上司や先輩社員とのコミュニケーションが少なく、職場環境が整っていない会社は、新入社員の「仕事のやりがい」や「会社への好感度」が下がる傾向に
《TOPICS》
- 2020年度入社の新入社員は仕事に対する「やりがい」を感じていると回答した人が70.8%と、新型コロナウイルス感染拡大前の2019年度入社の新入社員より5.6pt減少【図1】
- 上司や先輩社員とのコミュニケーションが少ないほど、「仕事のやりがい」や「会社への好感度」が下がる結果に【図2、3】
- 会社から提供される居住環境への満足度が高いほど、会社への好感度も上がる傾向【図6】
【調査概要】
2018年~2021年度に入社し新入社員研修を受けたビジネスパーソンを対象に、「自分の仕事にやりがいを感じているか」と問うと、全体で76.0%が「そう思う」(「そう思う」+「まあそう思う」)と回答。しかし、新型コロナウイルス感染拡大で就職活動や働き方が大きく変化した2020年度は「そう思う」(「そう思う」+「まあそう思う」)が70.8%と他の年度より低く、企業側の新入社員の受け入れ態勢が十分に整っていなかったことが、仕事へのやりがいに影響したと考えられる。【図1】
コミュニケーション頻度と仕事のやりがいの影響度・好感度をみてみると、「やりがいを感じる」人ほど、上司や先輩社員とのコミュニケーションが「あった(71.4%)」(「頻繁にあった」+「まあまああった」)と回答した割合が高く、「やりがいを感じない」人はコミュニケーションが「なかった(77.2%)」(「あまりなかった」+「なかった」)という回答が多い結果となった。
また、会社・部署への好感度も同様でコミュニケーションの頻度が多いほど好感度が高く、頻度が少ないほど好感度も下がっていることから、社員とのコミュニケーション頻度が仕事へのやりがいや会社の好感度に大きく関係していることがわかる。【図2、3】
さらに、「入社初期に自分の考えや想い、不安などを先輩や上司に伝えられる場があったか」という質問では、「やりがいを感じる」と回答した社員は、伝えられる場が「あった」(「頻繁にあった」+「まあまああった」)が81.4%と高いのに対し、「やりがいを感じない」と回答した社員は31.5%と低く、さらに「なかった」が45.7%を占めた。企業からの発信のみならず、新入社員が意見を発信しやすい受入れ態勢も重要といえる。【図4】
また、「業務を行ううえで、職場(寮・社宅がある場合は住居も含む)のツールや備品などの業務環境が整っているか」の質問に対しては、「やりがいを感じる」と回答した社員は、業務環境が「整っている」(「整っている」+「まあまあ整っている」)が80.7%と高いのに対し、「やりがいを感じない」と回答した社員は31.5%と低い結果となり、コミュニケーションの他にも業務環境もやりがいに影響することがわかる。【図5】
「会社指定の寮や社宅・ホテルなどに住んだことがある」新入社員189名のうち、「会社・部署のことが好き」という社員は、会社から提供される住居環境に91.9%が「満足」(「満足」)+「まあ満足」)と回答。しかし「会社・部署のことが好きではない」社員は57.9%と低く、働く環境だけでなく、会社から提供される居住環境も会社の好感度に影響していることがいえる。【図6】
社員の仕事に対する「やりがい」と、会社への「好感度」を高められるかは、入社初期に既存社員とどれだけ“相互に”コミュニケーションをとれるかが重要である。併せて、会社が働きやすい環境や生活しやすい環境を整えられるかも関係している。以上を踏まえると、テレワークの浸透やワークプレイスの多様化が進む中、新入社員を受け入れる環境の整備は、企業の健全な発展において重要な課題と言える。
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【調査概要】マイナビBiz「新入社員のエンゲージメントと職場環境に関する調査(2021年)」
○調査期間/2021年7月8日(木)
○調査方法/インターネット調査
○調査対象/2018年~2021年度入社・新入社員研修を受けたビジネスパーソン
○有効回答数/514名
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