火曜日, 1月 27, 2026
ホーム調査レポート金利上昇に直面する住宅ローン世帯の選択 -あなたの家計は、「繰上返済」で安心できる?-

金利上昇に直面する住宅ローン世帯の選択 -あなたの家計は、「繰上返済」で安心できる?-

三井住友トラスト・資産のミライ研究所が住宅ローンについてのアンケート結果を公表

 三井住友信託銀行株式会社が設置している「三井住友トラスト・資産のミライ研究所」(所長:丸岡 知夫)(以下、ミライ研)は、1万人(18歳~69歳)を対象とした独自アンケート調査を2025年1月に実施し、その分析結果を2026年1月に公開しました。

◆ 金利が今後も上昇する場合、住宅ローン返済の見直しを検討する人は7割超

◆ 金利上昇時の対応、「まずは家族と相談」

◆ 金利上昇に備え、44.2%が「(全額・一部)繰上返済」を視野に

◆ 繰上返済を検討する人でも、6割はライフプランの策定が不十分

◆ 60歳代、繰上返済を検討していても約3人に1人は「老後資金の見当がついていない」

 最近、「住宅ローンの金利が上がってきている」というニュースをよく目にするようになりました。実際、日本銀行は2024年から段階的に利上げを進め、私たちの暮らしに身近な住宅ローン金利にも、その影響が少しずつ現れ始めています。

 こうした金利上昇の動きを受けて、特に住宅ローン返済中の世帯はどのように向き合おうとしているのでしょうか。今回のレポートでは、金利上昇という変化に直面した家計がどのような選択をとろうとしているのかを、データから明らかにしていきます。

1.住宅ローン返済の見直しを検討する人は7割超

 現在、住宅ローンを利用している人に、住宅ローン金利が今後も上昇する場合、返済について何らかの変更を検討するかについて確認したところ、「検討する」と回答した人は72.9%と全体の7割を超えました(図表1)。年代別にみると、50歳代を境に「検討する」割合が低下するものの、60歳代でも62.1%が見直しを検討すると回答しました。

【図表1】金利上昇時の住宅ローン返済見直しの検討意向

※回答者:現在、住宅ローンを利用している(返済中の)方 ※年代はアンケート回答時の年齢 (出所)特に出所を示していない場合、三井住友トラスト・資産のミライ研究所「住まいと資産形成に関する意識と実態調査」(2025年)をもとにミライ研作成

 さらに「検討する」と回答した人に、具体的な対応についてお伺いしたところ、最も多かったのは「家族と相談する(36.2%)」で次いで、「一部繰上返済をする(34.9%)」、「返済にどの程度の差が出るか自分で確認する(25.1%)」といった、比較的取り組みやすい行動が続きました(図表2)。一方で、金利タイプの変更や他行への借り換えといった、手続きが煩雑となる対応は、相対的に選択率が低い結果となりました。

【図表2】金利上昇時の具体的な対応(複数回答可)

※回答者:図表1のうち住宅ローンの金利が今後も上昇する場合、住宅ローンの返済について何らかの変更を検討すると回答した方4,787人

2.金利上昇に備え、44.2%が「(全額・一部)繰上返済」を検討

 特に、具体的な対応として「全額繰上返済」と「一部繰上返済」のいずれか、または両方を検討している人(重複を除く)は、44.2%でした(図表3)。20歳代から60歳代まで、各年代で45%前後が繰上返済を検討しており、広く選ばれている選択肢であることがわかりました。

【図表3】「全額繰上返済」と「一部繰上返済」のいずれか、または両方を検討している人

※回答者:図表1のうち住宅ローンの金利が今後も上昇する場合、住宅ローンの返済について何らかの変更を検討すると回答した方 ※年代は、アンケート回答時の年齢

3.繰上返済を検討する人でも、6割はライフプランの策定が不十分

 そこで、繰上返済を検討する層/しない層に分けて、今後のライフプランの策定状況とそれに応じた資金の準備状況を確認しました。すると、「検討する層」では、ライフプランを立てている、ある程度立てている比率が39.0%と、「検討しない層」に比べて9.8ポイント高いことがわかりました(図表4)。ただし、そのうちライフプランに応じた資金準備(もしくはその算段)までできているのは、およそ半数にとどまります。

 一方で、繰上返済を検討する層のうち、36.4%は「ライフプランの策定はどちらともいえない(④)」、24.6%は「ライフプランを立てていない・あまり立てていない(⑤)」と回答しており、およそ6割はライフプランの策定が不十分な状態であることが分かりました。

【図表4】ライフプランの策定とそれに応じた資金準備の状況

※回答者:図表1のうち住宅ローンの金利が今後も上昇する場合、住宅ローンの返済について何らかの変更を検討すると回答した方 ※年代は、アンケート回答時の年齢

 さらに、先ほどの2つのグループ(繰上返済を検討する層/しない層)に、老後資金はどれくらい必要か見当がついているかについてお伺いしたところ、検討する層では75.0%が「見当がついている」と答えており、検討しない層を大きく上回りました(図表5)。

 ただし、「見当がついている」と答える割合は年代が上がるほど低下し、60歳代では“繰上返済を検討する層”でも67.9%にとどまっています。言い換えると、繰上返済を検討する60歳代の約3人に1人(32.1%)は、老後資金として必要な金額の見通しが立っていないことになります。

【図表5】老後資金(*1)の必要額に対する認識状況

※回答者:図表1のうち住宅ローンの金利が今後も上昇する場合、住宅ローンの返済について何らかの変更を検討すると回答した方 ※年代は、アンケート回答時の年齢 *1:老後資金とは、老後を概ね65歳以降のこととしたうえで、公的年金の支給以外に自分で準備しておく金額

 金利上昇が現実のものとなった今、自身の住宅ローン返済がどう変わるのかを知り、どのような選択肢を取りうるのかを考えるタイミングといえます。繰上返済によって元本を減らせば、将来の利息負担を抑える効果が期待できますが、手元の資金が減少します。そのため、金利の動きだけにとらわれず、自身のライフプランとそのために必要な資金準備を踏まえて判断することが求められます。


◆上記の記事に加え、より多くのデータをまとめた資産のミライ研究所のアンケート調査結果 

「住まいと資産形成に関する意識と実態調査」(2025年)より

金利上昇に直面する住宅ローン世帯の選択 -あなたの家計は「繰上返済」で安心できる?-

を資産のミライ研究所のHP(https://mirai.smtb.jp/category/report/3511/)に掲載しています。

ぜひ、ご覧ください。

 

【調査概要】

(1)調査名:「住まいと資産形成に関する意識と実態調査」(2025年)

(2)調査対象:全国の18~69歳 ただし関連業種(金融、調査、マスコミ、広告)従事者を除く

(3)調査方法:WEBアンケート調査

(4)調査時期:2025年1月

(5)サンプルサイズ:6,565

(6)備考:本レポートでは、現在、住宅ローンを利用している方のみを抽出し分析しているため、ウエイトバックは行っていません。過去の住宅ローン関連レポートとはウエイト補正の有無が異なるため、数値に差が出る場合があります

◆記事内容、アンケート結果に関する照会先

三井住友信託銀行 三井住友トラスト・資産のミライ研究所(矢野)

E-MAIL: mirai@smtb.jp

RELATED ARTICLES

返事を書く

あなたのコメントを入力してください。
ここにあなたの名前を入力してください

Most Popular

Recent Comments