~社会的ネットワークの構築など3つの視点で探求~
旭化成ホームズ株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:大和久 裕二)と学校法人麻布獣医学園(所在:神奈川県相模原市、理事長:小倉 弘明)は3月16日、麻布大学内に設置した寄附講座(※1)「ペットと人の共生社会 for LONGLIFE」で取り組んでいる研究に関する中間報告会を開催しましたのでお知らせします。今回の報告会では、3つの研究テーマの発表と「都市のペット共生」をテーマとしたパネルディスカッションを行いました。
※1:https://www.asahi-kasei.co.jp/j-koho/press/20250515/index/

Ⅰ.寄附講座「ペットと人の共生社会 for LONGLIFE」について
本共同研究では、ペットと人が安心して暮らせる社会の形成に向け、以下の3つ視点から研究を推進しています。
1.住環境の整備
住宅・街区設計、動線、時間帯など“共生を支える空間・時間”の設計
2.コミュニティの形成
挨拶・交流・共助が自然に生まれる仕組みづくり
3.社会的ネットワークの構築
自治体・大学・企業・地域と連携した共創モデルの創出
Ⅱ.研究テーマについて
Ⅰの視点からテーマを下記の3つに設定しました。
1.住環境の整備:微生物を介したペットと人の共生
2.コミュニティの形成:地域社会におけるイヌの介在と社会関係性の創出
3.社会的ネットワークの構築:ペットと人の相互ケア体制の構築
中間報告会では、1及び2について発表を行いました。
1.住環境の整備:微生物を介したペットと人の共生について
ヒトとイヌが共有する微生物(マイクロバイオーム)が心身の健康に与える影響を探る研究。飼育の有無で住環境の微生物構造が異なること、イヌとの接触が子どもの心理的Well-beingに良い影響をもたらす可能性が確認されました。今後は都市部での実証を進め、健康的な住環境設計への応用を目指します。
2.コミュニティの形成:地域社会におけるイヌの介在と社会関係性の創出について
イヌは都市において人と人をつなぐ媒介者として機能することに着目。調査では賛否の対立ではなく、多くが「無関心層」であることが明らかになり、摩擦の背景には“すれ違い”や情報不足があると判明しました。イヌを介したあいさつや会話が、地域の安心感や防災意識など社会関係資本の形成にもつながる可能性が示されました。
Ⅲ.対話型ヒアリング:「飼育者・非飼育者」混成グループインタビューの結果
飼育者・関心者・非関心者が同席する混成グループでの対話を通じ、立場の違いによる「すれ違いの構造」を可視化し、共生に必要な視点を探りました。
分離ではなく「見える配慮」が共生を促進
調査データから、非飼育者には「特に気にならない」という層が多いことが明らかになりました。一方で、飼育者と非飼育者が社会で安心して共存するためには、飼育側の配慮を「見える化」することが重要であることがわかりました。具体的には、排泄物の処理袋や水を携帯する、リードを適切な長さで持っているなどを見えるようにして散歩すると、非飼育者にとっても安心感をもたらす要素になります。
また、触っても良いか、人見知りなのかなど犬の個体差を示すサインがあれば、関心のある非飼育者にとって行動判断がしやすくなるとの声も多く聞かれました。
社会実装に向けたアイディアとして「時間と状況を見せる」「個体差サインを使う」など、互いの状況が見える仕組みが、共生につながると議論しました。
Ⅳ.今後の展望
今後は、共同研究データのさらなる蓄積と都市部での実証を進めつつ、犬を介したコミュニティ形成の可能性、住まい(屋内外)のデザイン、防災や福祉との連携など、暮らし全体を捉えた“共生のかたち”を探求していきます。旭化成ホームズと麻布大学は、暮らしに寄り添った研究と実践を重ね、人・動物・地域が支え合う都市モデルの構築を目指してまいります。