〜空間データ活用推進で不動産売買・賃貸事業者の営業活動、空き家対策、製造業の工場研修を中心に3年で売上4倍へ〜
空間データ(*1)活用プラットフォーム「スペースリー」を提供する株式会社スペースリー(東京都渋谷区、代表取締役:森田 博和、以下:当社 )は、既存投資家(DNX Ventures, DBJ Capital, Archetype Ventures)及び個人投資家、日本政策金融公庫の資本性ローンを含む4億円の資金調達を実施したことをお知らせいたします。当社にとって3度目の増資となりますが、DNX Ventures, DBJ Capital, Archetype Venturesの3社には、シード期から当社の技術力と組織力へ高い期待と信頼を寄せていただき、初回・前回に引き続き、すべての既存投資家に追加投資いただく形となりました。
(*1) 空間データとは、空間表現に関わるデータ、写真などの2D画像から動画、360°パノラマコンテンツから3D画像までを含む言葉
■ 事業概要と資金調達の背景
「スペースリー」は、ブラウザやVRデバイスで再生可能な360°VRコンテンツを誰でも手軽に、簡単に制作・編集、活用ができるクラウドソフトウェアです。
単にコンテンツを簡単に制作することを実現するだけではなく、空間データを活用し効果を実感できる産業DXを実現することに重点を置いています。パノラマVR写真撮影のみでの空間内のサイズをAIで推定することや、家具をシュミレーション配置が可能なAI空間設計シミュレータ機能など独自機能を搭載し、不動産売買・賃貸・住宅分野・製造分野における工場研修等で活用が進み、サービス提供開始から5年で7,000以上の利用事業者ユーザーにご活用いただいています。利用事業者には、全体契約の85%以上が現地内見なしを実現した不動産事業者や、地方の空き家バンクに導入したことで申込率の倍増を記録した地方自治体、またリアル内見前に確認できる情報の高精度化により不動産賃貸営業の生産性を向上し、収益の倍増を実現した事例があります。
スペースリーは、市販される様々な360°カメラで取得された360°VR写真の編集・活用が可能なプラットフォームですが、近年、3D化の技術開発は急速に活性化し、その取得方法も、360°カメラでの撮影、今後拡大するLidarセンサーを搭載したiPhoneでの撮影、スマートフォンでの動画撮影からの3Dデータ化など一層手軽に、そして多岐化していくことが見込まれます。また、VRゴーグルのMeta Questの一般市場への普及など今後のデータの活用方法においても拡大が見込まれ、多様な方法で取り込まれた3D空間データをどう産業活用するかの過渡期にあります。
空間データの産業利用の裾野・応用が豊富に広がっていく今だからこそ、業界のニーズを汲んだサービスをユースケースとして事業者が使いやすい形で提案することで、より一層利用事業者の事業成長に貢献する空間データ活用を加速すべく、この度、資金調達をいたしました。
■調達資金の用途
360°VR画像を完全な3DデータにAIを活用し変換することで、これまで以上に現実の内見に近い内見体験をオンラインで提供する、「パノラマ変換3Dプレイヤー」の製品版を2023年にリリースする予定です。
同サービス上では、これまでCGで処理されていたような処理(例えば壁紙を変えたり、床を張り替えてみる)というような空間設計シミュレーションを簡単に行える機能を搭載する予定です。これにより、これまでの労働集約的にされていた仕事を、不動産事業者が自社で容易に制作することが可能になります。
また、日本の住宅市場では新築物件への人気が根強くありますが、近年では、首都圏での中古マンションの成約件数が新築マンションの新規発売戸数を逆転しました(*2)。このような環境の中で、当社プロダクトは中古物件の仕入れ(事業者)や購入検討(一般消費者)の際に価値を発揮します。例えば、地方自治体の運営する空き家バンクへの導入において、問い合わせや成約数が倍増した事例が出てきました。このように当社プロダクトはSDGsの意識の高まりの中で、高い社会性を発揮します。
(*2)参考:既存住宅流通市場の活性化(令和2年3月国土交通省)
※図説明:パノラマ画像から生成された3Dの廿日市リノベ空き家物件のドールハウス
加えて、研修分野では、工場などの空間を360°VRコンテンツ化することで、被研修者は工場にいるかのように工場の作業工程を能動的に追体験でき研修プログラムを効率化し、研修コスト削減(事業者)、習熟度アップ(研修者)を実現してきました。今後、3D化されたコンテンツの中で複数人がリアルタイムでの会話や同時体験が可能なメタバースが注目される中で、研修分野での新たな活用の拡大を実現します。
引き続き技術基盤と顧客ニーズの変化を見据えた研究開発及びプロダクト開発を推進、そして不動産分野に加えて住宅分野、空き家対策含めた地方自治体向けへの展開など事業成長を一層加速するための営業組織の採用拡大及び強化のために資金調達を実施いたしました。これまで3年間で売上5倍以上の成長を続けてきましたが、調達した資金で引き続き効果的な事業投資を続け、今後3年においては売上約4倍を目指します。
■ スペースリーの成長の軌跡
空間データ活用プラットフォーム「スペースリー」は、2016年11月からサービス提供を開始し、後述の参考事例(*3)にあるように、不動産売買・賃貸不動産事業者・住宅・製造業研修などを中心に、7,000以上の利用事業者ユーザーにサービスをご活用いただいてまいりました。
特に、不動産分野においては、オンライン集客が多様化する中で、効率的に画像やVRなどのコンテンツを蓄積、管理、活用することが難しいという課題に対応し、集客や成約率向上に寄与することで、高い評価をいただいています。導入ユーザー数はコロナ禍を通じて倍増し、トップ不動産会社のシェアについては、九州トップ10の90%、関西トップ10の70%、全国トップ100の3割以上のシェアを誇っています。また、広島県全域をはじめとした日本全国の自治体の空き家対策においても活用が拡大しています。2022年6月時点でスペースリーで制作された360°VRの閲覧数は5,000万を超え、直近1年間では従来の1.5倍のペースで360°VRの閲覧数が伸びており、急拡大しています。
また、住宅展示場のVR化など住宅分野においても成長し、研修分野においては製造業では株式会社クボタや大同メタル工業株式会社、金融業では明治安田生命保険相互会社や山梨中央銀行など、様々な業界での導入が進んでいます。特に、製造分野などにおいては「スペースリー研修VR」というサービス名で、eラーニングや座学では習得が難しい研修内容をVRコンテンツ化するサービスを提供しています。教育者の対応時間などの研修コスト削減、習熟度アップなどの効果を出してきたことで、過去1年間は大手製造業からの導入が牽引し、MRR(定期課金額/月)は約2倍に増加しました。
(*3)参考事例
【ViVi不動産株式会社】
1名で月10件の専任媒介獲得を6ヶ月連続達成した不動産VR活用法
https://info.spacely.co.jp/case/vivirealestate_vr/
【株式会社エヌアセット】
VR活用で自社付け率が40%→60%にアップ!賃貸仲介売上1.89倍!
https://info.spacely.co.jp/case/n-asset_vr/
【株式会社クボタ】
農業機械のVR研修コンテンツを国内販売会社5,000名へ配信! 海外展開も視野に
https://info.spacely.co.jp/case/kubota_vr/
【広島県江田島市】
空き家物件への問い合わせ・成約数が昨年比約2倍に
https://info.spacely.co.jp/case/etajima_vr/
■ サービスビジョンの刷新
今後、空間データの活用は益々の拡大が見込まれます。これまで伝わりづらかった魅力やメッセージがもっとスマートに伝わる社会の実現に必須な空間データ活用プラットフォームを目指すため、サービスビジョンを「空間データ活用で『伝わる』をスマートに」と刷新しました。
目指すビジョンの本質は変わっていません。プロダクトの目指す方向性や私達の想いを適切に表現すべく、今回のサービスビジョン刷新に至りました。
■ 投資家からのコメント
DNX Ventures
パートナー 高岡 美緒
Spacelyの高いVR技術を評価し、DNXとしてシード期から投資をさせていただいております。投資以来、不動産業界の住宅分野において順調に市場シェアを拡大し続けており、多数の顧客企業様からは使いやすさに加え、成約率の増加や空室期間の短縮など、事業成長に寄与していると嬉しいお声を直接お聞きすることができました。
今回獲得した資金を活用し、顧客企業様のさらなる事業成長に寄与すべく、新たなプロダクトの展開を予定しています。オンライン・オフラインの世界が融合されていく中、不動産業界において空間データを活用する企業が必ず導入するプラットフォームになるよう、引き続き森田CEOが率いるSpacelyのチームに期待しています。
DBJキャピタル株式会社
シニア・インベストメントマネージャー 磯部 真吾
不動産業界はコロナ禍以前から大きく変化してきた業界。
スペースリーさんはVRデバイスの進化や接客のオンライン化、パノラマ画像よりリッチな3Dコンテンツへの対応など、森田代表と優秀なエンジニアチームが業界・顧客ニーズの変化を先取りした機動的なプロダクト開発を実現されてきました。
不動産業界は事業者や取引規模の裾野が広く他業界に比べるとまだデジタル化の可能性が多くあり、今後もスペースリーさんがその業界変革を牽引されると思い、この度3回目の投資をさせて頂きました。 成熟し安定感がありつつも親しみやすい経営陣とチームメンバーが今後更に躍進されることを期待し、弊社も引き続きサポートさせて頂きます。
Archetype Ventures
Managing Partner 福井 俊平
シード期の数人の段階から現在に至るまでお付き合いをさせて頂き、筋肉質な組織であることにこだわり、その上で成果を着実に積み上げる組織でありつづけていることこそがSpacelyの大きな強みであると思っています。
今後、今まで以上に組織設計や採用が重要になってくるこの段階で、すでにチームとしての強みを有しており、組織編成や新設部署のスピーディーな立上げなども経ている経験値は会社の更なる成長に多分に寄与すると思っており、大きな期待があるからこそ今回、3回目の投資をさせていただきました。
また、そうした組織の強みがあることが、ビジネス面だけでなく開発サイドの採用も後押ししており、今回の「パノラマ変換3Dプレイヤー」のようなSpacelyだから実現できる技術領域を作り出しています。
今後も強い組織と開発力を最大限に活かし、多くの社会課題を解決していってくれることを期待しています。
■ 代表・森田からのコメント
空間データ活用で「伝わる」をスマートに。
4年前のシード期からこれまでの過程を近くで見ていただいている3社VCに引き続きサポートいただけたこと大変嬉しく思います。
今でこそ360度パノラマVRの事業者利用は一般的になりつつあります。5年以上前のサービス開始時は、現在のように事業者の業務効率化や集客力や成約率アップのために利用され、事業者の課題解決に繋がるかどうかは未知数で、大きな挑戦でした。そんな中で、プロダクトを形にして事業者にデモを行い、目の前で驚き笑顔になる姿がとても嬉しく、今でも鮮明に覚えています。そして、新たなユースケース開発を利用者がパートナーとも言える関係で試行錯誤を続け、ここまで利用が広がってきました。課題解決だけにとらわれずに新しい未来を想像し、プロダクトとしてそれを実現していくこの挑戦は、これからも続きますし、これがスペースリーの存在価値だと信じています。
空間データという言葉は、360度パノラマデータや今後はiOSでの活用が見込まれるLidar、その他空間に関わるデータ全般を表現するものです。空間を3Dデータ化する技術は、パノラマ画像からの変換、Lidar、動画からの変換など多岐に渡り、一般の人にとっても身近になる大きな変化の過程にあります。加えて、そのデータを活用する観点でも、メタバースにおける活用など大きな変化が見込まれます。情報伝達方法が変わり、これまで伝わらなかった情報が「伝わる」ことで、人々の生活が変わり、より良い社会になると確信しています。
引き続き、不動産や住宅分野、研修分野への展開が中心にあります。その上で、空間データの活用においてまだまだ未開拓な領域は多く存在しており、可能性は無限にあると考えています。今回の資金調達もきっかけに、切磋琢磨できる優秀なチームメンバーとともに挑戦を続け、スペースリーが未来において社会に必須の「空間データ活用プラットフォーム」となることを目指します。
■ 採用情報
スペースリーでは各職種で一緒に働く仲間を募集しています。ご関心のある方はぜひ当社ブログおよび採用情報をご覧ください。
▼ 採用情報 :https://corp.spacely.co.jp/recruit/
▼ 会社ブログ :https://blog.spacely.co.jp/
▼ テックブログ:https://tech.spacely.co.jp/
■ 株式会社スペースリーについて
空間データ活用プラットフォーム「スペースリー」は、2016年11月の開始以来、不動産・ハウスメーカーの営業活動や製造業の研修分野のDX推進のために7000以上の利用事業者にサービス提供されています。リーズナブルな価格、直感的な操作で、ウェブブラウザ再生可能な高品質のパノラマVRコンテンツを制作・編集・管理、活用までが一括してできるクラウドソフトです。
スペースリーは、業界初の遠隔地でも簡単にVR空間の案内ができる遠隔接客機能や、パノラマVR写真へ家具を自動配置する機能を含むAI空間設計シミュレータ機能をいち早く実現する高い技術力を特徴としています。また、株式会社スペースリーは360°空間データや視線データの活用のためのAI x VRの研究開発を推進するためのSpacely Labを設立・運営しています。
社名 :株式会社スペースリー
URL :https://corp.spacely.co.jp
代表者:代表取締役 森田 博和
資本金:5.1億円(資本準備金含む)
設立年:2013年8月
所在地:[本社] 〒150-0002 東京都渋谷区渋谷3-6-2 第2矢木ビル3F
[福岡営業所] 〒810-0001 福岡市中央区天神2丁目11-1 福岡PARCO新館5F