金曜日, 11月 22, 2024
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3次元点群を利用した、建物傾斜量の計測サービス 11月1日から受付開始

高精度3Dレーザースキャニング測量により実現

 不動産の表示に関する登記の資格専門業である菊池豪土地家屋調査士事務所(東京都墨田区、代表:菊池豪)は、新規事業として2022年11月1日(火)に高精度3Dレーザースキャニング測量で得た3次元点群データを利用する、建物傾斜量の計測サービスを開始します。
 以前から問題となっている不同沈下・不等沈下が疑われる建物の内外を、汎用機として世界最高水準の精度をもつ機器で測量し、高精度の3次元点群データを入手。 この測量データを、当事務所で考案した独自手法・応用手法を用い解析することにより、対象建物の床または壁の傾斜発生箇所および傾斜量を正確に計測します。
 下げ振り・水盛管・気泡水準器・レベル機器等を用いた従来の測量方法と比べて、網羅性・正確性・所要時間が大幅に改善されていることが特長です。 また、同一現場の竣工時点と数年後のデータを合成することで、躯体形状の経時比較も可能です。
 一般の消費者をはじめハウスメーカー、商業施設、アセットマネジメント会社、地盤保証機構、損害保険会社からの依頼を想定し、要員の確保や専用の高速ワークステーションの導入など、法人需要に応じた実施態勢を整えています。

1.使用機材/高速・高精度の3Dレーザースキャナー

■BIM、CIM等、広く活用が進む3Dレーザースキャナー
■一般的な戸建家屋の場合は、20~40箇所に測量機を設置して観測します。
■小型化(広辞苑程度)、高速化(1箇所あたり約2分間)、高精度化(誤差3mm、傾斜角精度0.005度) の実現にり、依頼者(≒居住者)の負担低減と解析に必要なデータの取得との両立が可能になりました。

3次元点群を利用した、建物傾斜量の計測サービス 11月1日から受付開始のサブ画像1

    Leicaジオシステムズ社製RTC360  撮影地:東京TORCH D棟           

 

3次元点群を利用した、建物傾斜量の計測サービス 11月1日から受付開始のサブ画像2

                     IMU(慣性計測装置)等

2.測量風景(現地)
■一般的な戸建家屋の場合は、20~40箇所に測量機を設置して観測します。

3次元点群を利用した、建物傾斜量の計測サービス 11月1日から受付開始のサブ画像3_③測量風景(屋外)③測量風景(屋外)

建物の外壁を測量  撮影地:群馬県嬬恋村

・建物の周囲に7~10m間隔で設置。
・測量機の設置1箇所あたりの観測時間は、
 約2分間程度。

 

3次元点群を利用した、建物傾斜量の計測サービス 11月1日から受付開始のサブ画像4_④測量風景(屋内)④測量風景(屋内)

建物の内部を測量  撮影地:群馬県嬬恋村

・建物の内部、1部屋あたり1~3箇所に設置。
・測量機の設置1箇所あたりの観測時間は、屋外と同様に約2分間程度。
・測量時、室内に家財道具がない場合は、解析の正確性が向上します。

 

3次元点群を利用した、建物傾斜量の計測サービス 11月1日から受付開始のサブ画像5_⑤測量風景(歴史的建物)⑤測量風景(歴史的建物)

その他  撮影地:東京都港区三田

・歴史的建物も測量対象。
・建物の装飾など意匠性が高い箇所は、高密度モード
 で観測します。
・取得した点群データは座標値のほかに色情報を
 含んでおり、建物の「3次元デジタル保存」とも
 いえます。
・商業施設等のデータ公開では、カスタマー自身での動線等の事前確認に役立ちます。

3.点群データ上での解析

■点群データは、現実の建物を写し取った無数の点の集合体です。(これらの点は、正確な座標値XYZを保有しています。)
■また、コンピューター画面に表示される点群データには、IMU(慣性計測装置)等で取得した正確な「水平・垂直方向の情報」も含まれています。
■これらの水平方向垂直方向が非常に正確であるため、コンピュータ画面に表示した点群データ上で床面・壁面の傾斜を正確に計測することが可能になりました。
■弊所では、2種類の方式を組み合わせて、「建物の部分的な歪み」と「建物全体の不同沈下」も判別します。
■重要な計測値は、複数名の実務者のダブルチェックで正確性を確保。(医師によるCT像の読影に似ています。)

 

3次元点群を利用した、建物傾斜量の計測サービス 11月1日から受付開始のサブ画像6_⑥点群操作画面(床面沈下量)⑥点群操作画面(床面沈下量)

床面沈下量の比較方式

(点群操作画面/Trend-Point)

・室内数十箇所の高さを、比較。
・点群データの1点ごとに色情報が含まれており、
 写真のように見えています。
・使用ソフトは画角90度で表示できるため、
 6畳間全体の俯瞰が可能。
・多少の家具があっても計測は可能。
 (もれの無い解析には、移動が望ましい。)
 

 

  
 

3次元点群を利用した、建物傾斜量の計測サービス 11月1日から受付開始のサブ画像7_⑦点群操作画面(外壁移動量)⑦点群操作画面(外壁移動量)

 壁面移動量の比較方式

(点群操作画面/Trend-Point)

・「画面内の外壁近傍に作成した鉛直線」から
 外壁までの距離を計測。
・上下数ケ所の値を比較し、その差が壁面の移動 
 量です。(数値がゼロ=傾きがない)
・この建物の場合は、最大移動量4ミリメートル。
・測定誤差等を考慮すると判定は、「垂直(鉛  
 直)に存立」となります。

 

 

4.サービス料金(消費税込)

現地測量
 30万円  (延床面積90㎡まで。 以降10㎡毎に3万円加算)
計測(データ解析) 
 30万円  (延床面積90㎡まで。 以降10㎡毎に3万円加算)
■上記①および②の合計が、サービス料金です。
■お客様から点群データを提供していただく場合は、②のみで承ります。
■対象地域:日本全国(遠距離の場合、交通費別途)
■標準納期:正式受注後1~2カ月 ※天候等の影響があるため、確約はできません。
■成果物:①点群データ
      (e57ほか各種ファイル形式に対応)
     ②ビューワーソフト
      (点群データ・計測値・コメント等入力済み。お客様にて任意の箇所の追加計測が可能です。)
■その他:現況と登記情報との不一致が判明した場合は、「表示変更登記の申請」をご提案します。

5.実施の意義

■建物の傾斜が疑われ問題化したケースで、傾斜の有無とその程度について、居住者および施工者間の見解が異なる場合があります。 これは、特別に繊細な方が感知する微少な傾斜については、施工者にとって水平復元工事の費用負担が困難なために生じるトラブルです。 ※傾きと健康被害との関係は、事項「ご参考」をご覧ください。
■本サービスは、利益が相反する両者に、網羅的・定量的な成果を報告する事で、問題解決のための公平な機会の創出を支援します。(※1)
■また、竣工時期のほか必要に応じた追加測量の実施により、「対象建物の水平性」を把握・管理する客観資料になり得ます。
■具体的には、竣工後のアフターメンテナンス調査や、不動産デューデリジェンスの1項目としての採用が考えられます。
※1:壁面移動量の計測は、内閣府『災害に係る住家の被害認定基準運用指針』における計測手法を、踏襲しています。

6.建物の傾きによる健康被害(ご参考)

建築勾配3/1000(0.17度):瑕疵は、ほぼ無い。
建築勾配5/1000(0.29度):傾斜を感じる。
建築勾配8/1000(0.46度):傾斜に対して強い意識、苦情の多発。
建築勾配10/1000(0.6度):めまいや頭痛が生じて水平復元工事を行わざるを得ない。
建築勾配35/1000(1.9度):めまい、頭痛、はきけ、食欲不振などの比較的重い症状。

※本サービスで使用する測量機器の傾斜精度は、建築勾配0.087/1000(0.005度)です。

<参考文献>
日本建築学会 住まい・まちづくり支援建築会議 情報事業部会 『復旧/復興支援WG「液状化被害の基礎知識」』
http://news-sv.aij.or.jp/shien/s2/ekijouka/health/index.html

7.実務担当者コメント

協働職員 測量士・土地家屋調査士 細井斉明        
 最新の設備と独自の技術、そして今までの測量業務で培った経験を、「建物傾斜量の計測サービス」にも活かし、お客様の『ご満足』に貢献して参ります。 具体的には、中間工程専用プログラムの導入をはじめ、フォトグラメトリーデータ合成の適正化、3次元座標変換、公共座標系取付け等、ジャンルに拘泥しない様々な事柄で適切な助言をできるように、研鑽に努めています。

8.菊池豪土地家屋調査士事務所について

3次元点群を利用した、建物傾斜量の計測サービス 11月1日から受付開始のサブ画像8

 2010年に独立開業した菊池豪土地家屋調査士事務所は、同業者と同様に土地または建物の調査・測量・登記申請を業務としてきました。 この間、代表者の前職である百貨店業特有の哲学を参考に、「登記簿に載せる事が仕事であるが、登記簿には載らずとも大切な 『安心感』 も、お客様に提供する」 をモットーとして、今日まで事業を継続することができました。 
 この度提供を開始する新サービスは、およそ12年前に着想されたささやかなアイデアが発端ですが、実務化の面ではかなり無謀なアイデアであり、これまで実現には至りませんでした。 しかしながら現在、問題となっていた測量機器・コンピューター・ソフトウェアの性能が文字どおり飛躍的に向上し、実務上の要求水準を満たすまでにいたりました。つまり環境的な課題が、ついに解決したわけです。 また、同時期に経済産業省「ものづくり補助金」の対象事業としても特別枠で採択され、大きな財政的支援を得ることができました。 これは、金銭面で有難いのは当然ですが、一方、事業計画そのものを第三者に理解していただけた事でもあり、これが本日まで私どもの大きな励みになっています。 
 今後は、この「建物傾斜の定量的な評価」という新たな価値を、安心感とともに多くのお客様に提供することにメンバー一同注力してまいります。

【会社概要】

3次元点群を利用した、建物傾斜量の計測サービス 11月1日から受付開始のサブ画像9

社名:菊池豪土地家屋調査士事務所(略称:菊池事務所)
所在地:東京都墨田区両国二丁目5番10号 第1菊池ビル6F
代表者:菊池 豪
事業内容:土地または建物に関する調査・測量・登記
設立:2010年6月
電話番号:03-6659-9653  FAX:03-6659-9654
HP: https://www.oneborder.net/
メールアドレス:kikuchi@oneborder.net

 

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