「ベタ基礎だから安心」は間違い──100人調査で見えた実態とは
最適な情報を提供し、安心して暮らせる社会づくりを目指すBEST株式会社(本社:神奈川県横浜市、代表取締役:大澤 竜、以下当社)。シロアリ駆除専門のサービス「シロアリお助け本舗」を通じて、シロアリによるさまざまなトラブルを解決しています。
今回当社では、シロアリ駆除経験者を対象に独自アンケートを実施しました。
【調査概要】
調査対象:全国のシロアリ駆除・予防を業者に依頼した経験のある方
調査期間:2025年9月17日
調査機関:自社調査
調査方法:インターネットによる任意回答
有効回答数:100人
シロアリ被害は決して珍しくなく、木材を使っている住宅であれば一部地域を除き(※)被害にあう可能性があります。国土交通省の補助事業としておこなわれたシロアリ被害実態調査によると、築25年を超えた物件の被害率は約2割に達しています。
本調査の結果、シロアリ被害にあった住宅の基礎構造は「布基礎」よりも「ベタ基礎」が約2倍多いと判明しました。昨今は、耐震性やエネルギー効率の観点から「ベタ基礎」が主要な基礎構造となっています。住宅金融支援機構の「フラット35住宅実態調査」によると、新築の木造住宅に採用される基礎の割合は、ベタ基礎が95.2%に対し、布基礎は4.7%という結果でした。

布基礎は柱や壁といった構造躯体部の直下にだけ鉄筋コンクリートを打ち込むのに対し、ベタ基礎は床下全体がコンクリートで覆われる工法です。構造上、シロアリの侵入を防ぎやすいと考えられていましたが、今回の調査でベタ基礎の住宅もシロアリ対策が必要と明らかになりました。
本リリース前半では、調査レポートにもとづいたシロアリ被害の実態をお伝えし、後半では具体的なシロアリ対策のチェックポイントをご紹介します。
※北海道の名寄町より北は生息範囲外
参考:『国土交通省補助事業 シロアリ被害実態調査報告書』日本長期住宅メンテナンス有限責任事業組合 2013年
参考『フラット35住宅実態調査』住宅金融支援機構 2023年
シロアリ被害「ベタ基礎」が「布基礎」の2倍

調査によると、ベタ基礎は布基礎の2倍の被害件数であることが明らかになりました。そもそもベタ基礎の住宅が圧倒的に増えているため、ベタ基礎がとくに狙われやすいわけではなく「ベタ基礎も布基礎も関係なく被害にあう」と考えるとよいでしょう。
ベタ基礎は建物の底面全体を鉄筋コンクリートで覆う基礎のことで、これまで主流だった「布基礎」と比べると耐震性にすぐれ、土壌の湿気が上がりにくいです。
自宅の基礎構造は建築時に作成された構造計画書を確認すればわかります。計画書がない場合は、住宅診断(ホームインスペクション)で建築士に確認してもらうことが確実です。床下点検口がある場合、床下を目視で確認し、柱の間に土がある場合は「布基礎」の可能性が高いです。
土壌が塞がっているぶん、シロアリの侵入にも強いと考えられてきました。
しかし今回の調査の結果、ベタ基礎だからといって安心できないことが明らかになりました。ベタ基礎の住宅でもシロアリ対策は必須です。
被害に気づくピークは4~6月、その前から侵食は始まっている

調査によれば、シロアリ被害に気づいた時期のうちもっとも多いのは冬の寒さが和らぎ、気温が上がる4~6月でした。この時期はシロアリが活発化し、羽アリが発生する時期でもあります。
羽アリとは、その名の通り「羽」のついたシロアリのことです。新たな巣をつくるために集団で飛び立つ習性があり、4月から8月ごろにかけて活発化します。


被害に気づいたきっかけは「羽アリを見た」が71%と圧倒的に多く、続いて「柱に食痕がある」「蟻道(ぎどう)※を見つけた」「住宅のゆがみ」などが多いです。
シロアリは一日に体重の1/50程度の木材を食べることが実験結果からわかっています。巣には数千から数万頭の個体が存在しますが、短期間で木材をボロボロにするほど侵食のペースは早くありません。
シロアリは被害に気づく数ヶ月前から侵食を始めているのです。シロアリ被害を最小限に抑えるには、活動が活発化する前の早期発見・早期対策が重要です。
年末年始の大掃除のタイミングで、シロアリの点検や対策も合わせて実施することでシロアリ被害を最小限に食い止められます。
※蟻道(ぎどう):シロアリが移動するためにつくる土が主成分のトンネル
駆除にかかる時間は半日~2日、時間のあるときに検査しよう

調査結果によると、シロアリ駆除・予防にかかる時間は「半日」が35%ともっとも多く、「1日」が25%、「2日」が20%となりました。
基本的にはシロアリ駆除作業中であっても住宅には住み続けられます。とはいえ普段通りの生活は難しく、とくに床下への出入り口となる床下点検口周辺は囲いをつくるため、通りづらくなります。
年末年始の長期休暇は、シロアリ駆除に取り組む絶好の機会です。調査費無料のシロアリ駆除業者も多く、まずは調査だけでも時間があるときに実施するのがオススメです。
シロアリ早期発見のための5つのポイント
調査項目「シロアリ被害に気づいた主なきっかけ」にもとづいて、5つのチェックポイントを作成しました。
チェック項目1|羽や羽アリの死骸は落ちていないか
チェック項目2|木材に小さな穴や崩れはないか
チェック項目3|蟻道がないか
チェック項目4|床や畳がきしむ・沈む感覚はないか
チェック項目5|庭の木製構造物にシロアリの痕跡がないか
チェックリストはPDFにまとめています。年末年始の総点検にお役立てください。
チェック項目1|羽や羽アリの死骸は落ちていないか
羽アリは群飛(ぐんぴ)(※)と呼ばれる方法で、巣の拡大をおこないます。窓際、ベランダ、玄関などに羽アリはいないか、死骸は落ちていないかをチェックしましょう。また、羽アリは着地後羽を落とすため、羽だけ落ちている場合もあります。見落とさないよう注意しましょう。
※群飛(ぐんぴ):新しい巣をつくるために羽アリの集団で移動すること。巣がある程度大きくなったり、木材が近くになくなったときに起こる
チェック項目2|木材に小さな穴や崩れはないか
床や柱に小さな穴や崩れがないか確認しましょう。駆除業者は点検の際、「打診」と呼ばれる診断方法を使います。柱を指でコンコンと叩いて、反響音から木材の状態を推測するのです。
シロアリの被害にあっていない木材は中身が詰まっているため、叩いたときに重い音がしますが、被害にあうと内部が空洞になり軽い音がします。経験がないと正確な判断は難しいですが、怪しい場合は駆除業者に相談しましょう。
チェック項目3|蟻道がないか
蟻道は餌となる木材や水場と巣とをつなぐようにつくられます。主な場所は以下のとおりです。
・立ち上がり
・束石・束柱
・断熱材
・ベタ基礎
・配管周辺
・外壁
・化粧モルタル・タイル張り
・放置された木材・木柵
発見した場合、触らず撮影だけして一刻も早くシロアリ駆除業者に相談してください。壊すとシロアリが警戒し、別の場所へ逃げる可能性があります。
チェック項目4|床や畳がきしむ・沈む感覚はないか
シロアリ被害にあった床はフカフカし、足裏への反発感が弱まります。また、シロアリは木材のほかに畳の芯に使用されている藁も好むため、畳の感触に違和感がある場合も要注意です。怪しい場合は畳を外して裏側や畳下板に土がついていないか確認してください。
チェック項目5|庭の木製構造物にシロアリの痕跡がないか
住宅の中だけでなく、庭や倉庫などに放置されている木材がないか確認しましょう。家の外だからと放置するのは危険です。木材を食べ尽くしたシロアリが新たな餌を求めて、住宅に侵入する可能性があります。
・ウッドデッキ
・木製フェンス
・木製の門柱
・庭の枕木や杭
・放置された木材
・切り株
・古いダンボール
・木造の物置
大掃除と合わせて実施したい6つのシロアリ予防
シロアリ被害から住宅を守るには、シロアリを寄せ付けない環境づくりが大事です。代表的な6つの予防方法を紹介します。
予防1|床下点検口をつける
予防2|除湿の徹底で床下の湿度を下げる
予防3|住宅基礎部分のひび割れを点検
予防4|配管周辺の隙間を点検
予防5|住宅周辺の環境整備で侵入経路を断つ
予防6|薬液散布で床下にバリアを貼る
予防1|床下点検口をつける
シロアリは床下から基礎を伝って家の中に侵入します。床下点検口は定期的に床下をチェックするうえで便利な造作です。蟻道などのシロアリの痕跡に早いうちから気付けるようになり、被害を最小に抑えられます。
予防2|除湿の徹底で床下の湿度を下げる
シロアリが好む湿度は70~80%程度であり、この数値を下回ることで被害リスクを軽減できます。具体的には以下が改善のポイントです。
・床下換気口の周辺が物で塞がれていないかの確認
・湿気を外に飛ばすための床下換気扇の設置
・地面からの湿気を遮断するための防湿シートの敷設
予防3|住宅基礎部分のひび割れを点検
ヒビの原因は乾燥による収縮、気温変化、地震による被害などさまざまです。シロアリは0.6mm以上のヒビであれば侵入できると言われています。発見した場合、外壁塗装会社などの専門業者へ補修を依頼してください。応急処置として市販されている基礎・ブロック塀用補修材を使うのもオススメです。
予防4|配管周辺の隙間を点検
基礎のひび割れ同様、水道管、ガス管など住宅の中までつながるパイプの周辺に隙間があると、シロアリの侵入経路となります。外壁塗装会社などの専門業者に修繕依頼をしましょう。
応急処置として、市販のシーリング材を使うことも有効ですが、シーリング材と配管の相性が悪いこともあります。それぞれの成分を調べ、問題ないか確認をしましょう。
予防5|住宅周辺の環境整備で侵入経路を断つ
シロアリは木材をはじめ、セルロースを含む材料を餌にします。建物周辺に放置されている該当物を片付けることで、ターゲットになりにくくなります。とくに注意すべきものは以下です。
・使用済みの木材や廃材
・段ボール箱
・古新聞や雑誌の束
・枯れ枝や落ち葉の堆積
予防6|薬液散布で床下にバリアを貼る
シロアリの侵入を防ぐ目的でもっともよくおこなわれるのは、「バリア工法」と呼ばれる施工です。住宅の床下に専用薬剤を満遍なく散布することで、土中に侵入しているシロアリを駆除すると同時に、新しいシロアリが侵入できない層(バリア層)をつくります。

バリア工法のDIYは難しく、シロアリ駆除業者への依頼が必要です。気になる方は無料相談から始めて
ください。
まとめ
今回の調査で、ベタ基礎だからといってシロアリ被害を避けられるわけではないと明らかになりました。布基礎とベタ基礎、どちらの基礎構造であってもシロアリ対策は必要です。
対策のタイミングはシロアリ被害が進行する前で、時間のある年末年始がオススメです。大掃除の際に「シロアリ早期発見のための5つのポイント」を活用し、自宅のシロアリ総点検を実施してみてください。
シロアリ駆除業者による専門的な点検をお考えなら、当社のサービス【シロアリお助け本舗】にお気軽にご相談ください。経験豊富な調査員がご自宅に訪問して無料点検をおこないます。
【BEST株式会社について】
会社名:BEST株式会社
代表:大澤 竜
所在地:神奈川県横浜市
設立:2004年
事業内容:ライフメディア事業
【本件に関するお問い合わせ先】
BEST株式会社:マーケティング部
Email: info@best-24.jp
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