大和ハウス工業株式会社( 本社:大阪市、社長:芳井敬一)は、公益財団法人日本デザイン振興会が主催する「2022年度グッドデザイン賞」に応募し、「戸建住宅」、「中〜大規模集合住宅」、「中〜大規模集合住宅関連のサービス、システム/HEMS」の3部門において、3プロジェクトが受賞しました。
■ 2022年度グッドデザイン賞受賞プロジェクト
■グッドデザイン賞について
グッドデザイン賞は、1957年に創設された日本で唯一の総合的なデザイン評価・推奨の仕組みです。デザインを通じて産業や生活文化を高める運動として、国内外の多くの企業やデザイナーが参加しています。これまでの受賞件数は、50,000件以上にのぼり、受賞のシンボルである「Gマーク」はよいデザインを示すシンボルマークとして広く親しまれています。
●グッドデザイン賞公式WEBサイト URL:www.g-mark.org/
■戸建住宅部門受賞
●戸建住宅
「Wood Residence MARE-希-(マレ)」 大和ハウス工業株式会社
「Wood Residence MARE-希-」は、デザインや素材などにこだわり抜いた、自由設計の当社最高級戸建住宅商品です。
当商品は、これからの邸宅の在り方の一つとして、風土に合った「日本の家」という原点に立ち返り、伝統的な美意識や素材を現代的に表現した戸建住宅です。自由度の高い木造と敷地対応力の高いRC造を組み合わせた混構造を採用することで、大空間および大開口が生み出す開放的な空間を実現。傾斜地や高低差のある敷地形状を活かした地下室や地下ガレージの提案も可能にしました。
また、天竜スギや青森ヒバ、ナラ、カシなどの国産木材を使用し、素材感を活かしたデザインとするとともに、木造部の構造用集成材に国産ヒノキを使用することで、国産材需要の喚起にも配慮しました。
【デザインのポイント】
●木造とRC造を組み合わせた混構造とすることで、大空間および大開口が生み出す開放的な空間や、1階の床の高さを低くし、庭との高い親和性を実現
●1階は大開口、2階は高い位置に開口を設けることで、明暗の差をつくり、入射光に緩急をつけ、少しずつ弱まる光の美しさを表現
●天竜スギや青森ヒバ、ナラ、カシなどの国産木材を活かし、国産材需要の喚起に配慮
◎受賞評価コメント
建築界は木造、非木造という縦割りの枠組みに拘りすぎた傾向があるように思う。森林資源の循環型活用を図るならば、木材利用を社会の隅々に浸透させ、随所でその良さを発揮していくことが大切だ。ここで試みた木造とRC造の混構造は、まさに木造と非木造の垣根を超える試みであり、木材だけ、あるいはRC造だけでは実現し得ないシンビオシス(共生)を創出している。設計事務所による一回性の試案ではなく、消費者に対して広範な影響力を持つハウスメーカーが、この垣根の克服に動き出したことも重要である。
■中〜大規模集合住宅部門受賞
●分譲マンション
「プレミスト京都西院」 大和ハウス工業株式会社(事業主体)、名鉄都市開発株式会社
「プレミスト京都西院」(京都府京都市)は、京都市内において特に建替えが進む西院エリアに位置する、地上9階建て、総戸数151戸のファミリー向け分譲マンションです。
外観は、京都らしい街並みを西院の街に再現することを目指し、京町屋が立体的に連続するように見えるように、ファサードをデザインしました。共用空間は、「集住」の楽しさを感じ、コミュニティが育まれる場所となるように、共用ラウンジは中庭に隣接させ、コミュニティの核としました。
古き良き街並みと新しい街並みが共存する街の個性を活かし、伝統的な京都の「集住」形態である京町屋の特性を、「立体町屋」としてデザインすることで、新旧が融合して住み続けられる分譲マンションを目指しました。
【デザインのポイント】
●京町屋に見られる伝統的で繊細なデザインを外観に取り入れた温かい心地よさを感じられるデザイン
●階段広場は、中庭の階段を築山に見立て、共用ラウンジと連続するコミュニティ空間
●多目的利用が可能な共用ラウンジは、中庭と隣接させ、集住の楽しさを感じる空間
◎受賞評価コメント
建築素材や大工技術のヴァナキュラリティ(特有性)を背景に、時の経過とともに重ね合わせられてきた京町屋の風景を、グローバルな流通システムや情報技術を背景に作られた建築を舞台に、デザインの力で再現しようという難易度の高いチャレンジだ。ファサードデザインでは、出部屋のボリュームの存在が各階プランの画一性を若干感じさせるが、その構成を打ち消すように、低層から上層に向かうに従って、素材の使い分けや間口のスケール操作、最上部パラペットの形態操作によって、昔の京町屋を彷彿とさせるデザインまで昇華させている。西院エリアは京都の中でも都市の再開発が進行中のエリアということだが、この住宅建築の伝統的な京都の様相を未来に受け継ごうという姿勢そのものが、今後の都市開発の動向に好ましい効果を発揮すると想像できる。