2020年度の物販系ECの伸長率は21.71%と急伸し(*3) 、宅配物取扱量も48億個を突破、前年比で11.9%増加と(*4)、コロナ禍で通販利用者が一気に増加しています。緊急事態宣言の解除とともに店舗や観光地に人出が戻ると期待される一方、コロナ禍で利便性が際立った通販利用率は今後も高い数値を維持していくと思われます。外出時の荷物受け取り機会が以前にも増して増加することで、宅配ボックス付きの物件の需要のさらなる高まりが想定されます。
Yperでは今回、都内23区の宅配ボックス付き物件(賃貸物件に限定)をCHINTAIネット https://www.chintai.net/(株式会社CHINTAI運営)で検索した2021年9月24日時点の情報を元に「宅配ボックスの設置率」を算出し、前回調査(2018年8月16日時点)と比較しました。
前回調査と比較してCHINTAIの物件掲載数は増加、宅配ボックス物件検索数自体は約2倍となっています。コロナ前後で賃貸物件宅配ボックス設置率は全体的に増加傾向にありますが、特に家賃10万円以上の物件で増加、また、コロナ禍で竣工した築3年以内の物件で、コロナ前と比較して宅配ボックスの設置率が大きく増加していました。
- 物件検索:「東京23区内」の「賃貸マンション・アパート」に限定し、築年数は「30年以内」に絞っています。
- 「東京23区」とは下記の地域を指します。
- 千代田区 / 中央区 / 港区 / 新宿区 / 文京区 / 台東区 / 墨田区 / 江東区 / 品川区 / 目黒区 / 大田区 / 世田谷区 / 渋谷区 / 中野区 / 杉並区 / 豊島区 / 北区 / 荒川区 / 板橋区 / 練馬区 / 足立区 / 葛飾区 / 江戸川区
前回、築1年以内の物件の宅配ボックス設置率は71.69%だったのに対し、今回の調査では2020年9月以降竣工した築1年以内(2020年10月〜2021年9月)の物件での宅配ボックス設置率は87.64%、築年数3年以内でも84.31%と大きく伸びており、コロナ禍で竣工した物件のほとんどに宅配ボックスが設置されていることがわかりました。(表1)
(表1)コロナ前後比較:宅配ボックスあり物件の宅配ボックス設置率(築年数別)
一方、細かな築年数別でみると築年数3年以内の物件での宅配ボックス設置率は20ポイント近く増加しており、他の年代と比較して伸びが際立っています。また築20年以上の物件でも宅配ボックス設置率の増加傾向が見られます。(表2)
(表2)コロナ前後比較:宅配ボックスあり物件の宅配ボックス設置率(詳細築年数別)
Yperではさらに、宅配ボックスあり物件の宅配ボックス設置率(家賃別)の比較も行いました。こちらも前回調査は2018年10月4日に実施しています(*5)。 家賃別にみると今回調査で宅配ボックス設置率が10ポイント以上増加しているのは「10万円以上の物件」であることがわかります。(表3)
(表3)コロナ前後比較:宅配ボックスあり物件の宅配ボックス設置率(家賃別)
次に「家賃の価格帯別」の宅配ボックス設置率の比較では(表4)、「家賃10万円〜14万円」の価格帯の物件で宅配ボックスの設置率が20ポイント以上増加しています。「16万円以上」になると元々設置率は7割以上と他の価格帯に比べて高い水準でしたが、コロナ後の設置率は8割を超えており、宅配ボックスがほぼ標準設備になっていることがうかがえます。
(表4)コロナ前後比較:宅配ボックスあり物件の宅配ボックス設置率(家賃価格帯別)
今後も高いEC化率を背景に宅配ボックスの設置は増加することが見込まれますが、「家賃10万円以下」の物件や「築年数が5年以上」の物件では依然として宅配ボックス設置率は50%程度にとどまっているのも事実です。そうした物件では、コロナ禍で定着した置き配の利用や、利用したい人だけ個別に利用できる宅配ボックス環境、より手軽に利用できる簡易宅配ボックスなどをうまく利用することが望まれます。
(*1) 2018年8月16日時点調査の記事はこちら https://www.okippa.life/blog/20180914/4874/
(*2)「コロナ前」:2019年4月以前、「コロナ後」:2019年5月以降とする
(*3) 経済産業省 電子商取引に関する市場調査 https://www.meti.go.jp/press/2021/07/20210730010/20210730010.html
(*4) 国土交通省 宅配便取扱個数 https://www.mlit.go.jp/report/press/jidosha04_hh_000235.html
(*5) 2018年10月4日時点調査の記事はこちら https://www.okippa.life/blog/20181101/4992/
【参考】
■置き配バッグ OKIPPAについて
OKIPPAは煩雑な再配達受け取りを不要にする吊り下げ式簡易宅配ボックスです。不在中だけでなく在宅時でも、非対面で荷物の受け取りが可能です。
玄関ドアノブに簡単に取り付けができ、設置工事は不要。使用時以外は手のひらサイズに折りたたんでおけるため、常設していても玄関の場所を取りません。EC(ネット通販)のヘビーユーザーや、宅配ボックスがない住居にお住まいの方などに好評をいただき、2018年9月の一般発売以来、全国で17万個以上が販売されています。(2021年10月1日時点)
盗難や個人情報漏洩対策として、2種の鍵(ドアノブ専用ロックと、シリンダー式南京錠の内鍵)構造を採用。連携可能なアプリでは、盗難補償保険に加入できるだけでなく(*) OKIPPA荷物通知を受け取ることができ、いつでもどこにいても荷物の受け取りと到着確認が可能になります。
(*) 東京海上日動と共同開発した専用の盗難補償「置き配保険」(買い切り有料サポート)(2018年から提供)
https://www.okippa.life/insurance/
■ OKIPPAアプリ(iOS/Android)
配送会社9社の配送状況表示に対応。OKIPPAに荷物が配送されると、配送完了通知が届きます。
アカウント情報やメールをアプリと連携させると、Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピング、ユニクロなどの通販サイトで購入した商品情報を自動で取得し、配送状況をいつでもすぐに確認することができます。
iOS: https://itunes.apple.com/jp/app/%E8%8D%B7%E7%89%A9%E7%AE%A1%E7%90%86nr/id1334541155?mt=8
Android: https://play.google.com/store/apps/details?id=com.nr_yper
■ 置き配バッグ OKIPPA 製品概要
世界3大デザイン賞受賞のエコバッグ「Shupatto」を開発した生活雑貨メーカー株式会社マーナと共同開発。
品名: OKIPPA(バッグ・専用ロック・内鍵、
専用バンド、取扱説明書他7点セット)
カラー:全3色(オキッパ柄ネイビー、無地カーキ、無地ネイビー)
(オリジナルデザインでのバリエーションあり)
通常販売価格:
「買い切りコース」4,980円(税・送料込み)
材質: 本体/ポリエステル(撥水加工)
耐荷重:13kg
サイズ:バッグ使用時/約70×66cm(容量57L)
折りたたみ時/約13×13cm(厚さ5cm)
■ Yper株式会社について
商号: Yper株式会社
設立: 2017年8月3日
本社住所:〒150-0036 東京都渋谷区南平台町13-15
代表者: 代表取締役 内山智晴
OKIPPA製品公式サイト:https://www.okippa.life/
Yper企業サイト: https://www.yper.co.jp/