就労困難者が他の従業員と一緒に働き続けられる職場づくりと雇用促進
「東京都認証ソーシャルファーム」とは、障がい者や引きこもり経験者、ひとり親で子育てをしている方など、就労に困難を抱えている方を、事業所従業員の20%以上雇用している企業をソーシャルファームとして認証し、就労困難者の雇用を促進する制度です。2019年12月の「都民の就労の支援に係る施策の推進とソーシャルファームの創設の促進に関する条例」施行後、特例子会社としては初の認証事業者となります。
■ 認証の背景と取り組み
① 就労困難者の採用を積極的に促進
昨今、難病や内部疾患、発達障がいなどによる働きづらさを理由とする就労困難者は、全国に1,500万人いると言われています。就労困難者は、障がいがあっても障がい者の認定基準に当てはまらないため、障がい者手帳の取得ができません。そのため、就労困難者は企業が雇用しても「障がい者雇用」とはならず、従業員が一定数以上の規模の企業の義務である「障がい者の法定雇用率」の算出において対象外となり、企業での雇用機会が少なく支援が手薄い状況です。
そこで、同社では就労困難者の雇用促進を目的にマザーズハローワーク※や難病専門の就労支援機関と連携し、採用説明会を実施しています。
※ 子育てをしながら就労したい求職者に向けて就労支援を行う施設
出典:日本財団 「WORK! DIVERSITY」公式サイトより
https://work-diversity.com/
② 就労困難者が長く働き続けるための職場環境の整備
就労困難者にとっての「働きづらさ」の理由は多種多様です。そこで同社は、他の従業員と一緒に働きながら個々のスキルも高め、安心して長く働き続けられるよう、柔軟な働き方に対応できる職場環境づくりを推進しています。
・ 保健師、精神保健福祉士によるサポート体制
障がいのある社員には保健師、精神保健福祉士による月1回の定期面談を実施しています。職場での人間関係や健康管理などの不安に対処しやすい体制でサポートを行っています。
・ 在宅勤務が可能な職域の拡大
同社では、2019年より、大東建託グループ内でRPA※を本格導入するにあたり、RPAプログラマーとして障がい者を雇用するなど、職域の開拓を進めています。興味のあることへの集中力が高い精神・発達障がい者の特性は、これまでの障がい者雇用の実績から、IT技術の習得やプログラマーに適合しやすいということが解っています。また、RPAプログラマーの社員は在宅勤務となるため、通勤が困難な障がい者に対しても就労機会の提供が可能となります。
ソーシャルファーム制度で採用された就労困難者も、ITスキルを習得しながら、RPAプログラマーとしてスキルアップし、職域の幅を広げています。
※ Robotic Process Automationの略。パソコンなどにソフトウエアとして導入されるもので、これまで人が行ってきた事務作業の一部を自動化する取り組み
・スキルアップのための資格取得支援
障がい者社員のスキル向上や業務上で有効な資格取得を目的に、会社で定めた第一種衛生管理者、宅地建物取引士などの65資格を対象に、資格技能手当(毎月資格別に定めた手当)の支給や受験費用の補助を行っています。
大東コーポレートサービスは、今後も就労に困難を抱える方が共にいきいきと働くことができる職場環境づくりに取り組んでいきます。
■ 東京都産業労働局 雇用就業部からのコメント
ソーシャルファームは、就労に困難を抱える方々を多数雇用する社会的企業です。都は独自の条例を制定し、事業所の認証を行い、その創設と活動を支援しています。
大東コーポレートサービス株式会社様には、障がい者の特例子会社として培ってきたノウハウを活かし、多様な人材が活躍する「認証ソーシャルファーム」のモデルとなっていただくことを期待しております。
関連ニュースリリース
● 2019年1月21日/RPAプログラマーの雇用を開始し、障がい者の就労機会を拡大
https://www.kentaku.co.jp/corporate/pr/info/2019/aqehc4000000aeck-att/rpaprogrammer_0121.pdf
● 2020年10月16日/IT活用による発達障がい学生の雇用創出に向けた取り組みを開始
https://www.kentaku.co.jp/corporate/pr/info/2020/corp_school.html
参考資料:コーポレートお知らせより
● 2021年7月5日 東京しごと財団障害者委託訓練 実践的RPAプログラム作成コースを開始
https://www.daito-copo.com/2021/07/05/post-2268/