地球環境問題解決の鍵を握る“木材活用”を第三者機関が高く評価
株式会社AQ Group(本社:埼玉県さいたま市西区、代表取締役社長:宮沢 俊哉)の純木造8階建て本社ビルがこのほど「木材利用推進コンクール」で国土交通大臣賞を受賞しました。今年3月に完成した日本初※の「純木造8階建てビル」はデザイン面だけでなく、木材活用の観点でも第三者機関から高い評価を得ることができました。木造建築は地球環境問題を解決に導くキーワード。今後も、木造建築企業として経済活動と環境貢献の両輪を邁進してまいります。
木材利用推進コンクールは木材利用推進中央協議会が木材利用促進を目的として、1993年から開催されているコンクール(旧木材利用優良施設等コンクール)です。同コンクールにおいて、AQ Groupの純木造8階建て本社ビルは国土交通大臣賞(優良施設部門)を受賞しました。「構造体すべてが木材で構成されている」、「構造体の現わしが木造らしさをアピールしており、森林資源の有効活用に寄与している」といった評価を得ています。10月25日に行われた授賞式では、木材利用推進コンクール優良施設部門の審査委員長であり、現代木造の第一人者として知られる腰原幹雄氏(東京大学教授)が講評。「今まで木造と言えば3階までの低層だった。しかし耐火性や耐震性の向上により、平屋から高層まで幅広い建物が増えた。従来の木工法を進化させ、格子耐力壁など新しい技術で8階建てビルまで誕生している」と、当本社ビルについても言及していました。
■日本初、純木造8階建て本社ビル
住所:埼玉県さいたま市西区三橋五丁目976番地1
構法:木造軸組工法による耐震構造
面積:延床面積 6,076.52㎡、建築面積909.41㎡、
施工面積:6,165.95㎡(吹抜含)
高さ:最高高さ 30.93m、基準階 階高 3.8m
用途:事務所
新社屋木材使用量:1,695㎥ (国産材率:36.6% )
※日本初
①純木造8階建の耐震工法(免振装置を使わない)
②構造体を木のあらわしで使用している面積割合
③工期最短:6,000㎡超えの純木造で17ヵ月
④価格最小:これまでの木造ビル建設費の1/2の費用(坪145万円)
AQ Group調べ
SDGsの観点から「地球温暖化防止」や「持続可能な森林管理」が求められています。日本は2050年カーボンニュートラルを目指し、二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスの「排出量」 から植林、森林管理などによる「吸収削減する目標を国連に提出しています。
AQ Group本社ビルの炭素貯蔵量は1,444t-CO2で、一般木造住宅に換算すると95棟分。CO2排出量削減は、鉄筋コンクリート造と比較すると43%削減と算出されます。また、普及に向けて大きな課題として挙げられる建築費は坪単価145万円。この坪単価は大手ゼネコンによる先導的な木造ビルの約1/2、鉄骨鉄筋コンクリート造の約3/4であり、大幅に建築費を抑えられることを実証しています。
20年超に渡り木造建築の可能性に挑戦
技術開発過程で5つの大臣賞を含む多彩なアワード獲得
AQ Groupの木造建築における技術開発、研究投資は20年以上前から始まりました。木造建築普及を見据えた最初のプロトタイプが、2016年に誕生した純木造オフィスビル「埼玉北支店」。続いて、2018年には特殊な金物を使わずに広大な無柱空間を実現させた純木造オフィスビル「つくば支店」と、新素材CLTを先導的に導入し、実用化に向けた実証実験として建築されたモデルハウス「港北展示場」を立て続けに発表しています。また、耐風実物実験、実物大倒壊実験のほか、アメリカで行われた10階建て木造ビル振動実験に参画するなど、研究投資を重ねた結果、2022年には純木造5階建てモデルハウス「川崎展示場」が竣工しました。各建築物はウッドデザイン賞やグッドデザイン賞など複数のアワードを受賞しています。
大臣賞に関しては、今回の「木材利用推進コンクール」国土交通大臣賞受賞により、AQ Group通算で5度目となります。1995年には住宅建設コストを従来の約2分の1にまで削減する提案で、高い技術力やノウハウが認められ、建設大臣賞を受賞。2005年には全国展開工務店ネットワーク内でのIT活用や、顧客動向情報、住宅契約状況、販促資料などの共有化による迅速で正確な会員サポートで業界の情報化に貢献したとして経済産業大臣賞を受賞しました。2020年には間伐材を活用した「木のストロー」の普及活動が評価され、「第29回地球環境大賞」農林水産大臣賞を獲得。さらに昨年2023年には木造軸組工法による住宅、建築物等の品質の向上と普及啓発に積極的に尽力し、国民の住生活工場に資する木造住宅の普及・発展に寄与した功績から「建設事業関係功労者等大臣表彰」において国土交通大臣賞を受賞しています。
2024年3月に竣工した純木造8階建て本社ビルはまさに、20年超に渡る技術開発の結晶といえる建築物。今回の「木材利用推進コンクール」国土交通大臣賞受賞により、5月に受賞した一般社団法人石膏ボード工業会「建築賞」、10月に発表されたウッドデザイン賞2024に続く3つ目のタイトルを獲得したことになります。
環境問題解決の糸口として
世界中で“木造建築”への注目が高まる
気候変動対策やカーボンニュートラル実現は、地球環境における世界規模の課題です。解決の糸口として期待されるのが、建築物の木造化や木質化。中大規模木造建築への移行は現在、欧米を中心にトレンドとなっています。
日本は国土の約70%が森林であり、世界でもトップクラスの森林国。法隆寺などに見られるように、木造建築はかつて日本の真骨頂でした。しかし、1923年の関東大震災や1959年の伊勢湾台風により木造建築は大きな被害を受け、日本の建築物は木造から鉄・コンクリートに切り替わっていきました。そこから環境問題が顕著になり、木造建築における研究や法整備なども再スタート。100年の時を経て、再び木造建築は注目されています。
この潮流を捉えるAQ Groupはまず、日本国内での木造建築普及に注視。AQ Groupが手掛ける住宅ブランド「AQURA HOME」、「AQレジデンス」、「AQ HAUS」だけでなく、木造マンションシリーズなどの中大規模木造も続々と着工しています。さらに現在、木造建築の復興を志す地域工務店や中小ゼネコンを対象に「アキュラホームFC」、ボランタリーチェーン「AQビルダー」、中大規模木造を手掛ける「AQフォレスト」というカテゴリーで加盟店を募集。AQ Groupと加盟店を合わせた「フォレストビルダーズ」を組織しました。フォレストビルダーズは2026年までに全国展開し、2028年には年間15,000戸の施工を実現させ、日本一の木造建築集団を目指します。フォレストビルダーズが拡大すれば、間伐材の利活用や森林循環が加速するため「経済活動=環境貢献」が実現すると考えています。この仕組みを日本のみならず世界に広めていくことこそが、AQ Groupのビジョンです。