安らぎと落ち着きのある“新質感”と温室効果ガス削減などの“環境対応”を両立
大日本印刷株式会社(本社:東京 代表取締役社長:北島義斉 以下:DNP)は、目に優しい反射光や心地よい手触りなどの豊かな質感を備え、室内空間に安らぎや落ち着きを与えるフローリング用化粧シート「DNP EBオレフィンシート サフマーレ® フロア プレミア」を2023年度に発売します。
本製品は、マンション等の室内ドアや収納・内装部材として高い支持を得ている「DNP EBオレフィンシート サフマーレ」シリーズのフローリング用の上級グレード品として、安らぎや落ち着きが求められるインテリア空間をつくり出します。DNPは、長年にわたり市場の高い評価を得ているEBコーティング*1技術のさらなる進化による「空間ソリューション」のひとつとして、室内空間の質的価値を向上し、地球環境にも配慮した“人と環境にやさしい”高質感内装化粧シートを開発しました。
【開発の背景】
DNPは、木目柄などを印刷したオレフィン系樹脂フィルムに、独自のEBコーティングを施すことにより、耐候性や耐傷性、耐汚染性の向上と環境対応を両立させた「DNP EBオレフィンシート サフマーレ」*2を建具、フローリングなどにシリーズ展開しています。近年は、コロナ禍をきっかけの一つとして、テレワークなどの新しいライフスタイルが定着し、家で過ごす時間が増える中、より“安らぎ”や“落ち着き”がある住宅・インテリア空間が求められるようになりました。空間を彩る化粧材としても、人へのストレスが少なく、地球環境にも配慮した“人と環境にやさしい”製品が求められています。
こうしたニーズに対してDNPは今回、フローリングに必要な従来の機能を維持しながら、丁寧に仕上げた無垢材から感じる艶や手触りまでの質感を高めた「DNP EBオレフィンシート サフマーレ フロア プレミア」を開発しました。
【「サフマーレ フロア プレミア」の特長】
1.艶を抑えることで、不快な光の反射や表面の白濁現象を低減
新たに開発した特殊コーティングによる本製品は、日光や照明によってフロア表面に生じる光の反射や白濁現象を低減し、目に優しい柔らかな反射光にします。この効果により、鉋(かんな)で丁寧に仕上げた無垢材のような落ち着いた“低艶感”を表現できました。
2.シルクのような心地よい手触り
本製品の特殊コーティング層が、滑らかに仕上げた木地やシルクに近い凹凸の起伏と幅を形成することで、心地よい手触りを実現しました。表面の滑りやすさを計測したところ、シルクに近い摩擦値が確認できました(DNP調べ)。
3.製造における温室効果ガスの排出量削減など環境に配慮
電子線硬化型インキを使用するDNP独自のEBコーティングは、熱硬化型インキで生産した場合と比べ、温室効果ガス(GHG)の排出量を約15%、揮発性有機化合物(VOC)排出量を約30%低減できます*3。
【今後の展開】
DNPは集合住宅や一戸建て住宅への導入に向けて、ハウスメーカーや建材メーカーなどに当製品を販売し、2024年度までに累計約4億円の売上を目指します。
なお、本製品は、DNP社員を窓口に社外のパートナーにご利用いただいているプレゼンテーション&コラボレーション施設「P&Iラボ・東京」の「Technologyエリア」に展示しています。
*1 EB(Electron Beam:電子線)コーティング : 塗工した樹脂を電子線の照射で硬化させる技術。ウレタンやUV樹脂をコーティングした製品に比べ、傷・汚れ・日光等に強く、高い耐久性と実用性能、品質安定性を確保できます。製造工程での省エネルギー化やCO2排出量削減、無溶剤塗工も可能な次世代型の環境対応技術です。
*2 サフマーレ(Safmalle): SAFE(安全な・危険のない)とMALLEABILITY(適応性・順応性)という言葉を組み合わせたDNPの建材用オレフィンシートの総称。「環境・健康配慮」を意味する造語。DNPは、焼却しても有害なガスがほとんど発生しない環境配慮材料のオレフィンの活用や、シックハウス症候群の原因とされる化学物質の不使用など、環境や健康に配慮した製品開発を推進しています。また、EB樹脂のバランス設計によって用途に合わせた機能を付与することで、MALLEABILITYを実現しています。
*3 DNPの製造工程で、熱硬化型インキとEB硬化型インキの同一量を塗工した場合のシミュレーション。
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