2024年4~6月期の中古住宅価格は引き続き上昇、需要は底堅く市場は安定的に推移
(公社)近畿圏不動産流通機構が7月18日に発表した2024年4~6月期の近畿圏の中古マンション成約件数は、4,183件(前年同期比プラス3.2%)と3期連続で増加し、市場の売り出し(新規登録)件数は16,779件(前年同期比プラス6.2%)となりました。近畿圏の対象12地域中4地域で成約件数が増加し、大阪市は2ケタの高い伸びが続きました。
中古マンションの平均成約価格は、3,023万円(前年同期比プラス11.5%)と16期連続で上昇し、新規登録価格は2,808万円(前年同期比プラス0.4%)となりました。対象12地域中11地域で成約価格が上昇し、最も高い大阪市は3,853万円と15年10~12月期から35期連続で前年同期を上回りました。
中古戸建住宅の成約件数は、2,841件(前年同期比プラス3.3%)と6期連続で増加し、売り出し(新規登録)件数は11,134件(前年同期比プラス7.3%)となりました。対象12地域中8地域で成約件数が増加し、大阪府北部や滋賀県は2ケタ増となり、大阪市は8期連続で前年同期を上回りました。
中古戸建住宅の成約価格は2,333万円(前年同期比プラス2.8%)と15期連続で上昇し、新規登録価格は2,626万円(前年同期比マイナス1.1%)となりました。対象12地域中9地域が前年比で上昇し、大阪市は7期連続、京都市は6期連続で上昇し、価格水準の高い両市の中古戸建住宅市場は堅調に推移しています。
中古住宅市場の売り圧力は依然として強いものの、取引が増加する中で成約価格の上昇は続いており、相対的に高額な物件を求める需要は底堅く推移してます。日銀は短期金利の利上げなど政策変更を模索していますが、実質賃金がプラスに転じるまで金融引き締めは緩やかに進行すると考えられ、中古住宅市場への影響は限定的とみられます。市場の売り圧力も低下する兆しがあり、高額物件を中心に需要は底堅く、中古住宅市場は当面、安定的に推移すると予想されます。