水曜日, 3月 4, 2026
ホーム調査レポートもはや値上げは不可避!?物価高でマンション修繕費が30年で約2.5倍に

もはや値上げは不可避!?物価高でマンション修繕費が30年で約2.5倍に

物価上昇を織り込む試算では“約15億円規模の差”も

個人向け総合不動産コンサルティング・ホームインスペクション(住宅診断)、マンション管理組合向けコンサルティングを行う“不動産の達人”株式会社さくら事務所(東京都渋谷区/社長:大西倫加)が、管理組合からの相談事例をもとに整理したところ、大規模修繕工事費はこの10年以上、上昇基調が続いており、物価上昇を年3%で想定した場合、30年スパンの修繕費総額は約2.5倍に膨らむ試算となりました。

従来型の長期修繕計画のままでは、将来的に資金不足や急激な積立金の値上げを招く可能性があり、計画の前提そのものを見直す必要性が高まっています。本件に関するお問い合わせ・取材のご依頼がありましたら、お気軽にご連絡ください。

修繕費は10年以上上昇、年3%想定で30年後は約2.5倍に

建築資材価格や人件費の高騰を背景に、マンションの大規模修繕工事費はこの10年以上、上昇基調が続いており、現場でも、直近では過去最高水準に近い単価で見積りが出るケースが増加している。一方で、長期修繕計画は作成当時の前提のまま見直されておらず、物価上昇を織り込めていないマンションも少なくない。実際に、修繕費に物価上昇率を年3%で反映した場合、30年スパンの修繕費総額は約2.5倍に膨らむ試算となる。

※物価上昇率の前提については、総務省の公表データをもとに国は年2%程度を目安としているが、長期修繕計画ではこれに加えて、より保守的に年3%を想定して管理組合と相談のうえ設定するケースが多い。

<事例>

築20年前後・約300戸規模のマンションでは、30年間の修繕費総額を年3%の物価上昇率を見込んで試算したところ、現状ままの総額と比べて約15億円規模の差が生じるケースも。

積立金は「増額ゼロ」がほぼ不可能、管理費は1~2年で再値上げ要請も

長期修繕計画の見直しの現場では、支出削減のみで対応できるケースは少なく、多くのマンションで修繕積立金の引き上げが必要に。物価高の影響により、増額幅も年々大きくなりやすい傾向がある。短期的な負担を優先した「安ければ良い」は、結果的に将来の負担増につながる、本末転倒な結果を招く可能性が高い。一方で、実際の再委託費や人件費の上昇に基づかない“便乗的な値上げ”が含まれていないかを見極める視点も重要となる。

  • 修繕積立金:増額なしで成立するケースはほぼない

  • 管理費:1~2年で再値上げ要請の事例が増加

  • 無理な抑制 ⇒ 管理会社撤退/変更時に結果的に高額化

<事例>

築15年前後・約50戸規模の管理費の値上げを見送ったマンションで、 委託管理会社が契約継続困難と判断。次の管理会社選定時には、従来より約4割高い管理委託費見積もりに。

「5年ごとの見直し」で現実に即した計画へ

物価上昇が常態化する中では、長期修繕計画を“作って終わり”にせず、5年に1回程度の頻度で、物価上昇率を見込んだうえで、実際の工事単価・人件費に合わせて見直すことが現実的な対応策となる。また、修繕積立金だけでなく、管理費や駐車場収入も含め、マンション全体の会計を一体で再設計する視点が今後さらに重要に。

  • 見直し頻度の目安:5年に1回

  • 反映すべき要素:実際の工事単価・人件費

  • 対象会計:修繕積立金+管理費+駐車場収入を一体で検討

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さくら事務所について

株式会社さくら事務所(東京都渋谷区/社長:大西倫加)は、「人と不動産のより幸せな関係を追求し、豊かで美しい社会を次世代に手渡すこと」を理念として活動する、業界初の個人向け総合不動産コンサルティング企業です。1999年、不動産コンサルタント長嶋修が設立。第三者性を堅持した立場から、利害にとらわれない住宅診断(ホームインスペクション)やマンション管理組合向けコンサルティング、不動産購入に関する様々なアドバイスを行う「不動産の達人サービス」を提供、76,000組を超える実績を持っています。

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