木曜日, 10月 24, 2024
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【マンション建て替え】1戸2,000万円負担での実現性は、関東0.7%・関西0.3%/地方はより困難に

株式会社スマート修繕(本社:東京都港区、以下スマート修繕)では、関東・関西で、マンションの建て替えにかかるコストを試算。その結果、マンション建て替えを巡る厳しい現状が浮き彫りになりました。

ディー・エヌ・エー(DeNA)グループで、マンション/ビル/工場などの大型建物の修繕工事などのDXサービスを提供するスマート修繕では、2024年10月23日、旭化成不動産レジデンス株式会社マンション建替え研究所長の重水丈人様をゲストスピーカーにお迎えして「老朽化したマンションの建て替えに関する勉強会」を開催。それに先立ち、関東・関西にある分譲マンションにおける建て替え実現の可能性を試算しました。

◆国内人気エリアの関東・関西でも、戸あたり2,000万円の負担で建て替えができるマンションはわずか

試算の結果、一戸当たり2,000万円を負担しても建て替えが可能なのは、

●東京・神奈川・埼玉・千葉・茨城・栃木・群馬を含む関東では0.7%

●大阪・京都・兵庫・奈良・滋賀・和歌山・三重を含む関西では0.3%

にとどまりました。

関東・関西以外の地域では土地の坪単価が低いため、マンションの建て替え後の価値よりも、建て替えにかかる経費が上回る可能性があります。そのため、地方でのマンション建て替えはより困難になる見通しです。

※負担額について

・『同じ場所で、同じ大きさのマンションを建て替えるための戸あたりの諸費用(解体、新築、一時引越し、各種申請等)と、容積の増減、中古→新築となることによる価値の向上を鑑みたもの』となります。  

※極々稀に負担額マイナスとなる(つまり得をする)ケースもあります。

◎計算式は下記の通りです。

戸あたりの ①解体/新築/販売等々にかかる費用 -(②建替後建物の経済的価値 - ③既存建物の経済的価値)

①解体/新築/販売等々にかかる費用の計算においては、

 ①-1 既存建物の推定解体費用  

 ①-2 建替後建物の推定新築費用  

 ①-3 建替後建物の販売費用等々の推定諸費用

②建替後建物の経済的価値の計算においては、 

 ②-1 建替後建物の推定専有面積(※後述)

 ②-2 建替後建物の推定流通単価

③既存建物の経済的価値の計算においては、 

 ③-1 既存建物の推定専有面積  

 ③-2 既存建物の推定流通単価 

を加味しております。

※②-1について  建替後建物の推定専有面積の計算においては、推定の敷地面積、建物面積、延床面積、階数、建ぺい率、用途地域毎の各種係数、前面道路幅員、特定道路からの距離等々をベースにしております。 防火地域、日影規制、斜線制限、総合設計、行政との個別協議は考慮できておりません。 ※計算に使用する 各種の膨大なデータは、 多数のルートから調達したもの(一部データは今回「スマート建替」向けに作成いただいたもの、 AIで数値化したもの)、一部データは自社で作成したものとなります。 

◆大きく膨らむ建て替えの費用と、進む国内マンションの老朽化

国土交通省によれば2017年~2021年のマンション建て替えの負担額平均は1,941万円ですが、今回の試算では、それを上回った金額でもなお建て替えは困難であるということがわかりました。

費用が膨らむ原因の一つが、近年の建築資材や人件費高騰の影響です。旭化成不動産レジデンス株式会社マンション建て替え研究所長の重水丈人氏は、スマート修繕の勉強会の中で「肌感覚だが、工事費用は、5年前と比較しても倍近くまで値上がりしていると感じる」と近年の値上がり傾向を実感として話していました。

一方、国内のマンションの老朽化は進み、築40年を超えるいわゆる「高経年マンション」は、2023年末で136.9万戸、そのうち建て替えが実現した実績は、2024年4月1日時点の累計でわずか297件(約24,000戸)です。今後、高経年マンションの数は右肩上がりに増え、20年後の2043年には463.8万戸にのぼると予想されています。(国土交通省 令和6年「築40年以上のマンションストック数の推移」/「マンション建替え等の実施状況」より)

マンションの老朽化が進むと、マンションそのものの資産価値の低下だけではなく、住環境や安全性が悪化し、マンションの周辺環境にも悪影響を及ぼす可能性があります。マンションの維持管理は社会的も重要な課題と言えますが、マンションの「建て替え」は所有者にとって負担が大きいことが、今回の試算からも読み取れます。そうなると「修繕」を繰り返し、建物の寿命を延ばすことが最適解となります。

老朽化した建物を「建て替える」のか「修繕する」のか、その判断は何を根拠にしたらよいのでしょうか。

◆建物再生の羅針盤に!「スマート建替」

スマート修繕では、老朽化マンションの適正な維持、再生という社会課題の解決に向け、マンションの建替経済性を可視化するサービス「スマート建替」を、現在、東京・赤坂限定でリリースしています。

スマート建替イメージ

サービスサイト内の地図上にある各マンションアイコンををクリックすることで、そのマンションを建て替えた場合の負担度が分かる無料のサービスです。特定のマンションを調べたい場合は、検索窓からピンポイントでお調べいただくことも可能です。

現在サービスサイトを一部公開し、各種情報提供(随時、追加予定)や建て替え / 修繕などの相談を受け付けています。

●サービスサイトはこちら → https://tatekae.smart-shuzen.jp/

◆スマート修繕について

マンションやビルなど大型建物の大規模修繕など共用部工事の見積、工事支援サービス。専門家による伴走とデータドリブンなアプローチにより、適正な工事、大幅なコストダウンを実現しています。また、建物の劣化状況の調査、修繕工事の要否を診断する「工事ありきでない」建物診断のサービスも行っております。専門家がお客様に伴走し、事業者探しからご契約(大規模修繕工事においては工事中の品質チェック)に至るまで一貫してサポートします。

このサービスは、代表の豊田が自身マンションの理事長を2年間つとめた際に感じた問題意識を背景に立ち上げました。専門知識のないマンション管理組合や不動産オーナーなどの発注者(ユーザー)が、業界の事情に左右されることなく、フェアに取引できることを目指しています。

(サービスサイト)https://smart-shuzen.jp

(オウンドメディア)https://smart-shuzen.jp/media

■お問い合わせ
(問合せフォーム)https://smart-shuzen.jp/#contact
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