「エアコンのしくみと電気代の関係」をわかりやすく紹介するサイトと動画を公開
ダイキン工業株式会社は、2023年の冬本番を前に、全国528名の20歳~59歳までの男女を対象に「エアコン暖房の節電に関する実態調査」を実施しました。
エネルギー価格の高騰などによる様々な製品・サービスの値上げが続き、電気代が家計に与える影響が大きくなるなか、政府は電気料金への補助金を延長し、家計への影響緩和に取り組んでいます。こうした中、まもなく家庭の電力消費が年間のうちで最も増大するといわれる冬を迎えます。家計への電気代の影響の高まりが想定される冬場、家庭で特に電力を消費しているのは暖房器具です。中でもエアコンが占める割合は大きく、冬場の節電の取り組みにおいてもエアコンは無視できない存在となっています。
調査では、暖房器具としてエアコンを使用している人は全体の約8割で、そのうちの約7割はエアコンの使用を控えようとしている結果となりました。冬を前に、多くの人がエアコンの電気代を気にしていることがうかがえます。その一方で、エアコン使用中に肌寒さを感じた人の7割以上がエアコンの設定温度を上げていることも明らかとなりました。設定温度を上げるとその分多くの電力を消費します。低すぎる室温は健康的な暮らしの妨げになりますが、節電のためには、設定温度を上げる前に加湿をしたり室内の空気を攪拌したりすると効果的です。多くの人がこうした工夫を知らず、あまり意識せずに電気代を無駄にしてしまっている可能性が浮き彫りとなりました。
また、全体の半数以上が、エアコンのフィルター掃除や室外機周辺の整理整頓など、エアコンの基本的な節電に取り組んでいないことも明らかとなりました。今回の調査では、加湿や空気の攪拌など「設定温度を上げる前にできる節電の工夫」だけでなく、「エアコンの基本的な節電方法」を知らない人が多い可能性もうかがえる結果となりました。
こうしたことから、ダイキンは、節電の方法やその理由を分かりやすく伝えることを目的に、エアコンの仕組みや上手な節電方法を解説したWEBコンテンツ「エアコンのしくみと電気代の関係『暖めるしくみ』編」を本日11月7日に公開しました。また、コンテンツ内には動画「エアコンの『暖めるしくみ』がわかれば、賢く使える」も用意し、エアコンの仕組みや効果的な節電につながる理由を分かりやすくご紹介しています。
◆WEBコンテンツ「エアコンのしくみと電気代の関係『暖めるしくみ』編」URL:
https://www.daikin.co.jp/air/life/mechanism
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自宅で使われている暖房器具の第1位は「エアコン」(78.4%)
エアコン使用者の約7割が電気代を気にしてエアコンの使用控えを検討
冬に使用する暖房器具は様々です。「あなたが自宅で使用している暖房器具は何ですか?」と尋ねたところ、78.4%の人が「エアコン」と回答しました。また、自宅の暖房器具としてエアコンを使っている人を対象に「今年の冬は電気代を意識して、エアコンの使用を控えようと思いますか?」と質問したところ、約7割が「とても思う(27.3%)」「やや思う(40.8%)」と答えました。
冬の期間も多くの家庭でエアコンが使われているなか、エアコン使用者の多くがエアコンの使用控えを検討している状況です。一般的に、冬は夏よりも電気代が高くなると言われており、冬の電気代に不安を感じている人が多いことがうかがえます。ただ、暖房器具の過度な使用控えはおすすめできません。WHO(世界保健機関)は、寒さによる健康影響から居住者を守るための室温として18℃以上を強く勧告しています。効果的な節電に取り組みながら、我慢せずエアコンを使うことが重要です。
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エアコン暖房使用時に肌寒さを感じる人のうち、約76%が「エアコンの設定温度」を上げている
今回の調査では、冬にエアコンを使用している人の約65%の人がエアコン運転時にも寒さを感じており、そのうちの約76%は、肌寒くなるとエアコンの設定温度を上げていることが分かりました。
エアコン運転中の肌寒さには、設定温度以外にもいくつかの原因が考えられます。例えば、室内の湿度の低下で体感温度が下がることや、暖かい空気は上昇し冷たい空気は下降する性質によって発生する「温度ムラ」で、足元に冷たい空気が溜まってしまうことなどが挙げられます。加湿をしたり温度ムラを抑えたりすることは、肌寒さの軽減に役立ちます。一方で、設定温度を上げた場合でも肌寒さは和らぎますが、エアコンの消費電力の増加につながります。設定温度を上げる以外にも肌寒さへの対応方法があることを意識することも大切です。
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約8割の人が「冬のエアコンの設定温度を1℃下げると約10%の節電になる」ことを知らない
エアコンは、暖房時に設定温度を1℃下げると10%の節電になる※1といわれています。これについて知っているかどうかを尋ねたところ、全体の約8割の人が「知らなかった」と回答しました。
肌寒さを感じるとエアコンの設定温度を上げたくなりますが、その前に、加湿したり温度ムラを抑えたりすることをおすすめします。洗濯物を部屋干ししたり、加湿器や加湿機能付き空気清浄機を使ったりして加湿すると、体感温度を高められます。また、エアコンの風向を下向きにしたりサーキュレーターなどで空気を攪拌したりすると、足元に冷たい空気が溜まりづらくなります。こうした工夫は、エアコンの設定温度を必要以上に上げずに肌寒さを抑えることに役立ちます。なお、加湿機能付き空気清浄機を使えば、加湿しながら空気を攪拌できるので一石二鳥です。
※1:出典 財団法人省エネルギーセンター「省エネライフスタイルチェック25」の各種行動と省エネ効果に関する調査報告書」(平成17年3月)
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エアコン暖房使用時、節電への取り組みの実施率は半数以下 「室外機周辺を掃除する」人は1割未満
冬にエアコンを使う際に気を付けていることについて聞いたところ、次のグラフの通り、エアコンの節電に取り組んでいる人は少ないことが分かりました。最も実施率が低い「室外機周辺を掃除する」は1割未満で、実施率が最も高い「フィルターを掃除する」でも半数を下回っています。
エアコンの節電における基本的なポイントは、室内機、室外機ともにスムーズに空気を吸い込んだり吹き出したりできる状態を保つことです。そのため「フィルターを掃除する」「室外機周辺を掃除する」ことはとても重要です。また、熱を運ぶ量によってエアコンの心臓部である圧縮機にかかる負荷が変わるため、圧縮機への負担を減らす使い方も大切です。例えば「スイッチのオン・オフを控える」「風量を自動に設定する」ことなども工夫のひとつです。また、体感温度を高めるために「加湿器を使ったり洗濯物を部屋干ししたりして湿度を上げる」工夫や、室内の熱を逃がさないように「カーテンなどで部屋の断熱性を高める」工夫もおすすめです。
エアコンが部屋を暖める仕組みを知り、ご自宅にあった節電方法を意識することも大切です。電気代が高騰しているなか、まもなく家庭の電力消費が年間のうちで最も増大するといわれる冬本番を迎えます。今回の調査では、多くの人がエアコンを使用している一方で、節電に効果的な使い方を実施できている人は少ないことが判明しました。節電に効果的な使い方をするには、エアコンが部屋を暖める仕組みや節電につながる理由を一緒に理解し、納得感を持って取り組むことが重要と言えそうです。
ダイキンは、エアコンの仕組みや上手な節電方法を解説したWEBコンテンツ「エアコンのしくみと電気代の関係『暖めるしくみ』編」を11月7日に公開しました。また、サイト内には動画「エアコンの『暖めるしくみ』がわかれば、賢く使える」も用意し、効果的な節電方法とその理由を動画で分かりやすくご紹介しています。ぜひご覧ください。( https://www.daikin.co.jp/air/life/mechanism )
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『暖めるしくみ』がわかれば、賢く使えるエアコンの上手な使い方
ここでは、エアコンが部屋を暖めるしくみに加えて、上手に電気代を抑えるための「基本的な節電ポイント」と「エアコン暖房時の節電ポイント」をご紹介します。
エアコン暖房のしくみ
冬、部屋が「寒い」と感じるのは空気中の「熱」が少ないからです。この熱を増やして部屋を暖かくするのがエアコンです。エアコンは、「室内機」と「室外機」がパイプ(配管)でつながっていて、暖房時には屋外の「熱」を室内に移動させて部屋を暖かくしています。
エアコンの室内機と室外機の中には、熱を空気の中から集めたり、空気中に逃がしたりする「熱交換器」が入っています。そして、パイプの中には、熱を運ぶ「冷媒(れいばい)」というガスが循環しています。まず室外機は屋外の空気を吸い込み、空気中の熱を熱交換機で集めます。集めた熱は冷媒が受け取り、室内機へ運ばれ、温風として送り出されます。
空気中の熱を集めて運んで放出するのに必要な「冷媒」を循環させているのが、室外機に内蔵された“エアコンの心臓”ともいえる「圧縮機」です。圧縮機はエアコンの消費電力の約80%を使っています。節電にとって重要なポイントは、エアコンが熱をスムーズに集めたり逃がしたりできる状態をつくり、圧縮機にかかる負担を抑えることです。
エアコンに使われている「ヒートポンプ」
エアコンが熱を運ぶ仕組みは「ヒートポンプ」と呼ばれています。ポンプが水をくみ上げるように空気中の熱をくみ上げ、必要な場所に移動させる働きをするからです。ヒートポンプの仕組みを使うエアコンは電力効率が電気ヒーターと比べて約7倍で、省エネ性の高さが特長です。
また、ヒートポンプは空気を暖めるだけでなく、水を温めてお湯にすることもできます。日本では、この原理を利用したヒートポンプ給湯機「エコキュート」が、お風呂やシャワーなどの給湯に利用されています。家庭の空調や給湯で使用されているガスや石油などを使う燃焼系機器をヒートポンプ機器にかえると、家庭のCO2排出量は約半分になるともいわれています。
基本的な節電のポイント
節電の基本は「空気の通り道をふさがないこと」!~「空気の通り道」をふさがない①~室外機まわりをスッキリさせましょう。
空気の熱を集める室外機にとって空気の通り道は大切です。室外機周辺に障害物があり、吸込口や吹出口がふさがれてしまうと、熱を効率的に集めることができず、無駄な電力消費につながります。障害物がない場合も、冬は室外機の周りに雪が積もって、吸込口、吹出口をふさいでしまうこともあります。
室外機の周辺はすっきりと余計なものは置かず、障害物は取り除くようにしましょう。
~「空気の通り道」をふさがない②~フィルターにホコリをためないようにしましょう。
エアコンの室内機は部屋の冷たい空気を吸い込み、暖かい空気にして送り出すことで部屋を暖かくしています。エアコンのフィルターにホコリがたまっていると、熱交換器を通る空気の量が減り、熱を送り出す効率が下がります。その分、電気代がかかってしまいます。空気の通り道をふさがないよう、2週間に1回を目安に、フィルターの定期的な掃除を心がけましょう。エアコンのフィルターを1年間掃除しないと、消費電力が約25%も無駄になると言われています。フィルター掃除は節電に効果的です。
「エアコンの心臓」にかかる負担を減らす節電の工夫!
空気中の熱を集めて運んで放出するのに必要な「冷媒」を循環させているのが、“エアコンの心臓”ともいえる「圧縮機」です。圧縮機は室外機に内蔵されています。節電には、エアコンの消費電力の約80%を使っている圧縮機の負担を抑えることが大切です。
~「エアコンの心臓」にかかる負担を減らす節電の工夫!①~スイッチのオン・オフは控えめにしましょう。
エアコンのスイッチを入れた後、圧縮機は室内をすばやく暖めるため、勢いよく動いてより多くの熱を運びます。室内が適温になったら、その状態を維持できる程度に力を落として安定運転を続けます。そして、室温が下がってくると、圧縮機はまた動きを強めます。スイッチのオン・オフを繰り返すと、圧縮機への負荷が高まる頻度が増え、その分、多くの電力を消費します。
ダイキンの実験では、30分程度の外出なら一度オフにするより「つけっぱなし」の方が節電につながる結果となりました。エアコンの頻繁なオン・オフはなるべく控えるようにしましょう。
~「エアコンの心臓」にかかる負担を減らす節電の工夫!②~「風量自動」で効率的に運転をしましょう。
節電しようと風量を弱めに設定していると、熱交換器を通る空気の量が減り、室内に送り出す熱の量も減ってしまいます。その分圧縮機に負担がかかり、余計な電気を使ってしまいます。風量を自動にしておくと、エアコンはスイッチを入れたあと、どんどん熱を室内に運び、すばやく部屋を暖かくします。必要な分だけ室内の熱を増やしたら、あとはお部屋の温度を維持できるように安定運転を続けます。風量自動は、より効率的な運転で圧縮機の負担を減らします。エアコンは基本的に「風量自動」を心掛けましょう。
エアコン暖房時の節電のポイント
エアコン暖房のムダを防ぐ環境づくり
冬のエアコン暖房のムダを防ぎ、効率的に使うには、お部屋の環境づくりが大切です。ここではエアコン暖房時の節電につながるお部屋の環境づくりのポイントをご紹介します。
~環境づくり①お部屋の温度ムラを抑える~
暖かい空気は上昇する性質があり、暖房中は天井付近と床付近の温度に差が出る「温度ムラ」が起こりやすくなります。室内機で吸い込んだ空気の温度から室温を判断しているエアコンは、天井に暖気がたまっていると「設定温度に達した」と判断して、床付近が肌寒くても運転をゆるめてしまいます。エアコンの設定温度を上げれば足元の肌寒さも和らぎますが、その分消費電力は増加してしまいます。無駄な電力消費を抑えるためには温度ムラを改善することが大切です。
●風向はできるだけ下向きにしましょう。
少しでも温度ムラを抑えるには、風向は「水平」ではなく「下向き」 にするのがおすすめです。暖かい空気は軽いため、上昇する性質があります。下から暖かい空気が自然に上がるようにすることで、温度ムラを抑える効果が期待できます。
●空気清浄機などを活用して空気を撹拌しましょう。
風向を下向きにしても、時間とともに温度ムラはできてしまいます。より温度ムラを抑えるには、空気清浄機やサーキュレーターなどの活用もおすすめです。エアコンと向かい合わせに置き、天井方向に風をおくります。室内の空気をかきまぜれば、さらに温度ムラがやわらぎます。気流をコントロールしながら、ムダな電力消費を抑えましょう。
~環境づくり②湿度を高めに~設定温度を上げる前にお部屋の湿度を上げてみましょう。
空気には、温度が上がると湿度が下がる性質があり、エアコン暖房で部屋を暖めたときにも湿度は下がります。また、湿度が低いと体感温度が下がり、同じ温度でも寒さを感じやすくなります。エアコンの設定温度を上げれば暖かくなりますが、消費電力の増加につながります。洗濯物を部屋干ししたり、加湿器や加湿機能付き空気清浄機を使ったりして、お部屋の湿度を40%~60%程度にするのがおすすめです。なお、加湿機能付き空気清浄機を使うと、室内の温度ムラを抑えることにも役立つので、一石二鳥です。
~環境づくり③熱を逃がさない~窓から熱を逃がさないようお部屋の断熱性を高めましょう。
熱は暖かいところから冷たいところに移動する性質があり、暖かい室内から寒い屋外へ、少しずつ逃げて行ってしまいます。熱がたくさん逃げるほど、エアコンは多くの熱を運んでこなくてはいけません。これも消費電力の増加につながります。室内の熱が逃げやすいのが窓です。カーテンでひと工夫するのもポイントです。断熱性の高いものを選んだり、上部や下部にすきまができないよう、天井から床いっぱいまでたっぷりと垂らしたりすると保温効果が高まります。また、実はカーテンの色も節電への効果が期待できます。暖色系でまとめられたお部屋は、寒色と比べて暖かく感じるといわれています。カーテンの色で体感温度をあげて、暖房の設定温度をおさえるのも、節電の冬を快適に過ごす工夫のひとつです。
<調査概要>
調査名:エアコン暖房の節電に関する実態調査
調査期間:2023年10月12日(木)~10月14日(土)
調査対象:全国の男女528名
調査方法:スマートフォンリサーチ
<参考ページ>
ダイキン エアコンのしくみと電気代の関係:https://www.daikin.co.jp/air/life/mechanism
ダイキン エアコンの電気代を節約する方法:https://www.daikin.co.jp/air/life/electricbill
ダイキン 空気の困りごとラボ:https://www.daikin.co.jp/air/life/laboratory
ダイキン エアコン節電情報:https://www.daikin.co.jp/air/life/electricitysaving
※ダイキンの調査結果や実験結果を引用いただく際は、引用元として「ダイキン調べ」と注釈を加えていただきますようお願いします。