学校法人東京農業大学(東京都世田谷区、理事長:江口 文陽)と住友林業株式会社(本社:東京都千代田区、社長:光吉 敏郎)は5月13日、東京農業大学 学生寮「青雲寮(せいうんりょう)」の地鎮祭を行いました。東京農業大学が所有する奥多摩演習林の国産材を活用した木造3階建ての準耐火構造建築です。住友林業株式会社が設計・施工し、2025年1月末に竣工、2025年2月以降で環境が整い次第、学生の入寮を予定しています。居住者の健康に寄与し、環境にも配慮した木造の学生寮です。
■特長
①学生の心身の健康を支える、木を活かした空間
木がもつ心理的ストレスの緩和効果や調湿・抗菌作用は空間の快適性を高め、居住者の心身の健康に好影響を与えます。「青雲寮」には東京農業大学 農友会 陸上競技部の学生が入寮する予定です。農友会 陸上競技部の長距離ブロック(男子)はこれまで東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)に通算70回出場を経験。2024年には10年振りの出場を果たすなど競技力向上に努めています。木の特性を活かして心身ともに安らげる快適な空間をつくり、学生がパフォーマンスを最大限に発揮できるようサポートします。
②国産材・東京農業大学の奥多摩演習林を活用して地産地消
本施設は東京農業大学が所有する奥多摩演習林の木材56.5㎥を含む国産材123㎥を使用し、地産地消に貢献しています。学生が林業の研究や実習で利用している演習林のスギは、食堂の梁・柱や、階段、カウンターなどに使用。直接見たり触れたりして体感できる学びの場として活用していきます。
③炭素を固定する木造建築で脱炭素化に貢献
OneClickLCA※1を用いて建てるときのCO2排出量(エンボディドカーボン)を見える化し、よりCO2排出量の少ない部材を選択しています。純木造とすることで木材使用量を増やし、建物全体での炭素固定量を増加させて、脱炭素社会に貢献します。
木材使用量: 348㎥ (国産材123㎥)
炭素固定量: 316.874トンCO2e bio(CO2ベース)
林野庁ガイドライン※2で40年生のスギ約1041本の炭素固定量に相当
※1. 住友林業が日本単独代理店契約を結ぶ、建物の一生涯にわたるCO2排出量(エンボディドカーボン)を見える化するソフトウェア。世界140か国で利用しています。国際規格ISOや欧州規格に準拠し、LEEDなど60以上の世界のグリーンビルディング認証に適合。
※2. 建築物に利用した木材に係る炭素貯蔵量の表示に関するガイドライン
■江口理事長コメント
東京農業大学の学生が居住する「青雲寮」の工事が始まります。竣工後は農友会陸上競技部男子長距離ブロックが箱根駅伝等への出場を目指して有効活用します。木造での建築に拘ったのは、木材による心理的ストレスの緩和や空間の快適性向上で、学生が心身の健康に考慮して競技パフォーマンスを最大限に発揮でき、木の炭素固定効果で脱炭素社会にも貢献できるためです。
■物件概要
工事名称 : 東京農業大学青雲寮(男子陸上部寮) 建設工事
所在地 : 東京都世田谷区桜丘3丁目9-37
敷地面積 : 3,798.53㎡
延床面積 : 1,250.39㎡(378.24坪)※駐輪場含む
構造・階数 : 木造(準耐火)・3階建
用途 : 寄宿舎・寮生52人収容/2人部屋
着工 : 2024年1月
竣工(予定) : 2025年1月
利用開始(予定): 2025年2月
■学校法人東京農業大学概要
理事長 : 江口 文陽
創 立 : 1891年
設置校 : 2大学、3高校、3中学校、1小学校
学生生徒総数 : 約20,000人
住友林業グループは森林経営から木材建材の製造・流通、戸建住宅・中大規模木造建築の請負や不動産開発、木質バイオマス発電まで「木」を軸とした事業をグローバルに展開しています。2030年までの長期ビジョン「Mission TREEING 2030」では住友林業のバリューチェーン「ウッドサイクル」を回すことで、森林のCO2吸収量を増やし、木造建築の普及で炭素を長期にわたり固定し、社会全体の脱炭素に貢献することを目指しています。今後も非住宅建築分野での木造化・木質化を推進し、木の魅力を最大限に生かした付加価値の高い商品・サービスを提供していきます。