建物の省エネ性能とワークプレイスとしての快適性を最高水準で両立
YKK AP 株式会社(本社:東京都千代田区、社長:魚津 彰)は、製造部門の本部機能および本社機能の一部のオフィスを構えるYKK AP30ビル(富山県黒部市)が、建物で消費する年間の一次エネルギーの収支を正味ゼロ以下にする『ZEB』(※1)、および建物で働く人の健康・幸福に焦点を当てた国際評価制度「WELL Building Standard™(以下、WELL認証)」(※2)最高ランクのプラチナを取得しましたので、お知らせします。これを記念して3月中旬、同ビル敷地に竣工銘板を設置しました。

YKK AP30ビルは「杜の中のオフィス」をコンセプトに、自然環境と社員の健康・ウェルビーイングに配慮した建物として 2024年に竣工。2024年11月にBELS評価(※3)にて最高ランク★6つを獲得し『ZEB』、2025年11月には、建物の設計・運用に人間の健康・幸福の評価軸を取り入れた世界基準の評価制度「WELL認証」の最高ランク「プラチナ」を取得しました。

『ZEB』の取得は建物の外皮断熱性能が重要である一方、「WELL認証」は自然光の取り込みや眺望を得るための開口部の確保が推奨されるため、両方の認証を得るには建物に開口部を設けながらも高い断熱性が求められます。YKK AP30ビルでは自社製のフルハイトのビル用窓「SYSTEMA 31」を採用して明るく開放的な空間を実現しながら、建物全体のエネルギー効率を極限まで高めることで、「環境負荷の低減」と「健康で快適なオフィス」の両立を追求し、各認証の最高水準を取得しました。
「人は生涯の90%を室内で過ごす」(※4)とも言われています。その多くを占める職場の執務環境を最適化し、従業員が安全・安心・快適に最大限のパフォーマンスを発揮できる場を整備しました。

『ZEB』取得について
建物全体の省エネ技術として、風・光・水などの環境を有効活用して自然エネルギーを適切に享受できる空間を構成。風環境では建物形状に深い軒や勾配屋根を設けて風を取り込みやすくしながら、自然換気窓「EXIMA 31 バランスウェイ」等により⾃然通⾵・換気が可能です。富山県特有の季節風「あいの風」を取り入れ、冬の冷たい風や吹雪、夏の日差しや熱風から住まいを守る役割を持つ伝統的な屋敷林「カイニョ」の 知恵を植栽計画に取り込み、風と光をコントロールできるデザインと機能を持たせました。

光環境においては、執務エリアの全方位に高さ2.4mのフルハイト窓や、建物中央部へ光を届けるハイサイドライトを設置し、明るさを確保しながら日中の照明電力を削減しました。これらの開口部には、YKK APのビル用窓「SYSTEMA 31」を採用。中間空気層12mmの複層ガラスを用いた断熱構造により、窓面からの熱の出入りを最小限に抑制します。スリムなフレームで自然光を最大限に取り込みつつ、空調負荷を大幅に低減させることで、『ZEB』取得に大きく貢献しました。
水環境では敷地内に自噴する井水を空調等に利用。黒部川扇状地の地下水が年間を通して豊富で安定した水温であるため、空調設備の熱源に井水を使用して高い省エネ効果を発揮しています。また、創エネ技術として太陽光発電を導入しエネルギーを創出。これらの取り組みにより、年間のエネルギー収支をゼロ以下に設計しています。

「WELL認証」プラチナ取得について
建物で過ごす人々が身体的・精神的にも良好な状態であることを目指して、空気・光・水といった物理的な環境から、食事・こころの健康に至るまで人に寄り添った空間を追求しました。建物の全方向を正面として設計し、執務エリアのどこにいても視界が開け、窓の向こうには黒部の景観が広がります。黒部市生地(いくじ)地区の「杜の中のオフィス」として、年間を通して柔らかな光、自然との繋がりを感じることで心身の環境を整えます。

自律的な働き方「EBW」(※5)の一環として、3階のカフェテリア(社員食堂)では地元の旬の食材や調味料を採用し、栄養成分やアレルギー表示を行うなど安全・安心な食事を提供しています。その他、黒部川を描いた階段アートやガラス面に描いた山の稜線など、自然を身近に感じながら地域への愛着と親しみを醸成しています。ジェンダーギャップの軽減として、生理用品を無料提供する個室設置型インフラ「OiTr」(オイテル)を北陸で初めて導入。一人ひとりの働きやすさを追求し、ウェルビーイングの向上を目指しています。

『ZEB』と「WELL認証」プラチナ、双方の認証の取得を記念して敷地内に竣工銘板を設置しました。今後もYKK APは、建築物の省エネ性能と、働く方々の快適性の向上を目指し、誰もが健康で幸せに、持続可能に暮らせる社会の実現に貢献していきます。

■「YKK AP30ビル」概要
|
所在地 |
富山県黒部市吉田200 |
|
設計 |
株式会社日本設計 |
|
施工 |
前田建設工業株式会社 |
|
構造 |
鉄骨造、一部鉄筋コンクリート造 |
|
竣工日 |
2024年10月 |
|
規模 |
延床面積:6,932㎡ 建物高さ:19.48m 階数:地上3階 |
|
従業員数 |
約200名(生産本部、管理部門) |
|
自社採用製品 |
「オーダーカーテンウォール」 ビル用窓「SYSTEMA 31」 ⾃然換気窓「EXIMA31 バランスウェイ」 木質インテリア建材「Smayell(スマエル)/フローリング(Nタフテクト)」 「リウッドデッキ200」 |
|
施設概要 |
執務スペース、会議スペース、エントランス・来客対応、食堂・厨房、展示スペース等 |
※1:「Net Zero Energy Building」の略。年間の一次エネルギー消費量が正味ゼロまたはマイナスの建築物を『ZEB』と定義している。
※2:公益企業IWBI(International WELL Building Institute)が運営する、ビルやオフィスなどの空間を「人間の健康・幸福」の視点で評価・認証する制度。評価項目は空気や水、食物、こころなど11のコンセプトから構成される。獲得点数によりプラチナ、ゴールド、シルバー、ブロンズの4つの認証レベルで格付けされる。
※3:「Building-Housing Energy-efficiency Labeling System」の略。建築物の省エネ性能を第三者機関が評価し、6段階の星の数で表示する認証制度で、一般社団法人住宅性能評価・表示協会が運営。評価指標はBEI(建築物エネルギー消費性能指標)と呼ばれ、「実際の設計値」÷「基準となる標準的な値」で算出。数値が小さいほど省エネ性能が高いことを示します。「BEI ≦ 0.5」がBELS評価★6つ取得の条件となる。
※4:米国環境保護庁(EPA)支援による国民行動パターン調査「National Human Activity Pattern Survey (NHAPS)」より
※5:「Environment Based Working」の略称。心身のコンディションや個々人の感覚で働く環境を選択する新しい働き方。