日曜日, 12月 22, 2024
ホーム調査レポート経験者に聞いた、自宅で介護するときの課題とは?バリアフリー住宅のあり方を考える実態調査

経験者に聞いた、自宅で介護するときの課題とは?バリアフリー住宅のあり方を考える実態調査

<本調査に関して>

株式会社MEMOCO(本社:東京都渋谷区、代表:熊田 貴行)は、同社が品質管理および記事制作を請け負うゼロリノベと合同で介護の当事者・介護者・介護経験者の男女140名を対象に、介護の当事者・介護者・介護経験者を対象にした住宅に関するアンケート調査を実施しました

調査概要

調査概要:「介護の当事者・介護者・介護経験者を対象にした住宅に関する実態」についてのアンケート調査

調査期間:2024年7月7日(日)〜7月20日(土)

調査方法:インターネット調査(クラウドソーシングサービス)

調査人数:140人

調査対象:男性50人、女性90人

回答者に関して

まずは回答者の年代と男女の割合に関してご紹介します。

出典:ゼロリノベ

回答者の年代

20代:約12%

30代:約29%

40代:約29%

50代:約25%

60代以上:約5%

出典:ゼロリノベ

回答者の性別

男性:約36%

女性:約64%

自身の介護に関しての状況

出典:ゼロリノベ
  • ご自身は障害を持っていない・家族や他者を介護している:約66%

  • ご自身は障害を持っていない・家族や他者を介護していないが障害を持っている方が身近にいる:約22%

  • 介護の仕事をしていた・介護の仕事をしている:約6%

  • ご自身が障害を持っている・家族や他者から介護を受けている:約4%

  • ご自身が障害を持っている・自分自身だけで生活している:約2%

「ご自身が障害を持っている」を選ばれた方の自宅で生活する上でストレスに感じているポイント

  • 家事が上手にできない事がストレスです(女性 50代)

  • ゴミ出しなどの生活面全般においてストレスです(女性 40代)

生活の中で家事全般ストレスを感じることが多いようです。

「ご自身が障害を持っている・家族や他者から介護を受けている」を選ばれた方が、自宅で「ここを変えたら介護がしやすくなる」というポイントとは

  • もう少し部屋が広かったら、車椅子が動きやすいのにと思う(女性 50代)

  • 平屋がよいが、手狭になってしまう。騒音などを考えると集合住宅は難しい(女性 40代)

  • 階段移動が二人がかりでないと難しいので、エレベーターが欲しい(女性 40代)

「介護に関しての動線の確保」や「介護者が支援するためのスペースの確保」といった声が多かった印象です。また、車椅子の場合は切り返しなどでスペースが必要になるので、そういった面でも「スペース」は大きな課題と言えるでしょう。

「ご自身は障害を持っていない・家族や他者を介護していないが障害を持っている方が身近にいる」を選ばれた方が「住環境のここを変えたら介護がしやすくなる」というポイント

  • 同じ手すりでも可動だったり、簡単に高さを変えられると有難い(女性 50代)

  • 少しの段差でも車椅子が使いづらくなるので、移動しやすいようにフラットな床にしたい(女性 50代)

  • 小さな段差をできる限りなくして、トイレは広くしたい(男性 40代)

どの程度の介護が必要か、その状況は改善することもあれば進行することもあります。そういった変化にも対応できるように、設備や部屋の間取りも可変性があると良いでしょう。

今のご自宅をリノベーションできるとして、どんな空間にリノベーションしたいか

  • 平屋建てにして段差をなくし、各部屋の仕切りをなくしたい(男性 40代)

  • 玄関ドアをスライド式に変えたり、廊下の幅や入口ドアの幅を広げたりしたい(女性 30代)

  • 車椅子でもスムーズかつシームレスな垂直の移動(上階との昇降)を可能にしたい(男性 50代)

  • 家事をしていても(要介護者の)様子が確認できるよう、リビング横に部屋を作りたい(男性 30代)

  • オシャレさを残しつつバリアフリーな家にして、快適な空間で生活したい(女性 30代)

  • 安全のためのロックや防音、就寝時のモニターがあると安心(男性 40代)

    トイレと寝室を近くしたい(男性 40代)

  • 段差をなるべく減らして、生活空間を一階に集約させたい(女性 30代)

「介護に必要なスペースを設ける」、「デザイン性を意識しながらもバリアフリーで機能的な家にしたい」といった声が多い印象。特にデザインと機能の両立が求められている背景としてあるのは、単に介護用の住宅にして環境を快適にするだけでなく、気持ちの面でもストレスフリーな住宅にしたいというニーズが多いということでしょう。

ゼロリノベのバリアフリー事例

2023年にゼロリノベがリノベーション・オブ・ザ・イヤーで「1500万円以上部門/ユニバーサル・デザイン賞」を受賞したバリアフリーの事例 (出典:ゼロリノベ施工事例)

玄関から繋がる長いスロープは車椅子での移動用に。シンク下はオープンに、換気扇スイッチはコンロ下に設けて車椅子のまま使える仕様にしています。浴室はベンチ付きのユニットバス。長く住むことを見据え、リビングのキッズスペースやWICへのベッド追加など、間取りの柔軟性も残しています。

まとめ

今回は介護を必要としている人、介護をしている人を対象に現在のおうちのストレスポイントや、「リノベーションできるとしたらどうしたいか?」といったことを聞いてみました。「スペースの確保」と「デザイン性のあるバリアフリー」が主なキーワードになっています。

バリアフリーの住宅設備は福祉色が強いものが一般的ですが、バリアフリー住宅には物理的なバリアがないことだけでなく、住む人の気分が上がるという意匠的な要素も求められていると言えるでしょう。

ゼロリノベでは、個々の身体的・精神的状況に合わせて住宅のあり方を提案しています。実際にどれくらいのスペースが必要なのか、どんな構造にすれば使いやすいのか。機能面はもちろん、リノベーションならではのデザイン面も妥協しません。気持ちとしても物理的にもストレスのない家に住むことで、本当の意味でのバリアフリーは実現できるのかもしれません。

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