成長して丘が小さな森となり、この街の拠り所のひとつとして愛され続けることを願っています。

<デザインのポイント>

・町と住宅をつなげる
敷地の高低差を利用して丘状の地盤を設計した。敷地境界を塀で囲わずに緩やかにつなげたことで、住宅内から眺める空はどこまでも続き、道往く人々は丘の豊かな緑を享受する。こうして、一般的には公共性の希薄な住宅に、町との良好な関係性を生み出した。

・屋内と屋外をつなげる

仕上材、ディテール、照明、植栽、アート等、内外部空間をつなげる工夫を随所に散りばめ、屋内と屋外の境界を曖昧にした。空調システムに頼らなくても快適に生活できるように各空間の気候環境を検証し、「外部のように開放的な内部空間」や「内部のように落ち着く外部空間」を作り上げた。

・町の歴史を未来へつなげる

例えば、「窓が、隣接する水道タンクをアートのように縁取る。」「丘が、活気ある道の音を和らげて取り込む。」「丘に登ると、山の麓に広がる町並みを一望できる。」というように、この建築を通して町を体感すると、魅力が増幅する。長い年月をかけて木々が育まれ、丘が小さな森となり、建築が徐々に成熟する。公園のように拠り所として愛されながら、町の魅力や歴史を未来へと受け継いでいく。

平成建設が2023年度グッドデザイン賞を2部門で受賞のサブ画像8

平成建設が2023年度グッドデザイン賞を2部門で受賞のサブ画像9

<審査委員評価コメント>

非常にのびやかな住宅である。屋上緑化された屋根と庭の樹木が、緑の少ない周辺環境に潤いを与えている。丘のような屋根と緑がプライバシーを守り、塀を作らずに町と住宅を繋げているのも良い。丘のような屋根は犬と人間が共存するプラットフォームにもなっているようだ。屋根の下では外部空間と内部空間がシームレスに繋がる。外部のような開放的な内部空間と、内部のような落ち着きのある外部空間が相乗して気持ち良さそうな住まいである。内部空間も自然素材を多用しながら丁寧にデザインされているのが窺える。

グッドデザイン賞とは

1957年創設のグッドデザイン商品選定制度を継承する、日本を代表するデザインの評価とプロモーションの活動です。国内外の多くの企業や団体が参加する世界的なデザイン賞として、暮らしの質の向上を図るとともに、社会の課題やテーマの解決にデザインを活かすことを目的に、毎年実施されています。受賞のシンボルである「Gマーク」は優れたデザインの象徴として広く親しまれています。

グッドデザイン賞WEBサイト:https://www.g-mark.org/

【会社概要】

社名:株式会社 平成建設

本社所在地:〒410-0022 静岡県沼津市大岡1540-1

代表取締役社長:秋元久雄

事業内容:建築工事全般(土地活用提案・住宅事業・リフォーム事業)不動産事業

設立:1989年2月

HP:https://www.heiseikensetu.co.jp/

平成建設は創業以来「建築工程の内製化」と自社で「職人育成」に取り組み、現在では200人を超える職人集団を形成するに至りました。職人を育て、次世代に技術を繋ぐこと。これは当社の使命であると考えています。

当社では今回の受賞を契機に大工や職人の復権を図るとともに、建築というものづくりにおけるデザインの活用を積極的に推進し、ブランドイメージの向上に努めてまいります。

RELATED ARTICLES

返事を書く

あなたのコメントを入力してください。
ここにあなたの名前を入力してください

Most Popular

Recent Comments