墨田区は東京23区の東部に位置し、東京スカイツリーや両国国技館など観光名所を擁する下町情緒あふれる街として知られています。今回実施した住民満足度調査では、交通の便から治安、自然災害への安全性まで幅広い観点から区民の声を集めました。都心へのアクセスの良さと充実した商業施設が評価される一方、物価や災害リスクへの不安も。この調査結果から見えてくる墨田区の住みやすさの実態をご紹介します。
本調査に関して
株式会社MEMOCO(本社:東京都渋谷区、代表:熊田貴行)は、同社が品質管理および記事制作を請け負うスムナラと合同で、男女111名を対象に、「墨田区の住みやすさ」についてのアンケート調査を実施しました。
調査概要
調査内容:「墨田区の住みやすさ」についてのアンケート調査
調査期間:2025年1月29日(水)〜2025年12月23日(火)
調査方法:インターネット調査(クラウドソーシングサービス)
調査人数:111人
調査対象:男性49人、女性62人
回答者について

回答者の年代
20代:約16%
30代:約35%
40代:約29%
50代:約15%
60代以上:約5%

回答者の性別
女性:約56%
男性:約44%
女性がやや多い構成となっています。性別による回答傾向の偏りを考慮しつつ、幅広い視点からの意見を収集できました。
「交通の便」の満足度について
墨田区は複数の鉄道路線とバス路線が充実しており、都心へのアクセスが良好です。JR総武線、東京メトロ半蔵門線、都営浅草線・大江戸線、東武スカイツリーライン、京成押上線など多くの路線が利用できます。住民の評価を見ていきましょう。

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大変満足している:約50%
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どちらかというと満足している:約45%
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どちらかというと不満:約4%
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不満:約1%
交通の便については約95%の住民が満足しており、墨田区の大きな魅力となっています。
複数路線が利用できる利便性が高評価
回答者からは交通の便について以下のような声が寄せられました。
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押上から色々なところに行ける。羽田・成田空港にも一本でアクセス可能
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JRやメトロ、都バスなどとても便利。全部で9路線が通っている
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どこに行くのにも色んな路線が直通とかあるので便利
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都心部へ30分以内でアクセス可能。東京、渋谷、秋葉原など行きやすい
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大江戸線もJRも使える。新宿まで電車で20分程度
複数路線が利用可能な立地は、通勤・通学だけでなく休日の外出にも便利です。特に押上駅は都営浅草線と京成線の直通運転により、空港へのアクセスが良好な点が評価されています。
「生活のしやすさ」の満足度について
日常の買い物環境は住みやすさを左右する重要な要素です。墨田区には大型商業施設から地域密着型のスーパーまで多様な店舗があります。住民の評価を確認しましょう。

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大変満足している:約46%
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どちらかというと満足している:約49%
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どちらかというと不満:約4%
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不満:約1%
生活のしやすさについては約96%の住民が満足しており、全項目中最も高い満足度を記録しました。
ソラマチと地域スーパーの充実が魅力
回答者からは買い物環境について以下のような声が寄せられました。
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ソラマチなど大きなショッピングするところがあるから便利
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錦糸町に行けばなんでも揃う。駅前で大体全ての買い物ができる
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近くにオオゼキや肉のハナマサ、ライフもあり選択肢が豊富
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コンビニが徒歩5分間隔であるので日常の買い物に困らない
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24時間営業のスーパーもあり、仕事帰りの買い物にも便利
東京スカイツリータウン内のソラマチを筆頭に、錦糸町のパルコ、マルイ、アルカキットなど大型商業施設が充実しています。一方で庶民的なスーパーや商店街も健在で、ニーズに合わせた買い物ができる点が高評価につながっています。
「物価」の満足度について
都内での生活において物価は重要な関心事です。墨田区は都心に近い立地ながら、下町エリアとしての特性も持ち合わせています。住民の評価を見てみましょう。

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大変満足している:約12%
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どちらかというと満足している:約51%
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どちらかというと不満:約29%
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不満:約8%
物価については約63%の住民が満足している一方、約37%が不満を感じており、評価が分かれる結果となりました。
都心と比較すれば安いが観光地価格も
回答者からは物価について以下のような声が寄せられました。
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高いけど23区なら安い方かなと思う
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下町なので都心よりは物価が安い印象
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安いスーパーや業務スーパーもあるので探せば安く買える
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観光地のため高く設定されている部分がある
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地価が上がっており、家賃相場も高くなっている
スカイツリー周辺の観光地化に伴い物価が上昇傾向にあるという声がある一方、地域のスーパーや商店街では比較的安価に買い物ができるという意見もあります。お店選びによって生活費をコントロールできる点は墨田区の特徴と言えるでしょう。
「商業施設・娯楽」の満足度について
墨田区には東京スカイツリータウンをはじめ、多彩な商業施設や娯楽スポットがあります。両国国技館や隅田川花火大会など歴史・文化的な観光資源も豊富です。住民の評価を確認しましょう。

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大変満足している:約45%
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どちらかというと満足している:約41%
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どちらかというと不満:約12%
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不満:約2%
商業施設・娯楽については約86%の住民が満足しており、高い評価を得ています。
スカイツリーと錦糸町で充実した休日を
回答者からは商業施設・娯楽について以下のような声が寄せられました。
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ソラマチがありなんでもできる。水族館やプラネタリウムも楽しめる
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錦糸町にはパルコ、マルイ、オリナスがあり映画も見れる
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両国国技館があり相撲観戦も身近に楽しめる
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隅田川の花火が自宅から見える。第一・第二会場どちらも楽しめる
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錦糸公園や隅田公園など広いスペースが多く遊び場として重宝する
東京スカイツリータウン内のソラマチにはすみだ水族館やプラネタリウムがあり、ファミリー層にも人気です。錦糸町エリアの商業施設も充実しており、日常的な買い物から休日のレジャーまで区内で完結できる点が評価されています。
「治安」の満足度について
住む場所を選ぶ際に治安は最も気になる要素の一つです。墨田区は下町の人情味あふれる街として知られていますが、一部エリアでは夜間の治安を心配する声もあります。住民の評価を見てみましょう。

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大変満足している:約23%
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どちらかというと満足している:約52%
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どちらかというと不満:約23%
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不満:約2%
治安については約74%の住民が満足していますが、約25%が不満を感じており、エリアによる差があることがうかがえます。
住宅街は安心だが繁華街は注意が必要
回答者からは治安について以下のような声が寄せられました。
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住宅街は静かで落ち着いている。ファミリー層が多く安心
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警察が巡回しているので安心感がある。交番も多い
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錦糸町南口の治安が心配。夜はお店のキャッチがいる
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外国人観光客が多いエリアでは犯罪件数が多い傾向がある
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夜は危ないと思う時はあるが、昼間は人通りも多く明るい
錦糸町駅南口周辺など繁華街では夜間の治安を心配する声がある一方、住宅街エリアでは静かで安心との評価が多く見られます。地域の町内会活動や警察の巡回が治安維持に貢献しているという声もあり、エリア選びが重要と言えるでしょう。
「自然災害への安全性」の満足度について
墨田区は隅田川と荒川に挟まれた立地であり、海抜が低いゼロメートル地帯を含むエリアがあります。水害リスクは住民にとって大きな関心事です。住民の評価を確認しましょう。

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大変満足している:約18%
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どちらかというと満足している:約45%
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どちらかというと不満:約34%
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不満:約3%
自然災害への安全性については約63%の住民が満足していますが、約37%が不満を感じており、物価と並んで最も評価が分かれる項目となりました。
水害リスクへの不安と防災対策への信頼
回答者からは自然災害への安全性について以下のような声が寄せられました。
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ハザードマップを見ると水害の対象地域で不安がある
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海抜が低いので大雨や台風の時が心配
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隅田川と荒川があるため浸水リスクが高い
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災害対策はしっかりしている。避難所が近くにある
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区のハザードマップ開示や災害時の支援体制が整っている
隅田川・荒川の氾濫リスクや低地であることへの不安の声が多く見られます。一方で、区が積極的にハザードマップを公開し、防災訓練や避難体制の整備に取り組んでいることを評価する声もあります。住む際にはハザードマップの確認と避難経路の把握が重要です。
「住みやすさ総合評価」について
ここまで6つの項目について満足度を確認してきました。最後に住みやすさの総合評価を見ていきましょう。個別項目では課題も見られましたが、総合的な住みやすさはどのように評価されているのでしょうか。

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大変満足している:約38%
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どちらかというと満足している:約57%
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どちらかというと不満:約4%
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不満:約1%
住みやすさ総合評価では約96%の住民が満足しており、非常に高い評価を得ています。
利便性と下町情緒のバランスが魅力
回答者からは総合的な住みやすさについて以下のような声が寄せられました。
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都心にも出やすく、ソラマチになんでもある。とても住みやすい
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程よく下町もあり住みやすい。人が温かい
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買い物、娯楽、交通の便がよいため住みやすかった
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子育て世帯も独身も過ごしやすい地域だと思う
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友達にも墨田区はおすすめする。両国は最高
交通の便、買い物環境、商業施設の充実など、都市としての利便性と下町の人情味を併せ持つ点が墨田区の総合的な魅力として評価されています。物価や災害リスクへの不安はあるものの、総合的には住みやすい街として多くの住民に支持されています。
まとめ
今回の墨田区住民満足度調査では、多くの項目で高い満足度が示され、墨田区が住みやすい街として評価されていることが明らかになりました。調査結果の要点を整理します。
特に高評価だったのは生活のしやすさ(約96%)と交通の便(約95%)です。東京スカイツリーを中心とした商業施設の充実、複数路線を利用できる交通アクセスの良さが墨田区の大きな強みとなっています。
一方で、物価(約63%)と自然災害への安全性(約63%)は相対的に低い満足度となりました。観光地化による物価上昇や、河川に囲まれた地形による水害リスクは、墨田区に住む際に考慮すべき点と言えるでしょう。
総合的には約96%の住民が住みやすさに満足しており、都心へのアクセスと下町の人情味を両立した住環境が高く評価されています。墨田区への転居を検討している方は、本調査結果を参考に、ご自身のライフスタイルに合ったエリアを選んでいただければ幸いです。