エレベーター内サイネージの視聴データ計測や広告の出し分けにより広告価値を最大化
業務提携の背景】
国内のデジタルサイネージ広告市場は、2020年見込の525億円から2026年には1,400億円に伸びると予測*1されており、特にエレベーター内に設置するデジタルサイネージは利用者の注視率も高く、エレベーターの設置箇所や利用者属性に応じた広告配信が可能なため、高い広告効果が期待されています。一方、従来のデジタルサイネージ広告は、放映回数や想定利用者数は把握できるものの、インターネット広告のように“どのような生活者”が“どれだけ見たか”という、より具体的な効果の算出や視聴属性に合わせた適切な広告の配信が難しいという課題がありました。
こうした課題に対して2009年にデジタルサイネージ事業を開始し、「イエナカ(家中)/マチナカ(街中)/ミセナカ(店中)」での情報発信が可能なメディアとコンテンツ制作のノウハウを培ってきたDNPとインターネット広告市場で国内トップシェアのインターネット広告事業で培った広告配信関連の開発力や運用力、デジタルサイネージの効果計測技術の研究開発に強みを持つサイバーエージェントが協業して、エレベーター内サイネージにおける広告配信事業を展開します。
【主な業務提携の特長】
1.「SmartSignage」と「広告配信システム」の連動によるインプレッション広告の実現
DNPの「SmartSignage」とサイバーエージェントのエレベーター内サイネージ向け広告配信システムを接続することで、広告を単に放映した回数ではなく、各広告主がターゲットとする生活者に対する表示回数(インプレッション)を重視した広告配信を実現していきます。広告を届けたいターゲットが利用するエレベーターに向けて、広告主は最適な広告を配信することができます。
2.センシング機能を持ったサイネージとの連動により高い広告効果を実現
今回使用するエレベーター内サイネージは、センサー付きカメラを備え、個人を特定することなく、広告を見ている人の属性や状況を把握するセンシング機能を有しています。これらのセンシングデータの蓄積や分析を行い、広告の効果測定や広告主へのフィードバックに活かすことで、より高い広告効果を実現します。各エレベーターの利用者の数や特性をリアルタイムに計測し、時間帯や設置場所別の利用者の状況を考慮して最適な広告を配信することで、ターゲットユーザーへより効果的・効率的な情報の訴求が期待できます。
3.両社の営業ネットワークを活かした広告商品の販売
多くの企業のインターネット広告を担うサイバーエージェントと、約3万社の顧客企業を有し、販促関連の事業を展開するDNPの強みを掛け合わせて、全国で大規模な広告企画を展開する大手企業のほか、エレベーター内サイネージが設置された地域の地元企業へ、広告商品を提供していきます。
【両社の役割】
〇DNP : 広告配信先のデジタルサイネージ枠の拡大/「SmartSignage」の提供とサイバーエージェントの広告配信システムとの接続/広告の視聴者分析・データ蓄積など
〇サイバーエージェント : 広告配信システムの提供と「SmartSignage」との接続/広告主への効果検証・レポーティングなど
〇両社 : 広告主への営業・販促活動/広告商品の企画・設計など
【今後の展開】
DNPとサイバーエージェントは、今後もエレベーター内サイネージへの広告配信で連携し、デジタルサイネージの拡張、広告配信システムにおける配信ロジックの拡充、広告コンテンツをより細分化して生成する機能などの開発を積極的に進めていきます。また、エレベーター内サイネージだけでなく、DNPが保有するサイネージメディアや新たなデジタル屋外広告(DOOH:Digital Out of Home)メディアにも取り組み、ターゲットとなる生活者への広告訴求効果が高い次世代型DOOHの実現も目指していきます。
*1 (株)富士キメラ総研「デジタルサイネージ市場総調査 2021」(2021年2月12日発刊)
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