日曜日, 12月 22, 2024
ホームその他国土交通省 国総研(こくそうけん)が解説!   Webサイト『木造住宅を建てる前に確認しておきたい7つのポイント』を公表しました。

国土交通省 国総研(こくそうけん)が解説!   Webサイト『木造住宅を建てる前に確認しておきたい7つのポイント』を公表しました。

安全性、耐久性、省エネ性等の重要な性能を確保し、健康的で快適な木造住宅を建設するため、住まい手が事前に確認しておきたい重要な項目を7つに絞り、公的な立場からQ&A形式にて分かりやすく解説しています。

自然災害に強く、夏 涼しく、冬 暖かく、省エネで、快適で健康的な住まいを末永く!

木造住宅を建てる前に確認しておきたい7つのポイント

 建設後のトラブルを未然に防ぐには、数多くの専門的な知識が必要なため、専門家である住宅会社などに全て任せれば良いと考えがちです。しかし、各々の住宅会社により専門知識や施工技術に著しい差があり、選択した住宅会社によっては、問題が生じるリスクも考えられます。

 このため、私ども国総研 建築研究部(国土交通省 国土技術政策総合研究所)では、既往の研究成果の中から、住まい手にとって具体的に役立つ技術情報を選び、Q&A形式で分かりやすく解説しました。

  ご不明な点がありましたら、Webサイトの問い合わせ先からご質問をお願いします。

 

本Webサイトでは、以下の項目について解説しています。

 1. 建設予定地の自然災害リスク

 2. 候補となる住宅の基本性能

 3. 雨漏り防止対策

 4. 外壁内の耐久性の確保

 5. 省エネで健康的な室内環境

 6. サッシの種類と特徴

 7. 助成制度によるお得情報

各項目の主な概要は、以下の通りとなります。

1.建設予定地の自然災害リスク

 我が国は、四季折々の自然を享受できる美しい国ですが、その一方で、地震、津波、台風、洪水、高潮、土砂崩れ、雪害など、数多くの災害が頻繁に発生しています。これらの自然災害による被害を最小限にし、生命・財産や暮らしを守るためには、各省庁や地方公共団体によるハザードマップにより自然災害のリスクを把握し、建設地を選定したり、災害のリスクに対応した住宅を計画したりすることが極めて重要です。ここでは、これらの情報への利用方法や対応方法について解説しています。

関東地方の重ねるハザードマップ

引用:国土交通省 水管理・国土保全局 防災課、国土地理院 応用地理部 地理情報処理課

2.候補となる住宅の基本性能

 住宅の性能を測るものさしとして、住宅品確法(住宅の品質確保の促進等に関する法律)により規定されている『住宅性能表示制度』がありますが、必須項目として「1.構造の安定に関すること」「3.劣化の軽減に関すること」「4.維持管理・更新に関すること」「5.温熱環境・エネルギー消費量に関すること」の4分野があります。これらの等級に対して、候補予定の住宅が、実現可能であるか否かを事前に把握することを推奨します。

熊本地震被害と耐震等級

引用:「熊本地震における建築物被害の原因分析を行う委員会」報告書のポイント、国土交通省 住宅局

耐震等級3の大破、倒壊がありません。

3.雨漏り防止対策

 国土交通省住宅局の資料によると、住宅瑕疵担保保険の保険事故(結露は対象外)の9割以上は、雨水浸入を要因としています。木造住宅の場合、雨水浸入や結露等により住宅内に使用されている柱や梁などの構造材や合板等の木質材料の含水率が30%以上になる状態が続くと、これらが劣化するリスクが著しく高くなります。

 最近の木造住宅では、外壁面からの屋根の出っぱり(軒の出、けらばの出)を確保していないいわゆる『軒ゼロ』住宅が増加しており、その為、外壁面への雨掛かりが多くなり雨漏りの要因となっています。

 ここでは、雨漏りを防止するため、軒の出やけらばの出を重要性を解説しています。

軒の出などの効果

軒の出などを確保することにより、外壁への雨掛かりを少なくして雨漏りのリスクを低下させるとともに、省エネルギーにも貢献します。

4.外壁内の耐久性の確保

 木造住宅では、一般的に外壁などの中に厚さ15mm程度の空間を設け、土台から屋根の頂部に至るまで空気を通し、乾燥状態に導くための『通気層』を確保しています。しかし、この通気層を確保するための『通気胴縁』や、防水や透湿の役割を担う『透湿防水シート』の設計・施工や耐久性が不適切な場合、下地材や構造材が劣化するだけではなく、劣化による耐震性も低下します。

 ここでは、耐久性を確保するための材料選択、適切な通気構法、施工中に生じやすい問題点等を示しています。

通気層の3つの役割

1.通気層に浸入した雨水を流下させ通気層 

 下部の給気口から屋外へ排出させる
2.壁内の水蒸気を屋外に排出させる
3.夏期の日射により暖められた外壁の熱を

 屋外へ排出させる

5.省エネで健康的な室内環境

気密性が低い住宅や、冷暖房および換気の計画が不適切な住宅では、快適な室内環境を確保することは困難となります。

 ここでは、快適な室内環境を確保するために、以下の対策を示しています。

1)断熱等性能等級の確認

 等級の数値が高いものほど断熱性等が良くなります。初期費用は高くなりますが、その後の光熱費等は相対的に低くなります。

2)気密性能

 住宅の隙間が多く、気密性が低いと外気が室内に侵入しやすくなり、夏は暑く、冬は寒い家になり、冷暖房を使っていても十分な効果が得られず、冷暖房費が増加してしまうことがあります。

3)気流止め

 在来軸組構法等の場合、外壁や間仕切り壁の上下に気流止めが無いと、冬、床下の冷たい空気が外壁や間仕切り壁に流入してしまい、冷やされた壁から室内も冷やされると共に結露の要因にもなります。夏は、床下の暖かい空気の流入により壁から室内も暖められてしまいます。

4)換気システムの種類

 木造住宅には3種類の換気システムがあり、その特徴を示している。

5)第1種熱交換換気システム

 ダクト式とダクトレス式の二つがあり、何れも熱交換が可能なため省エネルギー性が高く、冷暖房費が削減出来ます。

6)各部屋の温度管理

部屋の温度による健康への影響について解説しました。

冬期

 居間などのあたたかい部屋から寒い脱衣室に移動して裸となり、寒い浴室内で熱い浴槽に入浴すると、身体が急激な温度変化にさらされて、血圧も変化し、失神や不整脈、脳卒中や心筋梗塞を起こし、最悪の場合、入浴中の溺死や急死につながる『ヒートショック』が生じることがあります。このため、ここでは省エネで健康的な生活に役立つ、断熱、気密、換気、気流止め、冷暖房、熱交換換気システムなどについて解説しています。

ヒートショック

交通事故死者数の少なくても2倍以上

夏期

 日本気象協会の資料によると、昨年の6月から8月の平均気温は、1898年の統計開始以降で最も高く暑い夏になりました。その結果、5月から9月の全国の熱中症による救急搬送者数は、91,467人と急増しており、8月は北海道と秋田県で昨年の約10倍と大幅に増加しました。消防庁の資料によると熱中症により住居内から救急搬送される方が最も多く27.7%に至っています。ここでは、外壁、窓、ドア、基礎などの断熱性能、窓に関する設計、日よけ、冷房方法などについて解説しています。

熱中症

1/4以上が室内から救急搬送

6.サッシの種類と特徴

雨水の浸入防止や結露の防止などの観点から、サッシ選びも重要となります。

ここでは、サッシの種類ごとの特徴について解説します。

1)断熱性と普及率

 一般的に外気と住居内の熱が最も伝わりやすいのが開口部(窓、ドアなど)となります。最近は高性能な断熱サッシが流通していますが、外壁と比べますと著しく断熱性が低い性能となっています。

世界の樹脂サッシの普及率

日本は樹脂サッシの普及率が低い

2)雨水浸入

雨水関連の瑕疵事故の中で開口部(窓、ドア等)の瑕疵事故の割合は約1/4に至っています。アルミサッシと樹脂サッシによる防水性の違いと注意点を示しています。

3)結露

 アルミの熱伝導率は、樹脂の1,000倍以上であり、熱を著しく伝えやすい特徴があり、室内外および壁内の温湿度条件によっては結露が発生することがあります。壁の中でサッシの表面が結露し、その結露水が下地材や躯体材に長期間付着した場合は、木材の含水率が高くなることにより、見えないところで腐朽する可能性も考えられます。

7.助成制度によるお得情報

 国土交通省などの国および地方公共団体では、各種の助成制度を実施しています。

ここでは、主に国関係の建築に関する助成制度を紹介していますが、お住まいの地方公共団体ごとに助成制度が異なる場合もありますので、担当部署にお問い合わせ下さい。

お得情報

各省庁および地方公共団体には、

各種の助成制度があります。

私共、国総研 建築研究部では、木造建築物に関して、これまで、

以下の情報を発信していますので、ご覧下さい。

長持ち住宅ガイドライン

国土交通省 国総研 建築研究部 公式X(旧Twitter)

木造住宅モルタル外壁の設計・施工に関する技術資料

屋根瓦を落とさない・飛ばさないための7つのQ&A

モルタル外壁を地震と劣化から守るための7つのQ&A

国総研YouTubeチャンネル

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