日曜日, 12月 22, 2024
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「YKK AP環境報告書 2024」発行

自社CO2排出量33%削減、アルミ市中リサイクル材活用や樹脂窓リサイクルの取り組み強化へ

 YKK AP株式会社(本社:東京都千代田区、社長:魚津 彰)は、「YKK AP環境報告書 2024」を発行しましたので、お知らせします。「第6次中期環境事業計画」(2021~2024年度)の3年目となる2023年度、環境経営方針で掲げる「気候変動」「資源循環」「水」「生物多様性」の4つの環境課題に取り組み、2013年度比で自社CO2排出量33%削減、水使用量34%削減など重点テーマで計画を達成しました。詳細は弊社ウェブサイトに掲載しています。

 サイトURL:https://www.ykkapglobal.com/ja/sustainability/environment/report/

2023年度 環境活動のポイント

【1】気候変動

 ・高断熱窓の販売による使用時のCO2削減貢献量2020年度比173%を達成[①]

 ・自社CO2排出量(スコープ1+2)を2013年度比33%削減[②]

【2】資源循環

 ・廃棄物排出量を2016年度比15%削減[③]

 ・廃棄物原単位(※1)2016年度比35%削減[③]

【3】水

 ・水使用量を2013年度比34%削減[③]

【4】生物多様性

 ・社会貢献活動実施件数153件[②]

①YKK APグループ(国内)、②YKK APグループ(国内+海外)、③YKK APグループ(国内+海外製造拠点)

※1:売上高当たりの廃棄物排出量

■ 2023年度の主な取り組みと成果

2023年度はカーボンニュートラル、サーキュラーエコノミーの実現に向けて、脱炭素・循環型社会の促進、環境配慮商品の拡販など、環境負荷低減と気候変動の緩和と適応に貢献する取り組みを強化しました。

【1】気候変動

高断熱窓は、従来のアルミ窓に比べて窓からの熱の出⼊りを抑えることができるため、空調使用時のCO2排出量削減に貢献できます。YKK APでは、住宅モデル家一棟あたりのアルミ窓(複層ガラス)のエネルギー消費量を100とした場合の断熱効果に各年度の販売数を乗ずることにより「CO2削減貢献量」を算出しており、2023年度は2020年度比で173%を達成しました。

スコープ1+2では、年率1.3%以上の省エネ、燃料転換、自社敷地内への自家消費型再生可能エネルギーの導⼊を主軸とした対策を推進し、これまで国内外9拠点に合計9,800kW(前年比約1.5倍)の太陽光発電・小水力発電を導入しました(2023年度は年間5,400tのCO2削減に相当)。これらの取り組みにより2023年度の計画を達成するとともに、経済産業省資源エネルギー庁が実施する省エネ法(※2)に基づく「事業者クラス分け評価制度」(2023年度提出分)において、本制度が創設された2016年度から9年連続で最高評価の優良事業者(Sクラス)を取得しました。スコープ3では、アルミ再生地金の利用率を高め、物流の効率化や生産性向上に取り組むことで、2023年度は2013年度比で14%削減しました。

※2:エネルギーの使用の合理化及び非化石エネルギーへの転換等に関する法律

【2】資源循環

国内製造拠点でのリサイクル率100%を継続し、工場から排出する廃棄物のゼロエミッション(※3)を2005年度から19年連続で達成しました。商品への再生材活用については、製造過程で生じるアルミ端材(社内リターン材)を素材として再利用する社内品リサイクル率はすでに100%を達成。2023年9月に、四国製造所においてYKK APで初となるアルミリサイクル炉の稼働を開始し、2023年度のアルミの社外品リサイクル率は33%を達成しました。製造工程で発生する樹脂端材の社内品リサイクル率(※4)は、2023年度末の時点で45%まで向上しました。

四国製造所 リサイクル炉

※3:YKK APの定義「事業活動に伴って発生する排出物のリサイクル率を97%以上にすること」

※4:樹脂社内発生端材の社内での再利用率

【3】水

2023年度は工業用水の受け入れ量の見直しや洗浄水の多段利用、配管更新による漏洩対策などを実施し、水使用量で2013年度比34%、水原単位で51%の削減となり、計画を大幅に達成することができました。

水使用量の推移

【4】生物多様性

国内外の各拠点で植樹による緑化活動を行うなど、地域のニーズに応じた社会貢献に取り組みました。

【第6次中期環境事業計画 主要テーマの到達目標と実績】

達成度・・・◎:計画以上 ○:計画通り △:一部未達(>90%) ×:未達

①YKK APグループ(国内)、②YKK APグループ(国内+海外)、③YKK APグループ(国内+海外製造拠点)

※5:出荷高当たりのエネルギー使用量 

※6:売上高当たりの水使用量

■ 今後の展望

2050年のあるべき姿「事業活動におけるライフサイクル全体を通して“環境負荷ゼロ”を実現」に向けて、2024年度の中期到達目標を確実に達成していきます。また、カーボンニュートラル、サーキュラーエコノミー実現に向けて今後もESG、SDGsなど社会が目指す方向性を踏まえた環境政策をさらに深化させ、持続可能な社会に貢献する取り組みを推進していきます。特に今後取り組みを強化する「気候変動」「資源循環」について、下記に紹介します。

【1】気候変動

「商品」では、トリプルガラス仕様でトップクラスの断熱性能を持つ木製窓「APW 651」大開口スライディングを2024年7月に発売。ビル用の高断熱商品となるアルミ樹脂複合窓「EXIMA 55」も2024年9月に発売を予定しています。このように戸建住宅やマンションなどにおいても高断熱窓を拡充することで、「CO2削減貢献量」を2024年度は2020年度比216%の達成を目指します。

「モノづくり」では、オンサイト型太陽光発電エネルギーサービスの新たなスキームとなる「発電余剰電力融通型オンサイトPPA」の運用を2024年5月に開始しました。埼玉工場新建屋で発電される再エネ電力を、YKK APの別の2施設(埼玉工場旧建屋・埼玉窓工場)へも託送供給し活用することより再エネ電力使用比率を高めることができ、初年度で約117万kWh/年、CO2排出量削減効果は512tとなる見込みです。YKK AP全体では、今後の更なる再生可能エネルギー拡大に合わせて、複数拠点間での余剰電力の融通や蓄電池の活用により再生可能エネルギーの最大限活用を推進するとともに、製造時の省エネやプロセス転換に引き続き取り組むことで、2024年度に「自社CO2排出量を2013年度比36%削減」を目指します。今後も商品とモノづくりそれぞれにおいて、カーボンニュートラルに向けた技術開発を強化していきます。

埼玉工場新建屋の太陽光発電

【2】資源循環

廃棄物排出量については、廃棄物の状態・排出状況を検証し、混合廃棄物を選別する等、ひと手間かけて有価物化することに引き続き取り組み、更なる廃棄物排出量抑制に努めていきます。

商品への再生材活用については、アルミの市中リサイクル材の投入を増やすため、今後、黒部製造所・東北製造所・九州製造所においてもアルミ鋳造設備の再構築とリサイクル炉の導入を進める方針であり、2024年度はアルミの社外品リサイクル率41%、2030年度には100%達成を目指します。樹脂端材の社内品リサイクル率は、2024年度中に100%を目指します。また、YKK APが委員として参画する「樹脂窓リサイクル検討委員会」では、使用済み樹脂窓を回収・リサイクルするシステムの構築に向けて、産官学連携での取り組みを進めています。2024年1月には、同会にて「樹脂窓リサイクルビジョン」を発表し、このビジョンを受けて樹脂窓メーカーとして主体的に樹脂窓リサイクルの取り組みを加速させ、他社製品も含めた使用済み樹脂窓由来の再生原料を使用した”マドtoマド”リサイクルによる商品の2024年度中の実用化を目指します。

<参考情報①>

アルミリサイクルをテーマに、市中リサイクル材活用に向けたリサイクル炉導入や、産学連携の技術開発に向けた研究への取り組みを紹介しています。

カーボンニュートラル実現に向けて

―― 窓メーカーによるアルミリサイクル率100%への挑戦

https://www.ykkapglobal.com/ja/stories/20240206

<参考情報②>

産官学連携による使用済み樹脂窓を回収・リサイクルするシステムの構築に向けての取り組みを紹介しています。

STOP!使用済み樹脂窓の埋立処分。

産官学連携による「樹脂窓リサイクルビジョン」の発信と“マドtoマド”リサイクルへの挑戦

https://www.ykkapglobal.com/ja/stories/20240109

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