「アートのまち」として知られる大阪市住之江区北加賀屋にある集合住宅「APartMENT」。本建物は、現代アート、プロダクト、照明、テクノロジー、インテリア、造園といった”建築”の垣根を越えて集まった8組のアーティスト・クリエイターが、8戸の住戸をリノベーションし、「アートを内包する集合住宅」として2016年に開設されました。
この度、現代美術家・松延総司が手掛けた203号室「やすりの部屋」を、作家自身の手により、再リノベーションいたしました。「やすりの部屋」という、やすりの壁がもつ、住居と住居者の在り方を問い直すコンセプトはそのままに、より暮らしやすい部屋に生まれ変わりました。
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現代美術家・松延総司 コメント
2016年に完成した「やすりの部屋」は、一見何の変哲もない部屋に見えますが、室内のほぼ全ての壁が紙やすりでできています。住居と住居者の在り方を「やする」「やすられる」という関係性を通して、もう一度問い直すことがコンセプトとなっています。
今回の改装では、それぞれの部屋の床をフローリング、畳、Pタイルで構成しました。壁面のやすりのザラザラとした質感と同時に、足元の質感のバリエーションを、生活の中で楽しんでもらえたらと思っています。
<作家プロフィール>
松延総司は1988年熊本県生まれ、2008年京都嵯峨芸術大学短期大学部卒業。主に京都と滋賀を拠点に活動。図と地で言うところの「地」に着目し、日常のなかで人々が無意識化している抽象的な物事をコンセプチュアルにとらえ直す作品を制作。石や輪ゴム、鼻歌、棚、落書きなどをモチーフにした作品では、モチーフに内在する機能・法則・価値をミニマルな手法で顕在化することが試みられている。
代表作に、瞬間的にねじった輪ゴム《Twisted Rubber Band》、セメントによる手づくりの石《My Stones》、フリーハンドの線を型紙によって再構築した《Knit the Knot》など。近年の個展に、「See the Shades」(HAGIWARA PROJECTS、東京、2019)、「ねじれたライブラリールーム」(熊本市現代美術館、2018)、「scribbles between spaces」(SOX 、ベルリン、2018)。グループ展に、玉山拓郎・松延総司「FLASH MATTER」(Gallery PARC、京都、2019)、 「ONLY CONNECT OSAKA」(クリエイティブセンター大阪 、2019)、「Invisible Strings in Spring」(Devening Projects、シカゴ、2018)などがある。
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203号室「やすりの部屋」物件情報
所在地:〒559-0011 大阪府大阪市住之江区北加賀屋2丁目5−45
賃 料:63,000円
面 積:40.75㎡
保証金:0円
共益費:3,000円
礼 金:64,000円
建物構造:鉄筋コンクリート造3階建て
築 年:1971年(2016年3月建物リノベーション工事竣工、2023年 内装工事実施)
設 備:電気/都市ガス/上下水道/室外洗濯機置場/浴室(在来工法)/2口ガスコンロ設置可
備考:
1年未満の早期解約時違約金有(賃料+共益費の1ヶ月分)/室内禁煙/駐輪場有(屋根有:300円/月 屋根無:100円/月)/コインランドリー有/ペット不可/賃貸借保証委託契約必須/貸主審査有/要火災保険契約/事務所利用不可/住居兼事務所は要相談
●入居お問合せは「北加賀屋つくる不動産」まで
https://chishima-foundation.com/real-estate
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APartMENTについて
旧社宅を一般向けの賃貸住宅として改装するプロジェクト。 現代アート、プロダクト、照明、テクノロジー、インテリア、造園といった"建築"の枠を超えて集まった8組のアーティスト、クリエイターが8戸の住戸をリノベーションし、 「アートを内包する集合住宅」として生まれ変わりました。 エントランスには住民が集えるスペースやコインランドリーもあり、お部屋以外の設備も充実しています。
アートとリノベーションの融合、住人の創造性の誘発といった点が評価され、2017年2月に、 大阪市の実施する顕彰事業「第30回大阪市ハウジングデザイン賞」において「大阪市ハウジングデザイン賞特別賞」を受賞しました。