産学連携でペロブスカイト太陽電池の実用化を加速
三井不動産レジデンシャル株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社⻑︓嘉村 徹、以下、「三井不動産レジデンシャル」)と国⽴⼤学法⼈ 京都⼤学(京都市左京区、以下「京都⼤学」)発のスタートアップでペロブスカイト太陽電池の開発を手掛ける株式会社エネコートテクノロジーズ(本店:京都府久世郡、代表取締役:加藤 尚哉、以下、「エネコートテクノロジーズ」)は、この度、住宅におけるペロブスカイト太陽電池の活用に関する共同研究を開始しましたのでお知らせします。本研究は、京都大学 若宮 淳志教授の研究室とも連携し、産学連携でペロブスカイト太陽電池の実用化を加速するものです。
ペロブスカイト太陽電池は、ペロブスカイト構造と呼ばれる結晶構造を持つ化合物を用いた次世代の太陽電池で、2009年に日本で発明され、実用化に向けて世界中で開発が進んでいます。 その特徴は、①20%以上の高い発電効率、②薄い・軽い・曲がる、③少ない工程で製造が可能、等があげられます。このため、従来のシリコン型太陽電池より、少ないエネルギーで製造ができ、製造コストの抑制も期待されています。高効率・薄膜・軽量であることから、すまいとくらしの様々な空間に活用ができ、手軽に発電させ、その電気を活用することに適します。
今般の共同研究開始により、エネコートテクノロジーズ社製のペロブスカイト太陽電池を三井不動産レジデンシャルのマンション等で活用し、より実際のすまいやくらしに近い環境で実証実験を実施してまいります。また、ペロブスカイト太陽電池の発電効率につき世界最高効率※1を達成した京都大学化学研究所の若宮研究室とも連携し、本製品の安全性や効率性を検証し、実用化へ加速させてまいります。今年度中に、ペロブスカイト太陽電池を三井不動産レジデンシャルが供給するマンションの共用部分におけるデザイン性の高い照明や家具、居室内のインテリアへ設置し、日中の太陽光を蓄電し、夜間利用などへの活用を予定しております。
今後も、ペロブスカイト太陽電池の特性を最大限活かすことで、再生可能エネルギーの活用のみならず、すまいとくらしに潤いを与えるような意匠性・利便性の高い活用方法の開発を目指してまいります。
※1 世界最高効率:Snを含むペロブスカイト太陽電池としても世界最高効率となる23.6%を2022年4月に発表(S. Hu, A. Wakamiya, et al. Energy Environ. Sci. 2022, 15(5), 2096-2107, 京大プレス発表: https://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research-news/2022-04-13-1)。また、最近では、フィルム基板を用いたペロブスカイト太陽電池モジュールでも世界最高効率となる21%を達成している。
■株式会社エネコートテクノロジーズ
京都大学化学研究所でのペロブスカイト太陽電池の研究成果をもとに、京都大学発のスタートアップとして、2018年1月に設立。代表取締役 加藤 尚哉氏
■京都大学化学研究所 若宮 淳志教授
京都大学化学研究所 教授(複合基盤化学研究系 分子集合解析研究領域)。株式会社エネコートテクノロジーズの取締役と最高科学責任者(CSO)を務める。
*なお、本リリースの取り組みは、SDGs(持続可能な開発目標)における3つの目標に貢献しています。
目標7 エネルギーをみんなに そしてクリーンに
目標11 住み続けられるまちづくりを
目標13 気象変動に具体的な対策を