不動産の情報提供メディア「イエコン」を運営している株式会社クランピーリアルエステート(本社:東京都中央区築地、代表取締役社長:大江 剛 / 寺田 真吾)は、実家が戸建てで将来空き家になる予定、または空き家を相続しそうな男女1000人を対象に「実家が空き家になったらどうするか」についてアンケート調査を実施いたしました。調査の結果、実家が空き家になったらどうするのかをまだ決めていない人が半数以上いることが明らかになりました。
※データを利用される際は、出典元として必ずこちらのURL(https://iekon.jp/column/vacant-house/32683) をご記載いただきますよう、お願いいたします。
実家が空き家になったらどうするか決めていない人が53%!次いで売却する人が16%
実家が空き家になったらどうするのかを聞いたところ、以下のような回答結果となりました。
1位の「まだ決めていない」は全体の52.9%と、半数以上が実家をどうするか考えていないとわかります。
また、自分や親族が住まず、「空き家」となった実家に対する処分方法を回答した人には、さまざまな意見がありました。
売却して現金化する理由は「管理したくない」から
売却して現金化する理由として、「管理したくない」からと答える人が多くいました。
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山奥の古い家です。使い道がないんです。(男性)
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かなり古く傷んできているし、私たちはそれぞれ別の場所で暮らしているので。(男性)
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九州在住のため、関東の実家に住むことはないので(女性)
老朽化に伴って管理が大変になることを危惧したり、遠方に住んでいるため管理ができないなどの声がありました。
いくら実家を残したくても管理のために遠方の実家へ年に数回帰省するのは現実的ではありません。
売却を選択したのは、やむを得ないことかもしれません。
また、売却方法については「不動産会社に依頼」する人が多いようです。
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不動産業者に販売委託(男性)
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地元の不動屋さんに買取です。売却益を均等分けです。(男性)
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まだしてないのでわからないが、数社の不動産屋に査定依頼すると思います。(男性)
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兄弟と相談して、不動産買取か仲介で売れるのを待つと思います。(女性)
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まだ売却の時期ではないが、売却時はきちんとした不動産屋に任せると思う。プロに任せたほうが安心。(女性)
不動産会社に買い取りしてもらう、または仲介してもらうなど、何らかの形で不動産会社に依頼をする人がほとんどでした。
また、その際は「複数社に査定依頼をする」と答えた人もいました。
更地にする理由は「売却しやすい」から
建物を取り壊して更地にする理由としては「売却しやすい」からが1番多く、更地にした後に売却することを視野に入れているとわかります。
建物が古い場合はとくに、購入者が新たに家を建てる際に時間や解体費用がかかることを考えると、中々買い手がつかない可能性があります。更地にすれば購入後すぐに土地を活用できるため、需要が高まり売却もスムーズになる可能性が高いです。
また、その他の意見には以下のようなものがありました。
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土地は借地のため更地にして返還する(女性)
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家は両親名義だが土地は借地なので、住まなくなれば更地にして返す契約になっているため。(女性)
実家の建っている土地は借地で、上に建っている建物は親名義のケースでは、更地にしてから地主に返還をする契約になっている場合があります。
実家が借地に建っている場合は地主の許可がなければ売却できないため、更地にして地主へ返還する選択を取る人が多いのではないでしょうか。
賃貸にする理由は「家賃収入を得たい」から
賃貸にする理由は圧倒的に「家賃収入を得たい」が多く、賃貸にすると答えた人の6割以上にのぼりました。建物の状態が良く、不便な立地でなければ長期的には売却するよりも利益が得られるかもしれません。
さらに思い出のある実家も残せるため、メリットを感じる人も多いでしょう。
相続しない理由も「管理したくない」から
実家を相続するかどうかに関しては、全体の53.2%が「相続したくない」と答えました。
【相続したくない理由】
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相続の手続き、その後の家の管理が面倒だから(男性)
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建物が古いため、改修などにお金がかかりそうだから。(男性)
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離れた場所で生活しているので、管理できない(男性)
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相続税が払えるのか?がまずは問題。規模が違うので。(女性)
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今は少し離れた土地に住んでいるので相続しても扱いにこまってしまう。(女性)
コメントからもわかる通り、管理の面や固定資産税及び相続税などの支払いを危惧し、相続は考えられないという人が多いようです。
実際に、相続したくない理由を聞いた質問では「管理したくない」が1位、「固定資産税を払いたくない」が2位、「資産的価値が低い」が3位となっています。
相続した場合の管理については、「相続トラブル」について聞いた質問に以下のようなコメントがありました。
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遠方に住んでいるため、管理が難しいとか、世代間で意見が異なる。(女性)
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今のところトラブルはありません。ただ、相続した場合は補修で費用がそれなりにかかりそうです。(女性)
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誰がお金を払って管理するか。(女性)
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実家というよりも祖父母の家だったが、空き家になってからの維持費と片付けを誰もやらなくてトラブルになった。(女性)
「トラブルはない(なかった)」との回答が多い中、管理を巡ってトラブルになった人や、相続した場合の修繕費が嵩みそうなのを危惧している人がいます。
実家を相続した場合は土地建物が資産になりますが、管理費や固定資産税の支払いなどの出費も発生します。それらを考えた際に、「相続はしない」といった選択をする人も一定数いるようです。
一方で、思い出や愛着が詰まった家という理由や、自身が住むことを考えて、また売却など活用したいなどの理由で相続したいという人がいました。
【相続したい理由】
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自分が育った愛着のある家なので、できることなら相続したい(男性)
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売却や建て替えなどの有効が活用したいから。(男性)
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親がなくなった後、自分が実家に住みたいからです。(女性)
空き家のまま放置する理由は「どうするか決めてない・解体するお金がない」から
実家を空き家のまま放置する理由は、「どうするか決めていない」と「解体するお金がない」が同率1位でした。
相続人が複数人いる場合や、実家について連絡を取り合う親族がいる場合は独断で実家の処遇を決めるのは困難です。親族間で意見が食い違ったり、単純に話し合いの場を持っていないなどの理由で、実家が「宙ぶらりん」の状態になっているのかもしれません。
また、解体するお金がないために放置されているケースもあります。
一軒家を解体するには、一般的に100~300万円程度かかるため解体費用を用立てられない人もいるでしょう。
ただし、空き家のまま放置していても管理費用や固定資産税などさまざまな費用が必要なため、なるべく早期に実家をどうするか決定したいものです。
55.2%が実家を無くすことに抵抗があると回答
53.2%の人が実家を「相続したくない」と答えつつも、55.2%の人は実家をなくすことに「抵抗がある」と回答しています。
【抵抗がある人の意見】
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子供の頃の両親との思い出があるので、なんとなく寂しいというのが理由です。(男性)
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母方の本家筋にあたるので、なくしてしまうと親戚一同が集まる場所が減るという点が気になっています。(男性)
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何かあったとき、無職になったときに帰る場所がなくなると、怖い。(男性)
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自分が生まれ育った思い出があるということと、建物や庭が古くて歴史があるので、無くしたくないです。(女性)
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祖父が購入した土地を私が処分してしまってよいのか、と考えてしまいます(女性)
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思い出の場所。立地もよいので手放すのはもったいない。(女性)
抵抗がある人の意見には、生まれ育った思い出があるというものが多くありました。
昔から親族が集まる本家だった場合はなくしてしまうと親族一同が集まれない、自分の帰る場所をなくしたくないといった、実家に対して「人が集まる機能」を求める人もいました。
また、古い建物ならではの趣を残したい、立地の良い場所にある家を手放したくないといった意見もあります。
一方で、実家を処分することに抵抗がない理由には、いずれ手放すなら早めに見切りをつけたいといったものがありました。
【抵抗がない人の意見】
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いずれは手放すことになるものなので、早めに見切りをつけた方が良いと思います(男性)
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そのまま残していても、余計な支払わなければいけないお金が発生しそうだから(男性)
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家族仲が良い方ではなかったので思い入れが人より少ないと思います。(男性)
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家そのものが育った家ではなく、独立後に親が購入したため、想い入れが全くないためです。(女性)
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かなり古い家なので、残した方が周囲に迷惑をかけてしまうため。(女性)
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住む予定がないので、有効に利用してほしいから(女性)
誰も住む予定がない場合は、家を所有していても管理費用や税金など余計な費用がかかるばかりでデメリットが大きくなる可能性があります。
それならば処分して、有効に活用してくれる人に託す方がいいのかも知れません。実家が老朽化している場合は、倒壊の危険があるため早めに処分を検討した方がいいでしょう。
また、家そのものに愛着がないケースもあります。
家族仲があまり良くなかった、独立後に親が購入したため実家に住んだことがないなど理由はさまざまですが、愛着が無ければ実家を処分することに抵抗がないのは当然といえるでしょう。
77.3%が空き家を放置すると固定資産税が6倍になる可能性があることを知らなかった
2015年に施行された「空家等対策特別措置法」によって、所有している空き家が「特定空き家」に指定されると罰則が設けられることになりました。
「特定空き家」とは、そのまま放置すれば倒壊など保安上危険となる恐れがあったり、著しく衛生上有害となるおそれがあったり、また管理が適切に行われていないことで景観を著しく損なっている状態の空き家のことです。
空き家を放置し、「特定空き家」に認定されてしまうと固定資産税の優遇措置が適用されなくなり、固定資産税額が最大6倍になる可能性があります。
しかし、77.3%の人が空き家を放置すると固定資産税が6倍になる可能性を「知らなかった」と答えています。
人が住まなくなった家は、そのまま放置しておくと老朽化が早まります。
実家が空き家になった時に「特定空き家」に認定されないよう、実家をどうするかは早めに決めておくと安心できるのではないでしょうか。
◆当調査の利用に関して
1.当調査のデータを引用・転載する場合には、「出典:イエコン(株式会社クランピーリアルエステート)」の表記をお願いいたします。
2.データを引用される際は、出典元として必ずこちらのURL(https://iekon.jp/column/vacant-house/32683)をご記載いただきますよう、お願いいたします。
【調査概要】
■調査名:実家が空き家になった場合の対応についてのアンケート
■調査対象:実家が将来空き家になる予定の10代~60代の男女
■調査方法:選択式・記述式のWEBアンケート
■有効回答人数:1000名(回答率100%)
■調査期間:2024年7月5日~2024年7月19日
【会社概要】
社名:株式会社クランピーリアルエステート
本社所在地:東京都中央区築地2-10-6 Daiwa築地駅前ビル9階
代表者氏名:大江剛/寺田真吾
資本金:1億円
事業内容:共有名義不動産買取事業/訳あり相続不動産買取事業/不動産仲介事業(売買仲介)/不動産業者検索サイト「イエコン」の運営
会社ホームページ:https://c-realestate.jp
イエコン:https://iekon.jp/