第9回ものづくり日本大賞 九州経済産業局長賞受賞をうけて
中興化成工業(本社:東京都港区、代表取締役:庄野 直之)が長崎県松浦市で製造する『高透光性建築膜材料EF-200』が第9回ものづくり日本大賞 九州経済産業局長賞を受賞しました。
ものづくり日本大賞は経済産業省、国土交通省、厚生労働省、文部科学省が連携し、平成17年より開催しており、今回で9回目を迎えます。
九州経済産業局長賞は、経済産業省九州経済産業局管轄地域から申し込みのあった企業が審査を経て表彰される賞となります。
写真:受賞した高透光性建築膜材料EF-200
- 高透光性建築膜材料EF-200とは
今回受賞した高透光性建築膜材料EF-200(以下:EF-200)は、多くの物件に採用されている従来のふっ素樹脂膜材料FGTシリーズ(以下:従来品)よりも、透光性が高く、屋根にも拘わらず透光率が50%~70%、建物の室内照度は5万Lxもある製品です。(*1)
商業施設の照度を大きく上回る十分な照度を得られるEF-200は、透光率50%の場合、約60%の照明効果削減が可能と想定され、CO2排出量削減に繋がるグリーンな屋根材になります。また災害時には電力供給が滞る中で室内に十分な自然光が届くため、日中の電力確保の心配もありません。
- 従来品との違い
1)樹脂の違い
従来品は原料にふっ素樹脂PTFEを採用しています。PTFEは乳白色で製造直後は茶色ですが、紫外線により白くなりその状態を維持し、光の透過には限界がありました。
しかし、EF-200は原料にふっ素樹脂ETFEを採用。ETFEは透明性のあるふっ素樹脂のため、PTFE以上に光を透過することが可能となりました。
2)基材の違い
従来品のガラス繊維織物は、平織と呼ばれる織物を使用していましたが、EF-200は、より光を通すことを目的に、開口部分を大きくした織物を使用しています。そのため、被覆している樹脂のETFEの透明性とガラスクロスの開口部から多くの光透過性を得ることができるようになりました。
写真:従来品との透光性の比較
- 国内外の物件に採用に期待
従来品は白色の為、印象が明るく意匠性などを求める公共施設やスタジアムなど大規模な建築物への採用が多くありました。(例:東京ドーム、高輪ゲートウェイ駅など)それに対して、EF-200は透明性に長けているため、ポリカーボネート製の屋根材など既存の透明な屋根材への代用や転用が見込まれます。
屋外駐車場の屋根など一般に広く採用されている、ポリカーボネート製の建築材は積雪などの重みで屋根が倒壊した場合、落下被害が大きいのに対し、EF-200は軽量のため被害を最小限留めることが可能であり、従来の屋根膜材では採用されていない、これまでとは異なる場所への普及が期待されています。
製品についての詳細は当社WEBサイト製品ページをご覧ください。
https://www.chukoh.co.jp/products/skytop/ef-200/
以上