引張材にボルトを使用し、大空間・大スパンが可能な非住宅用木造トラス『ボルトラス』が「みらいのたね賞2023」を受賞
◆「みらいのたね賞」とは
建築家が選ぶ、優れた建築を生み出すことに、貢献しうる優れた製品、未来への布石となる製品に送られる賞。
毎年ゲスト選考員を迎え、テーマに基づき製品を選考します。出展者が選考対象となる限定の賞。
一般社団法人日本能率協会が「Japan Home&BuildingShow」の公式アワードとして2017 年にスタート。毎年ゲスト選考員を迎え、「みらいのたね賞」10 製品と「ゲスト選考賞」1 製品を選定し表彰しました。
ホームページ:https://www.jma.or.jp/homeshow/tokyo/visitor/mirai.html
◆『ボルトラス』とは
福祉施設・保育園・集会場・店舗等を木造で建築する
「非住宅木造」の需要が増大しており、住宅とは異なり、用途的に大スパンが必要となる空間が増えています。また、「非住宅木造」では、一般的な木造トラスは複雑な木材加工が必要となり、納期・工期に影響が出てしまうケースがあり、木造の大スパンは難しいと判断されるケースも多くあり、どのようにこの大スパンを実現するかが、大きな課題となっています。「ボルトラス」は従来の木造トラスと違い、引張材にボルトを使用することで合理化かつ標準化したトラスを構成しています。一般流通材の長さ・大きさの梁、オリジナルの金物と自由設計で、安全かつスピーディーに大空間の実現をすることができます。
◆選考員講評(山代 悟 氏)
これまで鉄骨造の採用が大半であったスパンの大きな空間であっても、木造を検討したいという案件は増えている。トラス形式を採用すれば設計は可能であるが、木造で行う場合、材の種類、樹種、強度、断面、そこで用いる接合金物の選択など選択肢は多く、その組み合わせは膨大である。それらをシステム化し、個別の案件に応じた設計支援と製造をパッケージ化することは、設計者の後押しとなり、中大規模木造の採用事例を増やすことにつながるだろう。
引っ張り材など木材を採用する際に接合部の設計や施工の難易度が上がる部分にボルトを採用したり、ビス貫通式の鋼板金物接合とするなど、木材と金属のそれぞれの良さを活かした組み合わせも好ましい。