土曜日, 4月 27, 2024
ホーム調査レポートLIFULL HOME'Sが不動産事業者に対して実施した「住宅における省エネの取り組み」に関する認知度調査結果を発表

LIFULL HOME’Sが不動産事業者に対して実施した「住宅における省エネの取り組み」に関する認知度調査結果を発表

カーボンニュートラル推進に対して9割が賛成の一方、半数以上は省エネ基準適合義務化の理解が不足/省エネや断熱性能への「質問をうけることはほとんどない」が約7割/省エネ性能表記の義務化に対しては賛否両論

事業を通して社会課題解決に取り組む、株式会社LIFULL(ライフル)(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:井上高志、東証プライム:2120、以下「LIFULL」)が運営する不動産・住宅情報サービス「LIFULL HOME'S(ライフルホームズ)」は、不動産事業者に対し、「住宅における省エネの取り組み」に関する認知度調査を行いました。

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  • 調査実施の背景

日本政府は2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、カーボンニュートラルを目指すことを宣言しました。住宅・建築領域ではZEH化(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)や断熱性の向上などの省エネルギー(以下、省エネ)にとどまらず、太陽光をはじめとした再生可能エネルギー(以下、再エネ)の設備を設けるなど、脱炭素社会に向けて実現する事とし、更に法改正によって2025年4月以降に着工する全ての建築物に「省エネ基準」への適合を義務付ける事が決まっています。これにより、事業用物件だけではなく、一般住宅も含めて全ての建築物で「省エネ性能」の評価と審査が実施されるため、一定の基準に達しない建物は建築自体が出来ない事となります。また、この動きに伴い2023年9月25日には、国土交通省から建築物の販売・賃貸時の省エネ性能表示制度のガイドラインが発表されました。

LIFULL HOME'Sでは、不動産事業者がこの流れをどのように捉え、どの程度知識習得をしているのかを明らかにするために、認知度調査を実施しました。

  • 調査内容

【調査サマリー】

・不動産会社の約9割がカーボンニュートラルの推進に対して前向き

・省エネ基準の適合義務化まであと1年半。一方、半数以上が理解不足であることが明らかに

・消費者の関心はまだ追いついていない?省エネや断熱性能について「質問をうけることはほとんどな

い」が約7割

・不動産広告への省エネ表記義務化に対しては賛否両論

不動産会社の約9割がカーボンニュートラルの推進に対して前向き

「日本政府は、2020年10月、2050年までにカーボンニュートラル実現を目指すことを宣言しました。この取り組みについてどのようにお考えですか」という問いに対して、「積極的に推進すべきだと思う」が41%、「どちらかと言えば推進すべきだと思う」が47%で、約9割が推進に前向きであることがわかりました。

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省エネ基準の適合義務化まであと1年半。一方、半数以上が理解不足であることが明らかに

「昨年公布された『改正建築物省エネ法』により、2025年からは住宅新築時にも省エネ基準の適合が義務化されることを存じですか?」という問いに対して、「詳しく知っている」が5%、「ある程度知っている」が41%に対し、「聞いたことはあるが、よくわかっていない」が39%、そして「聞いたことがない」が15%となりました。カーボンニュートラル推進については前向きな一方で、不動産業界に関わる省エネ基準適合義務化についての理解は半数以上も不足している実情が明らかになりました。

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消費者の関心はまだ追いついていない?省エネや断熱性能について「質問をうけることはほとんどない」が約7割

「過去1年以内に、貴社の現場の販売または賃貸担当者は、消費者(エンドユーザー)から、取り扱う物件の省エネ性能や断熱性能などについての質問をどの程度受けましたか?」に対しては、「質問を受けることはほとんどない」が約7割となっています。また、「貴社の現場の販売または賃貸担当者は、一次エネルギー消費量や建物の外皮性能について、どの程度理解していますか?現場担当者の平均的な理解度をお選びください。」に対しては、質問への説明がほぼできないが約6割となりました。

消費者の認知や関心がまだ高くないためか、質問を受ける事自体が少なく、必要に迫られていないので、理解が不足している可能性も考えられます。

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不動産広告への省エネ表記義務化に対しては賛否両論

「今後、不動産広告において省エネ表記が義務化されるとした場合、どのように思われますか?貴社の意見にもっとも近いものを一つご選択ください。」という問いに対して、「賛成」が15%、「どちらかというと賛成」が51%で約7割は肯定的である結果となりました。賛成の理由としては「取り扱う住宅の付加価値になり得るから」「消費者のニーズがあるから」などがありました。一方で「反対」9%、「どちらかというと反対」が25%と約3割は否定的で、理由としては「現場の手間がかかるから」「社内の教育に時間を要すから」などがあります。省エネ表記の義務化に対しては業界内でも賛否両論であるのが分かります。

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今回実施したアンケートにより、不動産事業者の多くは、国の方針によるカーボンニュートラル実現についての理解を示す一方で、一次エネルギー消費量や建物の外皮性能についての理解が不足していることから、

消費者に対して有益な情報提供をする事や、住宅性能を付加価値とするための営業活動が難しい現状がある事が分かりました。

  • LIFULL HOME'Sの取り組み

省エネ基準適合義務に向けた勉強会を実施

2023年9月8日、主に売買物件を取引する事業者に向けた勉強会を行いました。実務にかかわる正しい知識を身に付けていただくべく、勉強会は継続的に実施する予定です。また、個社毎へのノウハウやナレッジの共有方法についても併せて検討していきます。

【参加者の声】

・(参加した理由としては)現状だと知識が乏しくお客様に具体的な説明が出来ないため

・今後の建売等の設計計画に役立ちそう

・省エネ基準義務化の背景や内容を知る機会となった

サイトやアプリ上で省エネや再エネに対応している物件がわかるように

また、LIFULL HOME'Sに掲載される物件広告上で、省エネ、再エネの性能を表示する仕様に改修を行う予定です。以下のイメージ図のように、エネルギー消費性能を星印の数で分かるようにしたり、年間の目安光熱費、断熱性能の等級を見せる事で、消費者が客観的な指標で評価された省エネ性能をひと目で確認できたりするようになります。

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  •  LIFULL HOME’S総合研究所・副所長チーフアナリスト/中山登志朗

「地球温暖化防止という『理想・目標』に、住宅コストという『現実・課題』が応えられるかが試される」

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調査結果の通り、2050年のカーボンニュートラル実現に向けては事業者のうち約90%が前向きですが、一方で半数以上はまだ具体的な取り組みについて理解不足であることを認めています。省エネ適合義務化まで1年半という段階で、総論には賛成でも各論には未着手であることが浮き彫りになりました。

住宅の省エネ性能を高めるにはイニシャルコストである建築費が従来よりも多額になることは大前提で、如何に光熱費などのランニングコストを安価にできるかがポイントです。つまり居住コストをトータルで考える提案が出来るか、目前のイニシャルコストを超えるメリットがきちんと提示できるか、さらには様々用意されている省エネ性能向上のための補助金・助成金に対する知識・情報を適切にユーザーサポートに活用できるか、などが問われ、それでも現実に立ちはだかる“コストの壁”を如何にして超えるかが求められています。

なぜ住宅の省エネ性能を高めなければならないのか、それを法律で決まったからという説明ではなく、根本にある課題からユーザーに寄り添い理解してもらう力が必要です。

  • 参考情報:「建築物の販売・賃貸時の省エネ性能表示制度」に関するガイドライン

建築物の販売・賃貸を行う事業者は、新築建築物の販売・賃貸の際には、所定のラベルを用いて省エネ性能を表示することが必要となります。 2023年9月25日(月)に国土交通省から公布された告示では、表示すべき事項及び表示方法その他遵守すべき事項について規定し、ガイドラインでは制度の詳細や実務上の留意点を解説しています。詳細は、制度の特設サイトをご覧ください。

国土交通省 建築物の省エネ性能表示制度特設サイト:https://www.mlit.go.jp/shoene-label/

  • 調査の概要

調査方法:メルマガ配信によるWebアンケート

調査対象:全国の不動産事業者(領域:賃貸、売買)

有効サンプル数:634件

調査実施日:2023年7月13日~7月24日

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LIFULL HOME'Sは、「叶えたい!が見えてくる。」をコンセプトに掲げる不動産・住宅情報サービスです。賃貸、一戸建て・マンションの購入、注文住宅から住まいの売却まで。物件や住まい探しに役立つ情報を、一人ひとりに寄り添い最適な形で提供することで、本当に叶えたい希望に気づき、新たな暮らしの可能性を広げるお手伝いをします。

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