事業を通して社会課題解決に取り組む、株式会社LIFULL(ライフル)(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:伊東祐司、東証プライム:2120、以下「LIFULL」)が運営する“住まいの本当と今”を伝える情報サイト「LIFULL HOME'S PRESS(ライフルホームズプレス)」は、2024年4月25日(木)に、2024年1~3月まとめ版・2024年3月版の「LIFULL HOME'Sマーケットレポート」を公開しました。
LIFULL HOME'Sマーケットレポートでは、LIFULL HOME'Sで掲載された物件データおよび、ユーザーがLIFULL HOME'Sを介して不動産会社に問合せた物件(以下、反響物件)データをマーケットごとに公開しています。
【2024年1~3月まとめ版】
その他のマーケットの動向、各エリア・各月の詳細データは、以下レポートをご参照ください。
【2024年3月】
賃貸(首都圏/近畿圏/愛知・札仙広福)
中古マンション(首都圏/近畿圏/愛知・札仙広福)
中古一戸建て(首都圏/近畿圏/愛知・札仙広福)
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トピックス① 東京23区ファミリー向き物件の賃料が1年で3.2万円上昇!シングル向きも初めて10万円を超える
首都圏、近畿圏ともにファミリー向け賃貸物件の掲載平均賃料は上昇傾向にあり、2024年1~3月も同様の傾向が継続し、東京23区においては1年間で3.2万円上昇しています。シングル向き物件でも賃料上昇が発生しており、2024年3月には初めて10万円を超え、10万1,232円(前年比108.0%)となりました。
しかしその上昇幅にはグラデーションが見られます。ファミリー向き物件について三大都市圏の各都府県を、前年からの上昇率が高い順(3月基準)に並べると、東京都が最も高く前年比117.0%、次いで埼玉県(同110.8%)、神奈川県(同110.6%)、千葉県(同107.9%)と首都圏の各県が並びます。以下、京都府(105.7%)、愛知県(105.3%)、大阪府(104.3%)と近畿2府・愛知県が続き、いずれも引越しシーズンである2024年1~3月には毎月前月を上回るなど続伸。ただし、兵庫県については前年比100.9%と三大都市圏で唯一顕著な上昇が見られず、2024年1~3月は続落しています。
さらにエリア別で見ると、都心部の物件がその上昇を牽引しています。東京都では市部が前年比110.9%なのに対して23区が同117.8%、大阪府(前年比104.3%)では大阪市中心6区が同111.4%、京都府(同105.7%)では京都市中心6区が同113.6%、兵庫県(同100.9%)では神戸市中心3区が同108.1%と、いずれのエリアでも都心がその上昇を牽引。東京23区の掲載賃料の上昇幅を金額に直すと、前年同月比で+3万1,967円となり、前年3月は前々年比で+1万4,659円だったことから、賃料の上昇はより顕著になっているといえます。
なお、ここでいう掲載賃料は、新たな入居者を募集する際の募集賃料を指します。複数の賃貸管理会社によると「再募集時の値上げ幅より、更新時に提示する値上げ幅は小さい」としており、賃貸物件に入居中の人にとっては、更新せず引越そうと新たな物件を探したとき、同じ条件では選択肢に上る物件の賃料水準が現在より高くなるケースも多いでしょう。3月の反響賃料は前年同月比102.6%(+4,303円)とユーザーのニーズは追い付いていないことから、今後も募集賃料のみ上昇が続けば、差し迫った事情がない場合の退去が減り、入居期間が長期化する可能性もありそうです。
トピックス② 福岡市のファミリー向き物件の賃料は前年比120.1%と、東京23区を超える上昇率に
ファミリー向き賃貸物件の掲載平均賃料の動向で注目エリアは福岡市です。2023年1~3月頃より掲載賃料は上昇基調で推移し、2024年1~3月にはその上昇幅がさらに拡大。2024年3月の掲載賃料は11万4,031円で前年比120.1%となり、東京23区の上昇率(117.8%)を上回りました。福岡市は2024年3月に発表された公示地価においても、市町村平均が前年比110.7%で政令市中トップの上昇率となったほか、2023年の世代別移動人口では福岡県は単身需要の大きい20~34歳で転出超過となった一方で、ファミリー需要が大きい35歳以上では転入超過となっており、ファミリー向き賃貸物件の需要も増加しているものと考えられます。
トピックス③ 首都圏ファミリー向き中古マンション価格は、都心はやや上昇・郊外は下落傾向
首都圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)ファミリー向き中古マンションの掲載平均価格は、2023年7月以降小幅な下落が続いており、2024年1~3月も同様の傾向が継続しています。内訳を見ると、神奈川県・埼玉県・千葉県では1~3月のいずれの月も前年同月比で下落している一方、東京23区は同101~103%台とやや上昇しており、都心と郊外で異なる傾向が見て取れます。
2022年半ばまでは首都圏全体では、新築マンションの価格上昇・供給減少などによる中古物件の需要増加とそれに伴う在庫の減少を背景に、中古マンションの掲載価格の上昇が続いていました。しかし、2022年半ば以降は中古マンションの在庫の増加もあり、掲載価格は横ばい傾向となっています。2024年1~3月も新築マンションの価格上昇こそ続いているものの、中古物件の在庫数は高水準で推移しており、掲載価格の上昇を抑制している一因と考えられます。しかし、都心の不動産においては、低金利環境のなかで不動産投資市場が堅調であるほか、長期的には価格が上昇基調にあることから不動産に資産性を求める実需層もいます。好立地物件や希少性の高い物件など一般的に資産性が高いと考えられる物件の価格が引き続き上昇し、とりわけそういった物件が多い東京23区の平均価格に影響を与えているものと思われます。
【2024年3月版】
シングル向き賃貸物件
2024年3月の首都圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)シングル向き賃貸物件の掲載平均賃料は7万7,566円(前月比102.2%・前年比104.1%)、反響平均賃料は7万6,414円(前月比100.0%・前年比103.6%)、近畿圏(大阪府、兵庫県、京都府)シングル向き賃貸物件の掲載平均賃料は5万7,118円(前月比100.1%・前年比102.7%)、反響平均賃料は5万8,009円(前月比99.9%・前年比100.8%)となった。
東京都では、東京23区シングル向き賃貸物件の掲載平均賃料は10万1,232円(前月比103.9%・前年比108.0%)、反響平均賃料は9万220円(前月比101.6%・前年比102.5%)、東京市部シングル向き賃貸物件の掲載平均賃料は5万6,625円(前月比99.8%・前年比100.9%)、反響平均賃料は6万2,269円(前月比99.3%・前年比101.4%)となった。
ファミリー向き賃貸物件
2024年3月の首都圏ファミリー向き賃貸物件の掲載平均賃料は13万348円(前月比102.6%・前年比115.2%)、反響平均賃料は11万7,422円(前月比98.8%・前年比102.2%)、近畿圏ファミリー向き賃貸物件の掲載平均賃料は8万2,156円(前月比100.1%・前年比103.4%)、反響平均賃料は8万8,076円(前月比99.5%・前年比101.7%)となった。
東京都では、東京23区ファミリー向き賃貸物件の掲載平均賃料は21万1,618円(前月比103.1%・前年比117.8%)、反響平均賃料は17万246円(前月比99.6%・前年比102.6%)、東京市部ファミリー向き賃貸物件の掲載平均賃料は9万9,906円(前月比100.4%・前年比110.9%)、反響平均賃料は10万2,956円(前月比98.3%・前年比99.9%)となった。
シングル向き中古マンション
2024年3月の首都圏シングル向き中古マンションの掲載平均価格は3,538万円(前月比100.2%・前年比105.4%)、反響平均価格は2,493万円(前月比100.5%・前年比123.8%)、近畿圏シングル向き中古マンションの掲載平均価格は1,879万円(前月比101.3%・前年比110.9%)、反響平均価格は1,464万円(前月比101.3%・前年比110.9%)となった。
東京都では、東京23区シングル向き中古マンションの掲載平均価格は4,380万円(前月比100.6%・前年比110.4%)、反響平均価格は3,201万円(前月比99.0%・前年比124.4%)、東京市部シングル向き中古マンションの掲載平均価格は2,014万円(前月比101.6%・前年比106.3%)、反響平均価格は949万円(前月比122.5%・前年比79.2%)となった。
ファミリー向き中古マンション
2024年3月の首都圏ファミリー向き中古マンションの掲載平均価格は3,972万円(前月比99.4%・前年比95.2%)、反響平均価格は3,479万円(前月比100.3%・前年比108.5%)、近畿圏ファミリー向き中古マンションの掲載平均価格は2,618万円(前月比99.7%・前年比96.7%)、反響平均価格は2,330万円(前月比101.3%・前年比104.4%)となった。
東京都では、東京23区ファミリー向き中古マンションの掲載平均価格は6,137万円(前月比99.2%・前年比101.1%)、反響平均価格は5,776万円(前月比99.4%・前年比103.5%)、東京市部ファミリー向き中古マンションの掲載平均価格は3,239万円(前月比99.5%・前年比96.5%)、反響平均価格は2,784万円(前月比108.2%・前年比109.3%)となった。
中古一戸建て
2024年2月の首都圏中古一戸建ての掲載平均価格は3,591万円(前月比99.0%・前年比96.0%)、反響平均価格は2,489万円(前月比90.1%・前年比101.3%)、近畿圏中古一戸建ての掲載平均価格は2,494万円(前月比100.5%・前年比100.2%)、反響平均価格は1,780万円(前月比99.4%・前年比97.6%)となった。
東京都では、東京23区中古一戸建ての掲載平均価格は7,625万円(前月比98.6%・前年比101.9%)、反響平均価格は5,064万円(前月比73.8%・前年比91.4%)、東京市部中古一戸建ての掲載平均価格は3,577万円(前月比98.9%・前年比96.5%)、反響平均価格は2,454万円(前月比90.3%・前年比116.4%)となった。
分析担当:LIFULL HOME'S PRESS 編集部 渋谷 雄大(しぶや たけひろ)
2015年、株式会社LIFULLに新卒入社。LIFULL HOME'Sの営業として、東京・千葉・福岡・広島で賃貸マーケットの既存顧客を担当した後、 2020年よりLIFULL HOME'S PRESS編集部。LIFULL HOME'Sマーケットレポートを担当するほか、取材や執筆活動で全国を飛び回る。特に、町家、都市交通、ウォーカブル、和の文化に関心。広島県出身。
集計対象データ
2024年1月1日~3月31日に、LIFULL HOME'Sで登録・公開された居住用賃貸マンション・アパート・居住用中古区分マンション・居住用中古一戸建て
シングル向き :ワンルーム、1K、1DK、1LDK、2K
ファミリー向き:2DK、2LDK、3K、3DK、3LDK~
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