警視庁と連携し、シニア入居者の特殊詐欺被害を未然に防ぐ取り組み~「警視庁特殊詐欺被害防止アドバイザー」を受嘱し継続的な啓発活動を開始~
旭化成ホームズ株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:川畑 文俊)は、運営する元気なシニア向け賃貸住宅「へーベルVillage(ヴィレッジ)」について、24年4月に「ヘーベルVillage」を管理する当社社員11名が警視庁による特殊詐欺防止アドバイザーを受嘱したこと、および警察官による特殊詐欺被害防止セミナーなどの啓発活動を今後既存物件から新規開設物件まで順次実施することとしましたのでお知らせします。
「ヘーベルVillage」の入居者は、全国の特殊詐欺被害の8割弱を占めるとされる65歳以上の高齢者と同年代です。トライアル実施で好評であったセミナー開催など、啓発活動の継続によって入居者本人の警戒意識の醸成および入居者同士での注意喚起などを通じて被害を未然に防止し、安心・安全な暮らしをサポートしてまいります。
■警察官による特殊詐欺被害防止セミナー(2024年1月に3物件でトライアル実施)
セミナーでは、地域の特殊詐欺被害件数や被害のケーススタディを通じて、騙しの常套文句や被害リスクを知り、常に「騙されるかも」という当事者意識を持つこと、特殊詐欺の8割以上が固定電話からの接触であることから、知らない番号にはでないこと、通話録音機の無償提供などのアドバイスがありました。
【参加者の声】
・電力会社を名乗る自動音声アンケートが頻繁に来ていたことを相談出来て安心しました
・自分の居住地域で52件/年も振り込め詐欺被害があったことに驚きました
・警察官から直接、特殊詐欺被害防止の説明を聞けるとのことで参加しました
【警察官の声】
・特殊詐欺被害防止活動の良い機会をもらいました。高齢者専用マンションだと認知できました
今回の特殊詐欺被害防止の話題をきっかけに、入居者自らが地域の防災情報のチラシを準備して入居者に情報提供をする、「オレオレ詐欺電話を受けたことがある」という自らの実体験を入居者間で共有する、など入居者同士で注意喚起をし合い交流する姿がありました。今後は、各ヘーベルVillage共用ラウンジにおいて入居者同士の交流のきっかけづくりを目的に年2回開催している茶話会のひとつとして、警察官による特殊詐欺被害防止セミナーを実施し、入居者への啓発活動を継続してまいります。
■共用ラウンジのサイネージを活用した特殊詐欺被害防止動画の放映
「ヘーベルVillage」の共用ラウンジに設置されているサイネージを活用し、警視庁提供の特殊詐欺被害防止動画の放映を始めています。その他、相談員によるお声掛けや掲示版へのチラシの掲示などの活動を実施します。
■特殊詐欺被害防止に向けた取り組み開始の背景
当社では、早くから元気な高齢者の住み替えニーズに着目し、2005年よりシニア向け賃貸住宅「へーベルVillage」を提供してきました。またシニア入居者の生活の安心・安全を実現するため、独自の防犯環境設計指針を採用して主に侵入被害に対する建物側の防犯対策を実施しています。
一方、近年オレオレ詐欺や還付金詐欺に代表される特殊詐欺は手口を変えながら巧妙化し、警視庁の特殊詐欺関連統計によると、2023年の特殊詐欺被害の認知件数は19,033件、被害額は441億となっています。うち、東京都の被害件数は全国トップであり、認知件数は2,918件と前年より減少した一方、被害金額は81.5億と増加(図1)しており深刻な社会問題となっています。なかでも特殊詐欺被害者の81.7%が70歳以上の高齢者(図2)です。
※警視庁犯罪抑止対策本部 「令和5年における特殊詐欺の状況について」より作成
「ヘーベルVillage」の入居者は70歳以上の高齢者が85%と特殊詐欺被害者層と合致します。また、特殊詐欺は建物防犯での防止が難しい面もあります。今回、警視庁と連携して特殊詐欺被害防止セミナーを実施することで、入居者が特殊詐欺被害を自分事としてとらえ、入居者同士での注意喚起を促進する効果を期待しています。さらに「ヘーベルVillage」の管理運営を行う当社社員が、「警視庁詐欺被害防止アドバイザー」を取得することで、管理を通じた日常のコミュニケーションにおいても特殊詐欺被害防止の啓発につながると考えました。
今後も「へーベルVillage」の運営を通じ、高齢者が健康長寿でいられる住まいを提供することで、健康寿命の延伸と社会保障費の抑制など超高齢社会における課題解決に貢献してまいります。
≪ご参考:シニア向け安心賃貸住宅「ヘーベルVillage」について≫
シニア向け安心賃貸住宅「へーベルVillage」は、介護施設とは異なり主に自立~フレイルの高齢者を対象とした自由で自立した生活を応援する「住まい」です。自立~フレイル期の高齢者を入居対象とした「ヘーベルVillage」では、入居者の日常生活の健康行動(活動量・食事・交流)(図3)に着目しています。入居者自らが自由に外出を楽しみ、食材選びや料理を続け、入居者同士で交流を持ってほしいとの思いから、食堂と常駐スタッフを配置せず、日々の暮らしを自己決定できる運営としました。また、自立~フレイル期の高齢者のための安心・安全でかつ健康長寿を実現する「住環境」と「サービス」を提供しています。入居者の平均年齢は77歳で、介護保険認定を受けていない方が81%と健常者の割合が高いことも特徴です。
おかげさまで対象となる元気な高齢者世帯だけでなく、都市部に住む子世帯からの呼び寄せニーズにも合致し、2024年3月末時点で東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県に161棟2,070戸を運営しています。