当初希望していた築年数より約10年古くても妥協できる。「オートロック」を妥協した人の8割が「妥協しても問題なかった」
不動産情報サービスのアットホーム株式会社(本社:東京都大田区 代表取締役社長:鶴森 康史 以下、アットホーム)は、過去2年以内(2020年10月以降)に、賃貸物件を契約した18~50歳を対象に途中でこだわるのを諦めた条件・設備に関する調査を実施いたしました。
<トピックス>
- 家賃の妥協ラインは予算の1.1倍
- 当初希望していた築年数より10.2年古くても妥協できる
- 5人に1人が「建物構造」「日当たり・風通しが良い」「階数」を妥協
その半数以上が「妥協しても問題なかった」と回答
<調査結果>
- 家賃の妥協ラインは予算の1.1倍
- 当初希望していた築年数より10.2年古くても妥協できる
Q.現在の住まいの「家賃(管理費含む)」「初期費用」、「契約時の築年数」「住まいの広さ(延床面積)」「最寄り駅までの徒歩分数」「通勤・通学時間」を教えてください。(自由回答)
Q.当初の「家賃の予算の上限」「初期費用の予算の上限」、当初希望していた「築年数の上限」「住まいの広さ(延床面積)の下限」「最寄り駅までの徒歩分数の上限」「通勤・通学時間の上限」を教えてください。(自由回答)
家賃を妥協したと答えた人の中で、現在の住まいの家賃と希望していた当初の家賃の上限を聞き、家賃の妥協ラインを「実際の家賃÷当初の予算」で算出したところ、全体で予算の1.1倍まで妥協していたことが分かりました。また、初期費用も同様に算出したところ、全体で予算の2.0倍まで妥協していたということが分かりました。予算設定がいくらだったかにもよりますが、家賃の場合はそのほかの条件が希望に合えば予算を上乗せできるケースもあるようです。また、初期費用の場合は一回きりの支払いということもあり、妥協しやすいようです。
築年数を妥協したと答えた人の中で、築年数の妥協ラインを「契約時の築年数-希望していた当初の築年数の上限」で算出したところ、全体で当初より10.2年古くても妥協していたことが分かりました。また、広さも同様に算出したところ、全体で当初より7.1㎡狭い物件で妥協していました。最寄り駅までの徒歩分数は全体で当初より9.3分、通勤・通学時間は全体で当初より19.0分遠くても妥協していました。
それぞれ妥協して問題なかった理由を聞いたところ、築年数で「掃除を頑張ったら思ったより快適だったから(ファミリー)」、通勤・通学時間で「通勤中に読書などができるから(社会人シングル)」など、工夫次第・捉え方次第で妥協した後も問題なく過ごせているようです。
- 5人に1人が「建物構造」「日当たり・風通しが良い」「階数」を妥協
その半数以上が「妥協しても問題なかった」と回答
住まいの条件の中で、妥協したことを聞いたところ、「建物構造」で20.8%、次いで「日当たり・風通しが良い」20.5%、「階数」20.0%と5人に1人が妥協していました。妥協してどうだったかを聞いたところ、いずれも半数以上が「妥協しても問題なかった」と回答しています。
「建物構造」は、防音性や防災面を気にして妥協しづらい条件の一つですが、妥協した人の53.0%が妥協しても問題なかったと回答しました。実際に妥協して問題なかった人からは「最近の築浅物件は木造でもそこまで生活音が響かないから(カップル)」「災害に強い地区なので木造でも問題ないと感じたから(社会人シングル)」といった前向きなコメントが見られました。
「日当たり・風通しが良い」は、部屋の明るさや洗濯物の乾きやすさを不安視する人もいますが、妥協した人の64.6%が妥協しても問題なかったと回答しました。理由を聞いたところ、「除湿機を買えば問題なかった(学生シングル)」「日当たりが影響する時間は大体学校に行っているから問題なかった(学生シングル)」という声がありました。
「階数」は、防犯面や虫対策などで気になる条件ですが、妥協した人の76.3%が妥協して問題なかったと回答しました。理由には「セキュリティーがしっかりしていれば問題ないから(社会人シングル)」といったコメントが見られました。
一方、妥協したと答えた人の中で、「妥協して後悔している」割合が最も少なかったのは「入居時期」9.3%、次いで「マンションかアパートか」10.8%でした。これらの条件を妥協すれば選択の幅を広げることができそうです。
- 妥協した設備の最多は「オートロック」で、8割が「妥協しても問題なかった」と回答
一方、「防音設備」は「妥協して後悔している」が半数以上
住まいの設備の中で、妥協したものを聞いたところ、最も妥協していたのは「オートロック」で14.5%でした。次いで「2口以上コンロ」13.8%、「洗面所独立」「宅配ボックス」13.5%でした。中でも「オートロック」は妥協した人の8割が「妥協しても問題なかった」と回答していました。
「オートロック」は、セキュリティー面であると安心な設備ですが、妥協した人の81.0%が妥協しても問題なかったと回答しています。実際に妥協して問題なかった人からは「鍵をかけ忘れないようにすれば問題ないから(ファミリー)」といったコメントがありました。鍵をかけることをきちんと習慣づければ妥協しても気にならなくなるようです。
「2口以上コンロ」は、料理好きには欠かせない設備ですが、妥協した人の76.4%が妥協しても問題なかったと回答しました。理由としては「電子レンジでまかなえたから(カップル)」「料理を毎日するわけではないから(学生シングル)」という声がありました。
「宅配ボックス」は、ネットショッピングの利用機会が増えた昨今で注目を浴びている設備ですが、妥協した人の77.8%が妥協しても問題なかったと回答しました。妥協した人からは「時間指定で配達してもらうから(社会人シングル)」といったコメントがありました。
「洗面所独立」は、朝の身支度や帰宅時の手洗いであると便利な設備ですが、妥協した人の66.7%が妥協しても問題なかったと回答しました。妥協した理由を聞いたところ、「手鏡や姿見があるので問題なかったから(社会人シングル)」といった声がありました。
一方、「防音設備」は妥協した人のうち52.6%が後悔しています。テレワークやオンライン授業、おうち時間の増加で重視されている設備のため、妥協するかどうかは注意が必要なようです。
<調査概要>
■調査対象/過去2年以内(2020年10月以降)に住まいを探し、賃貸物件を契約した18~50歳男女400名
■調査方法/インターネットによるアンケート調査
■調査期間/2022年11月1日(火)~11月4日(金)
※小数第2位を四捨五入しているため、合計100%にならない場合があります。
<調査結果について>
アットホームでは本調査をはじめ、賃貸物件に住む人や一戸建て・マンションを購入した人などに住まいに関する調査を定期的に行っています。その他に「不動産取引における書類のオンライン化・電子サイン関する実態調査」や「住まい探しで見落としがちな物件情報ランキング」など不動産業界のトレンドに合わせた調査も実施しています。過去の調査結果など詳細につきましては、ぜひお問い合わせください。