月曜日, 11月 25, 2024
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近畿圏不動産流通市場の動向について(2023年7~9月期)

2023年7~9月期の中古住宅価格は上昇、売り物件の増加で価格設定の見極めが重要に

(公社)近畿圏不動産流通機構が10月19日に発表した2023年7~9月期の近畿圏の中古マンション成約件数は、3,863件(前年同期比マイナス1.7%)と4期連続で減少し、市場の売り出し(新規登録)件数は15,613件(前年同期比プラス12.9%)となりました。成約件数は近畿圏の対象12地域中9地域が前年比で減少し、北摂や神戸市は4期連続で減少するなど、取引が軟調なエリアが増えました。

 中古マンションの成約価格は、2,880万円(前年同期比プラス8.4%)と13期連続で上昇し、売り出し(新規登録)価格は2,769万円(前年同期比プラス1.1%)となりました。成約価格は12地域中9地域が前年比で上昇し、上昇エリアは4~6月期と同数でした。最も価格水準が高い大阪市は32期連続で前年同期を上回り、依然として上昇が続いています。

 中古戸建住宅の成約件数は、2,660件(前年同期比プラス9.6%)と3期連続で増加し、売り出し(新規登録)件数は10,734件(前年同期比プラス26.0%)となりました。成約件数は12地域中11地域が前年比で増加し、増加エリアは前期比で6地域増えました。大阪府内を中心に2ケタ増となり、大阪市は5期連続で前年同期を上回るなど、総じて増加するエリアが目立ちました。

 中古戸建住宅の成約価格は2,279万円(前年同期比プラス1.7%)と12期連続で上昇し、売り出し(新規登録)価格は2,706万円(前年同期比プラス1.2%)となりました。成約価格は12地域中5地域が前年比で上昇し、上昇エリアは前期比で2地域減りました。大阪市は4期連続で前年同期を上回る一方、大阪府南部など一部で下落するエリアもみられました。

 足元の前期比でみると中古マンション・戸建住宅ともに成約価格は上昇し、高額物件を中心に需要が集まる傾向が続いています。物価高を背景に金利の上昇懸念が高まっていますが、日銀による金融緩和の修正は緩やかに進むものとみられ、市場の下支え効果は続きそうです。ただ、新規の売り物件数は増加しており、売り出し価格の設定では需給の見極めが重要になると考えられます。

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