月曜日, 12月 23, 2024
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シアトル近郊で賃貸用集合住宅

~米5位デベロッパーと日本企業3社が共同開発~

住友林業株式会社(社長:光吉 敏郎 本社:東京都千代田区)、芙蓉総合リース株式会社(社長:織田 寛明 本社:東京都千代田区)、小田急電鉄株式会社(社長:星野 晃司 本社:東京都新宿区)は全米5位の大手デベロッパーTrammell Crow Residential(以下TCR)※1と米ワシントン州シアトル近郊ショアライン市で8階建て賃貸用集合住宅を開発します。4階以上を木造とし環境に配慮しつつ、再開発が進む利便性の高いエリアで旺盛な住宅需要を取り込みます。総事業費は約167百万USD(約241億円)※2で2023年11月着工、2026年4月の賃貸開始を目指します。

■スキーム・参画の背景
住友林業の100%子会社SFA MF Holdings、芙蓉総合リースの100%子会社Fuyo General Lease (USA) Inc.、小田急電鉄の100%子会社Odakyu USA Inc.が組成したJVとTCRが共同出資する特別目的会社(SPC)が開発主体です。住友林業の100%子会社SFCアセットマネジメント株式会社(代表取締役:吉澤 雄次郎 本社:東京都千代田区)が本プロジェクトの組成をとりまとめ、参画企業との調整を担当します。
住友林業はTCRを現地優良パートナーと位置づけ、2018年以降シアトル近郊のイサクア市、リンウッド市、ボゼル市、ウディンビル市で賃貸用集合住宅を開発してきました※3。第5弾となる本プロジェクトでは米国でのESG配慮型不動産開発私募ファンドや森林ファンドを通じて住友林業と関係を深めた芙蓉総合リース※4、米国での不動産事業拡大を目指す小田急電鉄が参画し、日系企業3社が共同で本プロジェクトを推進します。

シアトル近郊で賃貸用集合住宅のサブ画像1

■物件の特徴
総戸数298戸の地下2階、地上8階建て賃貸用集合住宅です。地下は駐車場とし、下層階の一部に店舗が入居予定です。地下2階~地上3階は鉄筋コンクリート(RC)造、4~8階は木造でツーバイフォー工法を採用します。環境に配慮し、環境認証LEED※5のプラチナの取得を目指します。
木造建築は鉄骨(S)造やRC造に比べ「建てるときのCO2排出量(エンボディドカーボン)」が少なく、木材が炭素を長期間固定し続けるため脱炭素化にも寄与します※6。

今後ソフトウェア「One Click LCA※7」を用いた建物のライフサイクルアセスメントを通じ、エンボディドカーボンの

削減量や木材の炭素固定量を見える化します。

■エリアの特徴

シアトル都市圏は渋滞解消やモビリティの環境効率向上を目指し、ワシントン大学とシアトル・タコマ国際空港を結ぶ旅客電車「ライトレール」を2016年に延伸。2024年までにショアライン市を含むシアトル北部へさらに延伸し25の駅を新設する予定です。沿線エリアはシアトル中心部へのアクセス改善や再開発に伴う住環境の整備により、交通や生活の利便性が向上しています。本物件は2024年開設予定のShoreline North/185th駅から徒歩1分とシアトル中心部へ通勤・通学するファミリー層に魅力的な立地です。
シアトル都市圏の推定人口は2020年時点で約402万人、2010年から2020年に約58万人増加しました※8。Amazon、Costco、Microsoft、Starbucks、Expedia等の大企業が本社を構え、中長期的な雇用成長が期待されます。

シアトル近郊で賃貸用集合住宅のサブ画像2

住友林業グループは森林経営から木材建材の製造・流通、戸建住宅・中大規模木造建築の請負や不動産開発、木質バイオマス発電まで「木」を軸とした事業をグローバルに展開しています。2030年までの長期ビジョン「Mission TREEING 2030」では住友林業のバリューチェーン「ウッドサイクル」を回すことで、森林のCO2吸収量を増やし、木造建築の普及で炭素を長期にわたり固定し、自社のみならず社会全体の脱炭素への貢献を目指しています。長期ビジョンで事業方針の1つに掲げた「グローバル展開の進化」を推進し、米国でも脱炭素化への取り組みを加速します。

芙蓉リースグループは2022 年度からスタートした中期経営計画「Fuyo Shared Value 2026」において、CSV(Creating Shared Value:共有価値の創造)の実践を通じた社会課題の解決と経済価値の同時実現により、企業グループとして持続的な成長を目指しております。本プロジェクトへの参画を通じ、社会生活に豊かさ・利便性を創出することで、豊かな社会の実現と持続的な成長に貢献してまいります。

小田急グループは経営ビジョン「UPDATE 小田急~地域価値創造型企業にむけて~」の下、環境や社会の持続性に配慮しながら、小田急沿線や事業を展開する地域において価値を創造することに取り組んでいます。小田急電鉄は不動産事業について、小田急沿線を中心とした取り組みに加えて、安定した経済成長が見込める米・豪において事業拡大を目指し、豪州における宅地開発事業や米国における賃貸不動産事業に着手しています。本事業を機に、米国における不動産業の情報収集、ノウハウ蓄積を更に進め、日本で培った駅や駅周辺における不動産事業のノウハウも活用し、海外においても「地域価値の向上」に取り組みます。

※1.米National Multifamily Housing Council発表の「NMHC 25 Largest Developers 2022」で5位にランクイン 参考:https://www.nmhc.org/research-insight/the-nmhc-50/top-50-lists/2022-top-developers-list/
※2.1USD=144.03円(2023年7月1日の為替レートで計算)
※3.(2021年4月14日)Alexan Alderwood:https://sfc.jp/information/news/2021/2021-04-14-01.html
  (2021年10月7日)Alexan Bothell:https://sfc.jp/information/news/2021/2021-10-07.html
  (2022年6月21日)Alexan Woodinville:https://sfc.jp/information/news/2022/2022-06-21.html
※4.(2022年3月30日)ESG配慮型不動産開発私募ファンドを組成:https://sfc.jp/information/news/2022/2022-03-30.html
(2023年5月11日)米国の森林ファンド組成へ:https://sfc.jp/information/news/2023/2023-05-11.html
※5.USGBC(US Green Building Council)が開発および運用する建物と敷地利用についての環境性能評価システム
※6.木は吸収したCO2を炭素として内部に固定するため、木を伐採して加工した木材製品(HWP:Harvested Wood Products)の活用を推進することで社会の脱炭素化が進む。
※7.住友林業が日本単独代理店契約を締結したソフトウェア。建設にかかる原材料調達から加工、輸送、建設、改修、廃棄時のCO2排出量(建てるときのCO2排出量)を精緻に算定できる。

関連リリース:https://sfc.jp/information/news/2022/2022-08-08.html
※8.出典:the United States Census Bureau 2020

■物件概要

物件名

所在地

建物面積(予定)

住戸数(予定)

構造

着工(予定)

竣工(予定)

:Alexan Shoreline

:18554 8th Ave NE Shoreline, WA 98155

:約26,200㎡ (281,926平方フィート)

:298戸

:木造とRC造の混構造(地下2階~地上3階はRC造、4階~8階は木造)

:2023年11月

:2026年9月(一部は2026年4月に賃貸開始予定)

■Trammell Crow Residential Company概要

本 社

代表者

沿革    

 

事業概要 

:米テキサス州ダラス

:Ken Valach (CEO)

:70年以上の歴史を持つ不動産投資開発会社Crow Holdingsの傘下で、米国の集合住宅不動産    

 会社として1977年に創業。

:不動産開発を手がけるデベロッパーで、特に経済が好調なエリアでの集合住宅開発を得意と  する。創業以来、累計約26万戸の集合住宅を供給。

 
■SFCアセットマネジメント概要

本 社

代表者

設 立

事業概要

:東京都千代田区大手町

:吉澤雄次郎(代表取締役)

:2020年11月

:住友林業グループ等が組成する投資ファンドに関する投資助言業務等

※SFCアセットマネジメント株式会社コーポレートサイト:https://sfcam.jp/

(参考資料)

■木造建築の優位性

シアトル近郊で賃貸用集合住宅のサブ画像3

世界のCO2排出量の37%が建設セクターから排出されており※1、「暮らすときのCO2排出量(オペレーショナルカーボン)」はZEH(ゼロ・エネルギー・ハウス)やZEB(ゼロ・エネルギー・ビル)の普及で削減が進んでいます。一方、「建てるときのCO2排出量(エンボディドカーボン)」の削減が今後の課題となっており、S造やRC造に比べてエンボディドカーボンの少ない木造建築が注目されています。また、樹木は光合成により取り込んだ炭素を伐採後も木材内に固定・貯留します。これを「炭素固定」といい、脱炭素社会の実現には炭素を固定した木材を用いた木造建築の推進が不可欠です。

※1.  出典:global alliance for building and construction(2021)

 

■CO2排出量を見える化するソフトウェア「One Click LCA」

シアトル近郊で賃貸用集合住宅のサブ画像4

住友林業グループは多くの不動産開発でエンボディドカーボン等を見える化するソフトウェア「One Click LCA」を活用しています。建築物の木造化によるエンボディドカーボンの削減量や炭素固定量を見える化し、木造建築の優位性を発信しています。また、住友林業は日本単独代理店としてOne Click LCA を2022年8月に発売※2。One Click LCAの普及を通じて、社会全体の脱炭素設計を推進しています。

シアトル近郊で賃貸用集合住宅のサブ画像5

シアトル近郊で賃貸用集合住宅のサブ画像6

※2.  参考リリース : https://sfc.jp/information/news/2022/2022-01-27-01.html

 

■住友林業グループの中大規模木造建築

住友林業グループは2030年までの長期ビジョン「Mission TREEING 2030※3」で事業方針の1つに「グローバル展開の進化」を掲げ、中大規模木造建築のグローバル展開を推進しています。米国や豪州では先に木造戸建住宅事業が拡大しましたが、近年は木造での不動産開発にも注力しています。

現在は日本国内に加え、豪メルボルン、英ロンドン、米ダラス、米アトランタでマスティンバー※4を用いた中大規模木造建築のプロジェクトが進行中。2023年中には豪メルボルンの15階建て木造オフィス、米ダラスの7階建て木造オフィスが竣工を迎える予定です。米国では木造ツーバイフォー工法を採用した集合住宅の開発実績も多く、国内外での住宅・建築・不動産事業の多角化が進んでいます。

 

※3.  長期ビジョン「Mission TREEING 2030」動画(3分):

  https://www.youtube.com/watch?v=2ty-tASVWPk

※4.  CLTやLVL等の複数の木材を組み合わせて成形した比較的質量や体積の大きいエンジニアードウッド

 
■中大規模木造建築の開発実績

シアトル近郊で賃貸用集合住宅のサブ画像7

■参考リリース

*1.   豪メルボルン/15階建木造オフィス:https://sfc.jp/information/news/2021/2021-10-06-01.html

*2.   英ロンドン/6階建木造オフィス:https://sfc.jp/information/news/2023/2023-02-14.html

*3.   米ダラス/7階建木造オフィス:https://sfc.jp/information/news/2022/2022-12-26-02.html

*4.   米アトランタ/3階建木造オフィス:https://sfc.jp/information/news/2022/2022-12-01.html

*5.   東京都/桐朋学園宗次ホール:https://sfc.jp/information/news/2022/2022-05-13.html

*6.   東京都/上智大学四谷キャンパス15号館:https://sfc.jp/information/news/2022/2022-06-29-02.html

*7.   例えば、以下のような事例があります。

米ダラス/5階建集合住宅:https://sfc.jp/information/news/2023/2023-06-19.html

米シアトル/5階建(地下2階)集合住宅:https://sfc.jp/information/news/2022/2022-06-21.html

米シアトル/6階建集合住宅:https://sfc.jp/information/news/2021/2021-10-07.html

米シアトル/5階建集合住宅:https://sfc.jp/information/news/2021/2021-04-14-01.html

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