国産アカマツを使用した強度試験と試設計を実施
大東建託株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:小林克満)は、2022年、けせんプレカット事業協同組合(本社:岩手県気仙郡住田町、代表理事:泉田十太郎)、国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所(茨城県つくば市、理事長:浅野透、以下「森林総合研究所」)および岩手県林業技術センター(岩手県紫波郡矢巾町、所長:西島洋一)協力のもと、100%国産ランバー材による枠組壁工法(以下、2×4工法)建築物の実現を目指し、アカマツの強度試験を実施しました。木材を多く利用する企業の責任として国産材利活用を積極的に行い、建設業界の技術革新と森林・林業保全への貢献を目指します。
<ポイント>
● 2×4工法材としての試験データが少ない国産アカマツの強度試験を実施
● 強度試験の結果、アカマツが当社が定める強度基準を十分に満たしていることを確認
● 試験結果をもとに、アカマツを使用した2×4建築物の試設計を実施
- アカマツの強度試験を実施し当社の定める強度基準への適合を確認
アカマツは、床を支える床根太、屋根面を構成する垂木などの水平方向に架け渡される構造材である横架材に必要な強度を満たしていると評価されていますが、2×4工法材としての試験データが少なく、2×4工法建築における構造材としての利用が進んでいませんでした。
そこでこのたび、けせんプレカット事業協同組合、森林総合研究所、岩手県林業技術センターの協力を得て、岩手県を中心に伐採期を迎えたアカマツを使用し、アカマツが当社の定める強度基準に適合するか強度試験を実施しました。本試験では、寸法型式204、206、210のアカマツ材を使い、曲げ・引張試験を実施。試験の結果、アカマツは当社2×4工法建築物の床根太や垂木等に求められる強度基準を十分に満たしていることを確認しました。
- 100%国産ランバー材による2×4工法建築物の実現を目指す
新型コロナウイルス感染症の流行を発端としたウッドショックや、気候変動抑止に向けた森林保全、国内の林業・木材産業保護などの観点から、国産材の利活用は建設業界全体の重要課題です。木造の賃貸集合住宅を主力商品に据える当社グループにおいても、「大東建託グループ 7つのマテリアリティ」で「持続可能な木材の調達と活用」を重要課題に掲げており、2009年に当社の建設する賃貸集合住宅に初めて国産スギ材を採用したことを皮切りに、国産材利活用や森林保全の取り組みを進めてきました。
当社は、アカマツの2×4工法材として利活用を進めることで、100%国産ランバー材による2×4工法建築物の実現を目指します。また、更なる国産材利用促進に向け、アカマツ以外の樹種についても研究を進め、建設業界の技術革新と国産材利用を国内の森林・林業保全に貢献していきます。
- アカマツを使用した2×4工法建築物の試設計を実施
今回の試験結果をもとに、岩手県を含む東北地域での供給が多い当社2×4工法建築物にアカマツを採用した場合の試設計を行いました。建設地域の木材活用による地産地消が促進することで、地域の林業振興・地域創生に貢献するだけでなく、物流によるCO2排出量の抑制も期待できます。
【大東建託ニュースメディア”KENTAKU PRESS”】
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