金曜日, 11月 22, 2024
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株式会社LIFULL ArchiTechと名古屋工業大学、南知多町が「インスタントハウスの施工技術を応用した耐震改修と断熱補強による空き家の利活用促進実証事業」を開始

国土交通省 令和4年度「住宅市場を活用した空き家対策モデル事業」に採択

事業を通して社会課題解決に取り組む株式会社LIFULLのグループ会社である株式会社LIFULL ArchiTech(ライフルアーキテック)(以下LIFULL ArchiTech、本社:東京都千代田区、代表者:北川 啓介、小池 克典)は、国立大学法人名古屋工業大学(以下名工大、学長:木下 隆利、所在地:愛知県名古屋市)及び南知多町(町長:石黒 和彦、所在地:愛知県南知多町)と共に、これまで市場に流通させることができなかった老朽化した空き家の利活用を容易にするべく、2022年11月15日(火)よりLIFULL ArchiTechが保有するインスタントハウスの施工技術を応用した、低コストで耐震性能及び居住性能を向上させる技術の実証事業を開始しました。大規模改修が必須となるため、放置されやすい老朽化した空き家を耐震性と居住性が担保された状態で一時的に延命し利活用することで、将来的に必要となる解体に係る費用を捻出可能とする事業モデルの構築を目指します。

株式会社LIFULL ArchiTechと名古屋工業大学、南知多町が「インスタントハウスの施工技術を応用した耐震改修と断熱補強による空き家の利活用促進実証事業」を開始のサブ画像1_インスタントハウス施工例インスタントハウス施工例

 

 

  • インスタントハウスの施工技術について

インスタントハウスは、東日本大震災をきっかけに開発された簡易住宅です。施工方法は、外形の三次元形状に加工した膜素材を膨らまし、その内側から空気含有量の高い軽量な素材を定着させます。形状や大きさも必要に応じて自由に選べ、質量が小さいことから素人でも制作が簡便で、ひとつの建屋の工期は数時間と短く、断熱性や遮音性が高く、廉価性・簡便性・速度性・技術性・汎用性にも優れています。

https://instantproducts.lifull.net/house/

 

  • 具体的な取組み内容

国土交通省の令和4年度「住宅市場を活用した空き家対策モデル事業」に2022年7月12日付で採択を受け、LIFULL ArchiTech、名工大、南知多町の3者が連携し、下記の取組みを行います。

① 南知多町内の空き家調査及び選定
南知多町内の空き家を調査し、実証試験の対象となる空き家の選定を行う。

② 名工大内で制作した空き家モデルにおける構造面でのインスタントハウス施工技術の実証試験及び検証
実証試験の対象となる空き家を模したモデルへのインスタントハウスの施工実験、耐震性能及び居住性能の検証、検証結果の取りまとめを行う。

③ 南知多町内の空き家を活用したインスタントハウス施工技術の実証試験及び検証
実証試験の対象となる実際の空き家への施工実験を行い、耐震性能及び居住性能の検証、検証結果の取りまとめを行う。

④ 大学生によるデザインコンペティションの実施
名工大をはじめとした建築を学ぶ学生向けに、施工後の空き家見学会及び内装のデザイン案を募集するコンペティションを2022年12月1日(木)より行い、2023年1月22日(日)の最終審査会において実際に採用されるデザイン案を決める。

⑤ 解体費用捻出に向けた事業モデルの構築
将来的な解体に係る費用の捻出を目的に、施工後の空き家を利活用する事業モデルを検討する。

これらの取組みにより、期待される効果は下記の通りです。
・活用見込みの低い老朽化した空き家を低廉で改修し市場に戻すことで、空き家バンク(※1)への登録数を増加させる。
・空き家問題の大きな課題である耐震性を担保することで、インスタントハウス施工技術を耐震改修の新たな手法として普及させる。
・施工後の空き家の利活用により収益化を図り、将来の解体費用を捻出することで、特定空き家(※2)等の発生を予防する。

※1:空き家の売却又は賃貸等を希望する所有者等から申込みを受けた情報を、本町への定住等を目的として空き家の利用を希望する者に対し紹介する制度。LIFULLは国土交通省の「全国版 空き家・空き地バンク」のモデル事業に採択された「LIFULL HOME'S空き家バンク」を運営しています。
https://www.homes.co.jp/akiyabank/
※2:国土交通省が示している基本指針である「倒壊などの著しく保安上危険となる恐れがある状態」「著しく衛生上有害となる恐れがある状態」「著しく景観を損なっている状態」「放置することが不適切である状態」の4項目のいずれかに該当する空き家のこと。
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001448325.pdf

 

  • 本事業実施の背景

南知多町の空き家は経年劣化が進んだ物件が多く、6割以上が旧耐震基準のものであり、行政は空き家の利活用者に対し耐震診断と耐震改修を実施するよう指導しています。しかしながら、一般的な工法による耐震改修を実施すると高額な施工費を要するため、低廉な価格を求めて空き家を活用したいという活用者側の需要に反してしまう状況があります。その結果、空き家が多数存在するものの活用が促進されず、将来的に必要な解体費用を得ることのない空き家が放置され続け、その老朽化の進行によって特定空家等が年々増加し、空き家対策事務の大きな負担となっています。
そのため、今まで市場に流通させることができなかった空き家の活用促進を目指し、LIFULL ArchiTechが保有する「インスタントハウスの施工技術を応用した低コストで耐震性及び居住性を向上させる耐震改修の技術」を確立するために実証試験を実施することとなりました。また空き家の活用によって収益化を図り、将来的に必要となる解体に係る費用の獲得が可能な事業モデルを構築することで、行政負担に依らない民間主導の自走化を目指すものです。

 

  • 各所コメント

<株式会社LIFULL ArchiTech 代表 小池 克典>

インスタントハウスの技術を老朽化した空き家の利活用に応用することで断熱補強・耐震構造補強を、経済合理性を伴い叶えたいと考えております。本PJが実現することで外観はそのままで住環境を改善できることで、いわゆる「スクラップ&ビルド」による街の景観を損なうことのない持続可能な街づくりを目指していきたいと思います。

<株式会社LIFULL ArchiTech 代表 兼 名古屋工業大学大学院工学研究科 教授 北川 啓介>

年月の移り変わりで、住むには十分ではなくなってしまった空き家は、日本国内のみならず海外でも大きな社会課題となってきています。今回は、インスタントハウスの技術を応用して、南知多町の空き家をファーストケースに、あたかも心臓救命装置のAEDのように、環境性能、構造性能、意匠性能、利便性能など、全てを、安価に、数時間で、蘇生してまいります。家がない難民や貧困地域の人々を含め、一日も早く、世界中の住まいの向上と充実を達成していけるよう尽力してまいります。

<名古屋工業大学大学院工学研究科 教授 井戸田 秀樹氏>

南海トラフ巨大地震の被害想定によると、南知多町での建物倒壊による死者数は最悪の場合400人と、人口を考慮すると愛知県の市町の中では断トツ1位となります。地震で住宅が倒壊すると、瓦礫の撤去、仮設住宅の建設、被災者への見舞金等で行政は数千万円の費用が必要になりますが、一般的な住宅の耐震改修費用は150〜200万円程度であり、耐震改修費用の補助制度を充実させて住宅の耐震化を促進させることは、行政にとっては圧倒的な出費の削減になります。また建物の耐震化が進むことで、地域全体の安全・安心につながり、町全体の価値も上がることから、多くの人にとって魅力的な地域となります。今回の事業を通じて、耐震改修があたり前となっていく雰囲気をつくっていくことができればと思います。

<南知多町 町長 石黒 和彦氏>

南知多町は発足以来人口が減り続け、愛知県内で最も高い空き家率となっております。また、空き家の多くは手作業しか解体できない密集した地区にあり、高額な解体費用が所有者の負担になっております。本実験により売ることも壊すこともできなかった空き家を有効に活用することができれば、所有者の助けになると期待しております。

 

LIFULL ArchiTechは世界中のあらゆる人々が安心で快適な住環境を気軽に叶えられるよう、これまでにない斬新な建築手法で実現した「Instant Products」を提供しています。

人々が生活する上でどこにでも存在する「空気」に着目し、ドーム型の生地を空気によって大きく膨らませて、内側からウレタン材を吹き付けるといった建築手法により、これまで一般的とされてきた建築物に比べ、生地とウレタン材のふたつのみのシンプルな構造にも関わらず、極めて高い利便性、快適性を確保しました。形も大きさも機能も自由自在に変更でき、多様なシチュエーションに対応することで、世界中の人々に安心安全な住環境を提供したいと考えています。

 

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