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「YKK AP環境報告書 2023」発行

自社CO2排出量29%削減、廃棄物排出量25%削減

 YKK AP株式会社(本社:東京都千代田区、社長:魚津 彰)は、「YKK AP環境報告書 2023」を発行しましたので、お知らせします。「第6次中期環境事業計画」(2021~2024年度)の2年目となる2022年度、環境経営方針で掲げる「気候変動」「資源循環」「水」「生物多様性」の4つの環境課題に取り組み、2013年度比で自社CO2 排出量29%削減、2016年度比で廃棄物排出量25%削減などを達成しました。詳細について、弊社ウェブサイトに掲載しています。
https://www.ykkap.co.jp/company/jp/sustainability/environment/report2023/

2022年度 環境活動のポイント

【1】気候変動

・高断熱窓の販売による使用時のCO2削減貢献量2020年度比127%を達成[①]

自社CO2排出量を2013年度比29%削減[②]

【2】資源循環

廃棄物排出量を2016年度比25%削減[③]

廃棄物原単位(※1)2016年度比39%削減[③]

【3】水

水使用量を2013年度比29%削減[③]

【4】生物多様性

社会貢献活動実施件数116件[②]

①YKK APグループ(国内)、②YKK APグループ(国内+海外)、③YKK APグループ(国内+海外製造拠点)

※1:売上高当たりの廃棄物排出量

【2022年度の主な取り組みと成果】

2022年度はカーボンニュートラル、サーキュラーエコノミーの実現に向けた取り組みを強化し、業界における環境先進企業であると評価され、環境省の定める「エコ・ファースト企業」に認定されました。

【1】気候変動

「YKK AP環境報告書 2023」発行のサブ画像1_太陽光発電設備導入拠点(2023年4月時点)太陽光発電設備導入拠点(2023年4月時点)

2019年1月にSBT認定取得、2019年5月にTCFD提言に賛同し、気候関連リスク・機会の両面において事業活動への影響を評価し、経営戦略に反映して取り組みを進めています。2022年度は、カーボンニュートラル実現の達成年度をこれまでの2050年から2040年へ前倒しすることを目指し、年率1.3%以上の省エネ、燃料転換、再⽣可能エネルギーの導⼊を主軸とした対策を推進しました。副社長をプロジェクトリーダーとした「カーボンニュートラルプロジェクト」では、6つのWG(ワーキンググループ)で策定したカーボンニュートラル技術ロードマップに基づいた取り組みを進めました。その中の「創エネWG」では、自社敷地内への自家消費型再生可能エネルギーの導入を推進しており、これまでに国内外9拠点に合計6,600kWの太陽光発電・小水力発電を導入しました(2022年度は年間2,600tのCO2削減に相当)。

【2】資源循環

「YKK AP環境報告書 2023」発行のサブ画像2_樹脂形材の製造樹脂形材の製造

廃棄物排出量、廃棄物原単位、廃棄物再資源化率について海外製造拠点を対象範囲に含めた指標にして、持続可能な資源の利用を目指し、投入資材の削減に取り組みました。アルミニウムについては、市中アルミ屑も積極的に活用するため、四国製造所でアルミ溶解炉の更新を行い、さらに2023年度にリサイクル炉の新設を予定しています。製造工程で発生する樹脂端材については、再び資源として樹脂材へ再生するとともに、新材とリサイクル材が複合した樹脂形材を開発し、これを採用した商品の提供を開始するなど新規用途の開発に取り組みました。

【3】水

水使用量削減に取り組み、受け入れ量の見直しや洗浄水の多段利用などを実施して、2013年度比29%削減で計画を達成しました。

【4】生物多様性

国内外の各拠点で植樹による緑化活動を行うなど、地域のニーズに応じた社会貢献を行いました。

【第6次中期環境事業計画 主要テーマの到達目標と実績】 

「YKK AP環境報告書 2023」発行のサブ画像3

達成度・・・◎:計画以上 ○:計画通り △:一部未達(>90%) ×:未達
①YKK APグループ(国内)、②YKK APグループ(国内+海外)③YKK APグループ(国内+海外製造拠点)
※2:出荷高当たりのエネルギー使用量
※3:売上高当たりの水使用量

【今後の展望】
カーボンニュートラル、サーキュラーエコノミー実現に向けて今後もESG、SDGsなど社会が目指す方向性を踏まえた環境政策をさらに深化させ、持続可能な社会に貢献する取り組みを推進していきます。

「気候変動」では、建築物のカーボンニュートラルに大きく貢献する高断熱窓やドア、カーテンウォールの開発・販売・普及を推進するとともに、スコープ1、2では2030年度までに2013年度比80%削減、スコープ3では同30%削減を目標に、商品とモノづくり、それぞれのプラットフォームを検討しながら、カーボンニュートラルに向けた技術開発を強化していきます。

「資源循環」では、サーキュラーエコノミーの考え方に基づき、商品への投入資材削減と再生材活用を進めるとともに、社内で発生する不要物を最大限有効利用することで廃棄物削減に取り組みます。

「水」「生物多様性」においても、水使用量削減、商品の六価クロムフリーなどに取り組み、2050年のあるべき姿「事業活動におけるライフサイクル全体を通して“環境負荷ゼロ”を実現」に向けて、2024年度の中期到達目標を確実に達成していきます。

2022年度 環境活動のポイント(詳細)

【1】気候変動

カーボンニュートラルの実現を目指すうえで、建築物におけるCO2削減も重点テーマとなっており、YKK APでは、高断熱窓の開発・販売・普及に取り組むことにより、建築物のCO2排出量削減に貢献したいと考えています。高断熱窓は、従来のアルミ窓に比べて窓からの熱の出入りを抑えることができるため、空調使用時のCO2排出量削減に貢献できます。窓やガラスの種類、およびその組み合わせによりエネルギー消費量の削減効果に差があるため、住宅モデル家一棟あたりのアルミ窓(複層ガラス)のエネルギー消費量を100とした場合の断熱効果を試算しました。この効果に各年度の販売数を乗ずることにより、YKK APとしてのCO2削減貢献量を算出しており、2022年度は2020年度比127%となりました。
またYKK APでは、自社からのCO2排出量について2030年までに2013年比50%削減を目標に掲げてSBTイニシアチブから認定を取得していますが、これを80%削減に上乗せします。さらに、カーボンニュートラルも前倒しで2040年を目指します。この目標達成に向け、年率1.3%以上の省エネ、燃料転換、再生可能エネルギーの導入を主軸とした対策を推進しており、2022年度は生産設備更新や太陽光発電の稼働拡大により計画を達成しました。今後は、2024年度までに合計16,300kWまで創エネを拡大し、2020年度比9,100tのCO2の削減を目標に再生可能エネルギーの導入を加速するとともに、カーボンニュートラル実現に向けて事業活動の全ての工程で温室効果ガスの削減や気候変動への適応に取り組んでいきます。

「YKK AP環境報告書 2023」発行のサブ画像4

【2】資源循環 

2022年度は国内製造拠点でのリサイクル率100%を継続し、工場から排出する廃棄物のゼロエミッション(※4)を2005年度から18年連続で達成しました。海外製造拠点においても、単純焼却・埋立処分されている廃棄物をリサイクルへ転換することでリサイクル率向上に取り組んでおり、2024年までに、国内・海外製造拠点のリサイクル率99%以上を目指していきます。

廃棄物排出量は、投入資材の適正化による排出量の抑制と廃棄物の有価物化を進めることにより、2021年度807t減少となりました。廃プラスチック、紙くずはそのままであれば廃棄物となりますが、RPF(※5)を製造し有価物化することで、廃棄物削減を進めています。2022年2月、黒部越湖製造所にRPFの製造設備を導入し、2022年度はRPF191tを製造しました。2023年度は投入する廃棄物(原材料)の組み合わせを拡大し、200tを製造する予定です。海外製造拠点では、2022年度は大連社にて廃棄物が減少、アメリカ社、中国社、インドネシア社では増加しましたが、2023年度は海外拠点で排出量の多い汚泥の乾燥、有価物化を中心に160tの削減を計画しています。

商品への再生材活用については、社内で発生するアルミ屑だけでなく市中アルミ屑を原材料として活用することも積極的に行っており、2022年度のリサイクル率は27%でした。2022年度は四国製造所でアルミ溶解炉の更新を行いましたが、さらに2023年度にリサイクル炉を新設することにより、2024年度には39%を目指していきます。

製造工程で発生する樹脂端材、切粉は効率的な生産により発生抑制に努めるとともに、発生した端材、切粉は樹脂材に再生しています。さらに樹脂屑を再生して複層ガラスのガスケット原材料にしており、これらにより2022年度の社内リサイクル率(※6)は28%となりました。今後は2026年度までに100%を目指していきます(APW端材(※7)は2024年度100%)。

今後も投入資材、施工現場資材の削減、輸送時の不良品発生抑制に取り組むとともに、サーキュラーエコノミーの考え方に基づき社内で発生する不要物を最大限循環、有効利用していくことで排出量を抑制し循環型社会の構築に寄与していきます。

「YKK AP環境報告書 2023」発行のサブ画像5

「YKK AP環境報告書 2023」発行のサブ画像6

※4:YKK APの定義「事業活動に伴って発生する排出物のリサイクル率を97%以上にすること」

※5:廃プラスチック、紙くず等の廃棄物を原材料とした固形燃料

※6:樹脂社内発生端材の社内での再利用率

※7:高性能樹脂窓「APW」シリーズ製造時に発生する端材

<参考情報①>

「YKK AP環境報告書 2023」発行のサブ画像7

資源循環をテーマに、黒部荻生製造所、黒部越湖製造所(富山県黒部市)での「廃棄物削減の取り組み」の裏側を紹介しています。

2050年までに環境負荷ゼロを目指す

YKK APの“攻める環境管理”による資源循環のアクションとは

 https://prtimes.jp/story/detail/MxzgzgiLRAr

<参考情報②>

「YKK AP環境報告書 2023」発行のサブ画像8

社会貢献活動の一環として九州製造所(熊本県八代市)が取り組んでいる「おしえて!!メダカ先生プロジェクト」の裏側を紹介しています。

YKK APが絶滅危惧種“ニホンメダカ”を育てる理由。

「モノづくり」の現場から地域社会との“つながり”を推進する、環境教育支援活動

 https://prtimes.jp/story/detail/zrP7z7spYnx

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